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【ニューヨーク観光】ハイライン The High Line 徹底ガイド 歴史・見どころ・アクセス

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ニューヨーク・マンハッタンの西側、チェルシー地区からハドソンヤードまでを縦断する「ハイライン」は、かつて貨物列車が走っていた高架鉄道を再生した全長2.3キロの都市型空中公園です。

廃線となった鉄道の遺構を活用し、緑と現代アート、コミュニティスペースが融合したハイラインは、ニューヨークの都市再生を象徴する存在として国内外から高く評価されています。緑豊かな植栽、近未来的な建築、絶景のビューポイント、野外彫刻やインスタレーションなど、歩くだけで刺激的な発見に満ちています。

この記事ではハイラインの歴史、設計の特徴、見どころ、アクセス、楽しみ方まで、分かりやすく解説します。

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ハイラインの歴史・設立時の背景

ハイラインの歴史は1934年に始まります。当時、マンハッタン西側のミートパッキング地区やチェルシーは貨物輸送の拠点であり、地上を走る貨物列車は頻繁な事故や都市渋滞の原因となっていました。

ニューヨーク市はこうした課題を解決するため、線路を地上から高架に移設し、「ウェストサイド・エレベイテッド・ライン」と呼ばれる高架貨物鉄道を建設しました。全長21キロにも及ぶこの鉄道路線は、倉庫や工場の2階部分に直接貨物を運び入れる独自のシステムで、20世紀中盤までニューヨークの物流を支えました。

廃墟化した高架線路跡地を保存して作られたハイライン

トラック輸送の普及や産業構造の変化により、1980年には全線が運行停止となり、高架線路は廃墟化します。地域住民や行政の間では撤去論もありましたが、一方で歴史的遺構と都市緑化の可能性を評価する声が高まっていきます。

2000年、「フレンズ・オブ・ザ・ハイライン(Friends of the High Line)」という市民団体が誕生し、高架鉄道を公園として再生する運動がスタート。建築家ダイラー・スコフィディオ+レンフローと植栽デザインのピート・ウードルフによる革新的な都市公園計画が始まります。鉄道の鉄骨や枕木、線路を活かしたデザインは「廃墟美」と「都市自然」の融合という斬新なコンセプトで注目され、2009年に第一区間が開園。

その後段階的に延伸され、2019年にはハドソンヤードの新名所「ザ・ヴェッセル」付近まで全線が完成しました。このプロジェクトは都市再生のロールモデルとなり、廃線や廃墟の新しい活用方法として世界中の都市計画にも大きな影響を与えています。

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産業の変化と物流システムの進化

20世紀前半、マンハッタン西側のチェルシーやミートパッキング・ディストリクトには食肉加工場、倉庫、運送会社などが集中していました。当時は牛や豚などの家畜が近郊から鉄道で運び込まれ、沿線の工場で処理され、ニューヨーク全域へ出荷されていました。ハイラインはまさにそのために建設された高架貨物線路で、工場の2階や3階に直接貨物車両を横付けできる画期的なシステムでした。

第二次世界大戦がもたらした工業の変化

しかし、第二次世界大戦後のアメリカでは、都市の工業地帯そのものが大きな転換点を迎えます。

  • トラック輸送の普及
    1950年代以降、高速道路網の発達とともに、長距離・大量輸送が鉄道からトラック主体へと移行しました。これにより鉄道用の倉庫や高架線路の必要性が急速に薄れていきました。

  • 郊外化・産業の分散
    都市部の地価高騰やインフラの老朽化、労働力の流動化により、食肉加工業を含む多くの産業が郊外や他州へと拠点を移しました。巨大な工場や倉庫をマンハッタン中心部で運営するメリットが失われたのです。

  • 流通・冷蔵技術の進歩
    冷蔵トラックや新しいパッケージ技術の登場で、生肉や加工食品を遠方から安定供給できるようになり、現地での大量加工のニーズが減りました。

都市再開発と社会的要因

1960~70年代には、治安の悪化や都市の老朽化も重なり、工場・倉庫街のイメージは低下します。一帯には廃業した工場や使われなくなった建物が増え、ハイラインの上も草や木が生い茂る「都市の廃墟」と化していきました。

その後、80年代から90年代にかけて、マンハッタンの都市再開発が進行し始めます。地価や不動産需要が再び上昇し始めると、古い工場や倉庫は徐々にアートギャラリー、デザインスタジオ、高級住宅、レストランやカフェなど新しい用途へとリノベーションされていきました。

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ハイラインはニューヨークの都市再生の大成功例

ハイラインの再生プロジェクトは、ニューヨーク都市再生史の中でも象徴的な成功例とされています。再生にかかった総事業費はおよそ1億5,000万ドル(約200億円)。この投資は、市民運動、行政、民間企業、アート界、デベロッパーが連携し、「公共空間」としてのハイラインを実現するために積み上げられたものです。

市民団体が導いた再開発の新しいありかた

先述の通り、もともとハイラインは1930年代に貨物専用の高架鉄道として建設され、ミートパッキング・ディストリクトからチェルシー地区、ハドソンヤードに至る21キロ以上の路線の一部でした。しかし1980年の運行停止以降、鉄道は放置され、老朽化と自然繁茂によって「都市の廃墟」と化。1990年代には高架を撤去し再開発用地とする計画も持ち上がり、地域住民や不動産業者の間で議論が分かれました。

そんななか、1999年にジョシュア・デヴィッドとロバート・ハモンドという2人の住民が中心となり、市民団体「フレンズ・オブ・ザ・ハイライン」を結成します。彼らは廃線を撤去するのではなく、新しい都市公園として蘇らせるというビジョンを掲げ、行政へのロビー活動やアイディアコンペ、資金調達キャンペーンをスタート。

再開発の費用が集まる骨太のニューヨークコミュニティ

当初は保全に否定的だった市や開発業者も、ニューヨークの都市ブランドや観光資源としての将来性に着目し、徐々に協力体制へと転じていきます。

設計は著名な建築家事務所ダイラー・スコフィディオ+レンフローと、オランダ人ランドスケープデザイナーのピート・ウードルフが担当。高架線路の鉄骨や枕木をできるだけ保存・再利用しながら、現代的なデザインと自然植生を融合させるという斬新なコンセプトが採用されました。

資金面では、ニューヨーク市と州の予算に加え、多くの民間企業や財団、個人寄付が大きな役割を果たしました。全体の事業費1億5,000万ドルのうち、およそ3分の1は個人や企業による寄付によるものとされています。第一区間(ガンスヴォート通り~20丁目)が2009年に開園し、その後段階的に北へ延伸。2014年には34丁目までの全線が完成しました。2019年にはハドソンヤード直結の最新区画もオープンし、全長2.3キロの空中公園が完成しています。

ハイラインの再生は公園整備の領域を超え、都市の「価値転換」そのものを象徴しています。撤去予定だった廃墟が世界中の観光客を呼ぶ新名所となり、周辺の地価・経済効果も劇的に向上しました。今では年間800万人以上が訪れ、アート、コミュニティ活動、都市緑化の最前線として世界的なモデルケースとされています。

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ハイラインの見どころリスト

ハイラインの全景と歩道

全長2.3キロの空中遊歩道は、かつての鉄道路線をそのまま活かして整備されています。高架上から眺めるマンハッタンの摩天楼、ハドソン川、チェルシーの赤レンガ街並みは、地上とは異なるニューヨークの表情を体感できます。春から秋にかけては四季折々の花や草木が植栽を彩り、歩くだけで癒やされる都市のオアシスです。

一歩一歩歩くごとに刻々と景色が変わるので、全長2キロ以上のお散歩もあっという間!植えられている植物も珍しいものもあり、止まって写真を撮ったり調べている人も結構います。楽しいですよ!

ベンチや休憩スペース

線路の枕木や鉄骨を再利用したベンチ、芝生スペース、ウッドデッキなど、多様な休憩ポイントが随所に設置されています。朝のジョギングや昼寝、読書にも最適な静かな時間が流れています。

パブリックアート

ハイライン最大の魅力の一つが野外アート作品の常設・企画展示です。壁画や彫刻、映像作品、インタラクティブアートが高架公園の各所に設置され、散歩しながら最先端の現代アートに出会えます。国際的なアーティストによる企画展も定期的に開催。

サンセット&夜景ビューポイント

西向きの高架からはハドソン川に沈む夕陽や、マンハッタンの摩天楼の夜景を一望できます。特に14thストリート付近や30thストリート展望デッキはフォトスポットとして有名です。冬季は5時ごろから暗くなり始めますが、夏至の頃は8時半でも明るいので、完全な夜景は9時以降がおすすめ。

ガンスヴォート・ストリート入口

南端のガンスヴォート・ストリートから入場すると、ミートパッキング地区の雰囲気と共にハイラインの歴史が感じられます。近隣には人気レストランやマーケットも充実。特に古めかしい煉瓦造りの建物と石畳の歩道、道路はマンハッタンの他の場所にはない雰囲気です。昔ながらの風情を感じながらインスタ向けの写真・ビデオ撮影も十分楽しめますよ。

チェルシーマーケット&アートギャラリー巡り

ハイライン直下のチェルシーマーケットや周辺のギャラリー街は、食やアート好きの観光客に大人気。散策の合間に立ち寄るのがおすすめです。

高架から降りる階段は至る所にあるので、お目当てのギャラリーの近くに差し掛かったらギャラリー街に降りて、ショッピングが終わったらまたハイラインに戻って散策を続けることも可能です。

レールトラック・ガーデン

線路の間に自生植物が繁茂するゾーン。鉄道の面影と都会の野生が共存するユニークな景観は、ハイラインならではです。

ハイラインは終点まで歩くのも意外とさっくり行けてしまいます。ただ通勤ラッシュ時は結構混むので、その時間帯は避け、思いっきり早朝か、夕方になる前もおすすめです。

ザ・ヴェッセルとハドソンヤード

北端には近年完成した大型開発「ハドソンヤード」と、螺旋階段型アート建築「ヴェッセル」があります。近未来的な建築とハイラインの緑が織りなす対比が美しい。

コミュニティイベントやヨガクラス

年間を通じて、ハイライン上ではマーケット、パフォーマンス、ヨガやガーデンツアーなど、さまざまな無料イベントが開催されます。市民や旅行者の交流拠点としても機能。

バリアフリー設計とアクセスの良さ

エレベーターやスロープも各所に設置されており、ベビーカーや車いす利用者も安心して楽しめます。地下鉄やバスからのアクセスも良好です。

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ハイラインの基本情報

  • 所在地:マンハッタン西側、ガンスヴォート・ストリート(南端)〜ウエスト34丁目(北端)

  • 営業時間:7:00〜23:00(季節・イベントにより変動あり)

  • 料金:入場無料

  • アクセス:地下鉄A/C/E/L 14th St駅、7番線Hudson Yards駅ほか各所入口から徒歩圏内

  • 設備:多言語サイン・トイレ・エレベーター・カフェ・警備・Wi-Fi等

  • 公式サイトThe High Line

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まとめ

ハイラインは、ニューヨーク都市再生の象徴として世界中から注目される空中公園です。かつての産業インフラが新たな公共空間へと生まれ変わり、緑、アート、人々の賑わいが日々刻まれています。

写真や散策、アート鑑賞、絶景スポット巡りなど、何度訪れても発見がある刺激的な観光地です。都市の進化とクリエイティビティに触れたいなら、ハイラインは必ず歩いてみたい場所です。

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この記事の著者
Kyoko Bartley

ニュージャージー在住。
幼少期からアメリカの映画やアニメーション、音楽に親しみ、大学ではアメリカ文化を専攻。留学・研究を経て2011年に渡米し、国際結婚、妊娠・出産、現地就職、住宅購入などを通して、外国人としてアメリカ社会で暮らすリアルを経験してきた。

2018年より、在米日本人向けアメリカ生活情報ブログ「なんだろなアメリカ」 を運営。教科書やガイドブックには載らない、実体験にもとづく生活情報や、文化の違いから生まれる「?」を「!」に変える視点を発信している。

また、プリンストンエリアを拠点に画家としても活動し、原画やグッズの制作・販売を行っている。

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