ニューヨーク・ブルックリン区にあるブルックリン植物園は、都市のオアシスとして、日本人観光客にも人気の観光スポットです。
約52エーカー(約21ヘクタール)の敷地に14,000種類以上の植物が育まれ、桜並木や日本庭園、ローズガーデンなどバラエティ豊かなコレクションが季節ごとに彩りを変えます。
教育プログラムやワークショップも充実し、植物学に触れたい人から写真愛好家まで幅広い層に支持されています。落ち着いた園内をゆっくり歩けば、都市の喧騒を忘れる癒やしのひとときが体験できますよ。本稿では歴史や設立背景、見どころの深掘り、アクセスやチケット情報までを詳しく紹介します。
- ブルックリン植物園の歴史・設立背景
- ブルックリン植物園の見どころ
- 日本風 丘と池の庭(Japanese Hill-and-Pond Garden)
- ネイティブフローラガーデン(Native Flora Garden)
- クランフォード・ローズガーデン(Cranford Rose Garden)
- シャイクスピア・ガーデン(Shakespeare Garden)
- チルドレンズ・ガーデン(Children’s Garden)
- ハーブガーデン(Herb Garden)
- ディスカバリー・ガーデン(Discovery Garden)
- ウォーターガーデン(Shelby White & Leon Levy Water Garden)
- リリー・プール・テラス(Lily Pool Terrace)
- オズボーン・ガーデン(Osborne Garden)
- パームハウス & ステインハート温室(Palm House & Steinhardt Conservatory)
- ラボラトリー棟(Laboratory Administration Building)
- ウッドランド・ガーデン(Elizabeth Scholtz Woodland Garden)
- リリー・コレクション & ロックガーデン
- セレブリティ・パス & 見晴らしの丘
- ブルックリン植物園の見どころ 教育・社会プログラムなど
- ブルックリン植物園の基本情報
- ブルックリン植物園の見どころ
- まとめ
ブルックリン植物園の歴史・設立背景
ブルックリン植物園は1911年5月13日に正式開園しました。設立の起点となったのは1897年、州議会が植物園用に39エーカーを指定したことです。
当時プロスペクトパーク北側に位置したこの土地は、1902年にインスティチュート・パークとして整備され、1907年以降ブルックリン芸術科学研究所(Brooklyn Institute of Arts and Sciences)が運営主体となりました。寄付や市の支援を受け、1910年に野生植物を植えるネイティブフローラガーデン、1911年にはパームハウスや研究所棟の建設が進められました 。
初代館長C・スチュアート・ゲイガーは、園内を「生きた教科書」と位置づけ、植物分類よりも景観的調和と教育価値を重視しました。設計はフレデリック・オルムステッドの息子たちが担当し、丘と池、川流れを取り入れた自然主義的景観を意図しました 。
1920〜30年代にはローズガーデンや日本庭園の整備、シャクシャインガーデンやハーブガーデンの追加などが行われ、園の魅力は大きく拡張されました。第二次大戦期には一時閉鎖された日本庭園も再整備され、教育プログラムも充実を見せました 。
1980年代以降、老朽化した施設の再生に伴い、1988年にはステインハート・コンザバトリーが開館。2000年以降も来園者の利便性を高めるためにビジターセンターや展示温室、館内カフェなどが整備され、今日の総合的な植物園としての完成度が高まりました 。こうした発展は都市の中に存在する「植物学・教育・景観」の融合を体現しています。
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ブルックリン植物園の見どころ
以下、園内の主な見どころをリスト形式でご案内します。
日本風 丘と池の庭(Japanese Hill-and-Pond Garden)
約3エーカーにわたる雪見灯篭、木造橋、鳥居、人工滝を配した典型的な枯山水と池泉回遊式庭園。設計者は潮田武雄氏で、1931年に完成しました 。初期に無料開放された点も特徴で、日本文化への理解と親しみを促す試みでした。
ネイティブフローラガーデン(Native Flora Garden)
1911年開園当初の展示園で、当初は地元野草を系統分類的に配置。その後1931年には湿地や乾燥草地、リーフォレストなど生態系別8区画に改編 。2013年にダーリル・モリソン設計による再整備が行われ、北米各地の固有種約15,000点のコレクションを維持 。
クランフォード・ローズガーデン(Cranford Rose Garden)
1927年に誕生し、500×500フィートに約3,000株・900品種を有するバラ園。ノックアウトローズやジュリア・チャイルドローズなど多彩な品種が植栽されています。香りの強さも評価され、ニューヨーカーを魅了しています。
シャイクスピア・ガーデン(Shakespeare Garden)
シェイクスピア作品に登場する80種以上の英名・学名植物を配置したイングリッシュコテージ式庭園 。詩や名言を添えたプレートが植物横に設けられ、文学と植物の融合を楽しめます。
チルドレンズ・ガーデン(Children’s Garden)
園児向けに設けられた教育型ガーデンで、野菜栽培、コンポスト学習、インターン制度などを実施 。都市の子どもに自然との接点を提供しています。
ハーブガーデン(Herb Garden)
薬用・料理用ハーブ約300種を配置。機能別に6区画+自由区画を設け、1580年代のデザインを現代に再構成 。実用性と修景性を併せ持つ学術的展示です。
ディスカバリー・ガーデン(Discovery Garden)
子どもと家族向けの1エーカーの体験型ガーデン。湿地、木立、草原の小径や「かくれんぼの樹」などを配置し、講座やイベントで自然観察を促進 。
ウォーターガーデン(Shelby White & Leon Levy Water Garden)
湿地再生をテーマとした1.5エーカーの水辺環境。黒ツブロヨウ、イグサなどが植栽され、2016年に再整備されています 。
リリー・プール・テラス(Lily Pool Terrace)
大きなヒヤシンスプールと錦鯉が泳ぐ水盤を中心とした景観。周囲に季節の草花を設置し、ネイティブガーデナリー的アプローチを展開 。
オズボーン・ガーデン(Osborne Garden)
約3エーカーのイタリア式整形庭園で、円柱や反響効果のある「ささやきのベンチ」が特徴。彫刻、噴水、イチョウの装飾が景観比として点在 。
パームハウス & ステインハート温室(Palm House & Steinhardt Conservatory)
1910年代建設のパームハウスは教育・イベントスペースに転用 。1988年竣工のステインハート温室は熱帯、砂漠、地中海気候のパヴィリオンで構成 。
ラボラトリー棟(Laboratory Administration Building)
1911年完成。マクキム・ミード&ホワイト設計の本館で、講堂や研究所を備え、トスカーナ・リバイバル様式とギリシア十字プランが特徴。ファサードには68名の著名な植物学者名が刻まれています 。
ウッドランド・ガーデン(Elizabeth Scholtz Woodland Garden)
北西角の遺構を取り入れた森林風ガーデン。遺跡風壁や木のトンネル、日陰植物が配されています 。
リリー・コレクション & ロックガーデン
ライラック150種のLouisa Clark Spencer Lilac Collectionや、氷河期由来の露岩を生かしたアルパイン植物を配置したロックガーデンがあります。
セレブリティ・パス & 見晴らしの丘
著名人の名が刻まれた通路を歩いた先に、地下ビジターセンター屋上の見晴らしの丘(Robert W. Wilson Overlook)があり、ブルックリンの街を一望できます。
ブルックリン植物園の見どころ 教育・社会プログラムなど
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プラント・アプレンティス・プログラム:中高生対象のインターン制度
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プロジェクト・グリーン・リーチ:小中学生向け科学教育アウトリーチ
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コミュニティ・グリーニング:地域園芸支援、公園や学校での緑化活動
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年間イベント:春のチェリーブロッサム祭り、秋のChile Pepper Festival、年末のライトスケープなど文化イベントも多彩
ブルックリン植物園の基本情報
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所在地:150 Eastern Parkway/455 Flatbush Ave/990 Washington Ave, Brooklyn, NY 11225
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営業時間:火・木 10‑20時30分 水 10‑18時 金〜日 10‑18時 月曜休園。会員は夏期水曜夜間入園可
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入園料(一般):12〜64歳 18ドル 65歳以上 12ドル 12歳以下無料
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特記事項:冬季平日料金「Pay‑What‑You‑Wish」制度、週末朝早割引あり
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アクセス:地下鉄2・3系統「Franklin Avenue/Botanic Garden」駅下車すぐ。バス路線も充実、駐輪・駐車場あり
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設備:無料Wi‑Fi、クローク、ショップ、カフェ、バリアフリー対応、写真撮影OK(商業利用別途申請)
まとめ
ブルックリン植物園は、100年以上の歴史と教育、都市における自然景観の融合を追求してきた施設です。園内には日本庭園やバラ園、湿地や木立など多様な空間が広がり、季節の移ろいを感じながらゆったり散策できます。
家族やカップルだけでなく、植物学に興味を持つ人や教育・環境分野に関心がある人にもおすすめです。アクセスが良いのでブルックリン訪問時にはぜひ足を運んでみてください。

