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【アメリカミュージアム巡り】パターソンの滝&博物館 ー アメリカ産業革命の原点を歩く旅

旅・ミュージアム
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大都会ニューヨークから電車で1時間足らず、歴史・自然・産業遺産が凝縮されたパターソンの街は、知る人ぞ知る“産業革命発祥の地”。アレクサンダー・ハミルトンが設計した計画都市としても有名です。

そのシンボルとなる滝と、隣接するパターソン博物館では、アメリカの近代化の軌跡や多様な移民たちの暮らし、驚くほどディープな産業史をたっぷり体感できます。今回はその魅力を余すことなくご紹介します。

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ニュージャージー州北部、パターソン市。ここには全米有数の規模を誇る「グレートフォールズ」と呼ばれる壮大な滝が流れています。近隣には展望台や橋も整備されており、真上から滝を見下ろせる絶好の写真スポットも。近代都市に突然現れるこの圧倒的な自然景観は、観光客だけでなく地元住民の癒しの場として親しまれています。

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グレートフォールズ(Paterson Great Falls National Historical Park)について大紹介

基本情報

  • 正式名称:Paterson Great Falls National Historical Park(パターソン・グレートフォールズ国立歴史公園)

  • 公式HPNPS公式サイト(英語)

  • 電話:+1-973-523-0370

  • 場所:72 McBride Ave Extension, Paterson, NJ 07501

  • 入園料:無料(公園敷地内・滝の見学は自由)

  • 営業時間:年中無休。外の滝はいつでも見学可能。ビジターセンターやツアーは主に午前10時~午後4時。

パターソン博物館(The Paterson Museum)

  • 住所:2 Market St, Paterson, NJ 07501

  • 公式HPPaterson Museum 公式サイト

  • 電話:+1-973-321-1260

  • 入場料:大人$2、子ども(18歳未満)$1、5歳以下無料(寄付制・グループは事前予約推奨)

  • 営業時間:火〜金 9:30〜16:30、土曜12:30〜16:30(日月休館・祝日は要確認)

アクセス

  • 鉄道:NJ Transit(ニュージャージートランジット)のMain/Bergen County Lineで「Paterson」駅下車、徒歩約15分。ニューヨークPenn Stationから乗り換えなしで行けます。

  • :I-80を降りて市街地方面へ。パブリック駐車場有。

  • バス:NJ Transitのバス各路線がパターソン市内中心部に多く停車。

  • 現地は小さな街なので、徒歩での移動も十分可能です。

グレートフォールズの見どころ・体験できること

グレートフォールズは全長約77フィート(約23m)の断崖を流れ落ちる滝で、ニュージャージー州最大級の水量を誇ります。

なんかね、本当に、突然街の中に滝があるんです。何も知らないで通ったら、は?!という感じのすごい風景。

四季によって色々な姿を見せてくれるパターソンの滝。春の雪解けや雨上がりには大迫力の水しぶきが舞い、夏場は青空に虹が架かる光景も見られます。

アメリカ産業革命の象徴を歩く

グレートフォールズは、18世紀末にアメリカ合衆国の財務長官だったアレクサンダー・ハミルトンの提唱で「産業都市パターソン」の核として整備されました。

滝の水力を利用して機械を動かし、製糸・鉄鋼・機械・ロコモーションなど数多くの工場が建設され、アメリカ独立後の産業発展の原動力となりました。イギリスから技術移民を迎え、スパイ活動や技術流出などのドラマも多数生まれた舞台です。

大したことないだろう←と思っていくと、水量の多さにちょっとびっくりを通り越して不思議な感覚に陥ります。

現地には、当時の工場跡や取水路(水路遺構)、水力エンジンのモニュメントなどが保存・再現され、滝の周囲を散策するだけで歴史ドラマの世界にタイムスリップしたような感覚に。ビジターセンターではガイドツアーも実施されており、アメリカ史や技術史ファンにも大人気です。

突然こんな大きな滝があるなんてどうなってるんだよという感情が結構長い間続きます。すごく得した気分。笑

パターソン博物館でディープな産業&移民の歴史を学ぶ

グレートフォールズから歩いて5分ほどの場所にある「パターソン博物館」は、この町の産業遺産を網羅的に体験できるスポットです。

こぢんまりとして、独特な雰囲気のある、非常に味のある街です。煉瓦造りの建物が多く、

産業革命当時の織機や機械、製糸・製鋼・繊維産業の資料、さらには自動車、航空機、蒸気機関車、消防車といった工業製品の実物展示も迫力満点。

なかでも有名なのが「ロコモーション1号」や、ライト兄弟の飛行機部品、ジョン・ホランドによる潜水艦、サミュエル・コルトのリボルバーなど。パターソンで生まれた発明とアメリカの発展が深く結びついていつんですよね。

さらに先住民や近代の多様な移民たちの生活や、現代のコミュニティとのつながりを感じさせる展示も充実。大人も子供も飽きずに楽しめます。

日本人はすごく親近感を持つと思うんだけど、アメリカの先住民のお家はこういう作りでした。ヨーロッパから開拓者が入ってこなければ、彼らの子孫は今この地でどんな暮らしをしていたのか想像すると、アメリカの功罪も考えてしまいます。

現地でのおすすめ体験

  • 観光シーズンには現地のガイドによる無料ウォーキングツアーや歴史解説ツアーが開催されることも。事前に公式サイトでチェックしましょう。

  • 博物館では定期的にワークショップや地元アーティストによる企画展が開催されています。子供向けの科学教室やものづくり体験も人気。

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歴史:アメリカの近代を形作ったパターソンの歩み

計画都市としての誕生

パターソンは1791年、アメリカ建国直後の混乱期に、初代財務長官アレクサンダー・ハミルトンが国の経済自立と工業化を目指して構想した計画都市です。滝の水力を動力源とし、当時最新鋭の機械や技術者を積極的に誘致しました。「Society for Useful Manufacture(SUM)」と呼ばれる特別法人が設立され、土地や工場の建設・運営をリード。これがアメリカ産業革命の出発点となりました。

産業の発展と移民の流入

パターソンは19世紀には繊維産業(特にシルク)が大きく発展し、“シルク・シティ”の異名で呼ばれました。ヨーロッパやアジアから多様な移民が流入し、それぞれの文化や技術が街の活気を生み出しました。20世紀には鉄鋼・機械・自動車・航空産業が隆盛を極め、ジョン・ホランドの潜水艦開発や、サミュエル・コルトの銃製造、さらには近代消防車や鉄道車両の生産も行われました。

ほんと、ニュージャージーは昔はいろいろ作っていたから発展したんだなあと、こういう展示から学ぶところは大きいです。スミソニアンなどの大きな博物館にはない、ローカルの歴史や文化を掘り下げた博物館もとてもいいものです。

日本で言うとちょっと郷土資料館的な感じがします。

歴史的転換期とその後

戦後の高度成長期を経て、1970年代以降は製造業の衰退や人口減少などで一時停滞しましたが、2009年にグレートフォールズが国立歴史公園に指定されたことで、再び注目を集めるように。保存・修復活動が進み、現代のパターソンは多様な文化遺産と地域コミュニティが共存する、独特の魅力を持つ街へと進化しています。

化学工業の始まりと地域の特色

パターソンは19世紀中頃から、ニューヨークやフィラデルフィアと並ぶ北米化学産業の一大拠点となりました。
理由は以下の通りです。

  • 豊富な水力資源(グレートフォールズからの電力供給)

  • ニューヨークへの近接性

  • 繊維業や皮革業で使われる染料や薬品の需要

  • 多様な移民コミュニティ(ドイツ系・ユダヤ系・イタリア系など)による職人と研究者の流入

特に19世紀末〜20世紀初頭、ヨーロッパの化学工業の技術者が多く移住してきたため、精密な製造や新規研究が進みました。

有名な企業と製品

1)F. W. Devoe & C. T. Raynolds Company

  • 創業:1800年代後半

  • 特徴:絵画用顔料や油絵の具、工業用塗料の製造。芸術・産業両面でアメリカの化学工業発展に寄与。

  • 備考:パターソンに大工場があり、今日でも画材ブランドとして世界的に有名です。

2)Colgate & Company(現・Colgate-Palmolive)

  • 創業:1806年(本社はNYCですがパターソンに製造拠点あり)

  • 製品例:初期は香水・石鹸・ローション等。のちに歯磨き粉や衛生用品で有名に。

  • 補足:パターソンの水力・交通網を活かして生産規模拡大。

  • 有名商品:コルゲート歯磨き粉(Colgate Toothpaste)は世界中で販売。

3)W. J. Bush & Company

  • 概要:イギリス系企業。香料・エッセンシャルオイルのリーディングカンパニー。

  • パターソンの事業:食品や香水、医薬品用香料、メントール製品の研究・製造。

  • 代表商品:メントールクリスタル、ミントオイル、レモングラスオイルなど。

  • 特徴:パターソン工場でアメリカ市場向けに大量生産を行い、国内外に輸出。

4)Rubsam & Horrmann Brewing Company(ルブサム&ホルマン醸造会社)

  • 概要:もともとはビール・蒸留酒を製造したが、副産物として消毒用アルコール・医薬アルコールも生産。

  • 意義:禁酒法時代、医療用エタノールなどが重要な産業となった。

5)Kirkman Laboratories(カークマン・ラボラトリーズ)

  • 分野:医薬品、健康食品、栄養補助剤の開発・販売。

  • 特徴:アレルギー対応サプリメント、ビタミン剤などで全米的な人気。

研究と発明、産業の特徴

染料・顔料化学

  • 繊維業が盛んだったため、染料(合成インディゴ、アニリンブルーなど)や漂白剤・定着剤の製造研究が進みました。

  • 1890年代には、ドイツ・スイス系の化学者が最新の染料技術をパターソンに持ち込み、多くの合成染料工場が誕生。

  • 洗剤・石鹸・コスメ系ブランドも多数誕生。

香料・エッセンシャルオイル

  • パターソンには、香料産業で有名なニュージャージー州の伝統を受け継ぐ企業が多く、バラやラベンダー、シトラス、メントール系などの天然・合成香料を開発。

  • 医薬品・衛生用品に使われた香料もここで研究された。

初期の抗生物質や薬品

  • 1930年代から第二次世界大戦期にかけて、抗生物質(ペニシリン等)や新しい消毒薬、皮膚病薬、かゆみ止め薬の研究も盛んに行われました。

ミュージアムでは、その発明の裏にあった技術革新や、多国籍なコミュニティの創意工夫の歴史を間近に感じることができます。
製薬・化学分野が好きな方、アメリカ産業史を深く知りたい方には、パターソンのミュージアムは絶対におすすめです。

 

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まとめ

パターソンのグレートフォールズと博物館は、アメリカの産業革命のダイナミズムと多様な文化遺産を体感できる絶好の場所。滝の迫力ある自然景観と、隣接する博物館での深い学び、そして移民文化が交錯する街並み——すべてが「アメリカらしさ」を実感できる貴重なスポット。アクセスの良さや入場料の手軽さも魅力で、家族連れから歴史ファンまで幅広く楽しめます。ぜひ、ニューヨーク近郊での新たな“発見の旅”に、パターソンを加えてみてください。

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この記事の著者
Kyoko Bartley

ニュージャージー在住。
幼少期からアメリカの映画やアニメーション、音楽に親しみ、大学ではアメリカ文化を専攻。留学・研究を経て2011年に渡米し、国際結婚、妊娠・出産、現地就職、住宅購入などを通して、外国人としてアメリカ社会で暮らすリアルを経験してきた。

2018年より、在米日本人向けアメリカ生活情報ブログ「なんだろなアメリカ」 を運営。教科書やガイドブックには載らない、実体験にもとづく生活情報や、文化の違いから生まれる「?」を「!」に変える視点を発信している。

また、プリンストンエリアを拠点に画家としても活動し、原画やグッズの制作・販売を行っている。

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