この記事は、アメリカで子育てをしている日本人の親御さん向けに、アメリカの子供たちが読んで育つ本を紹介するシリーズです。
今回は、I Dissent: Ruth Bader Ginsburg Makes Her Mark を紹介します。この記事には本の内容に関するネタバレを含みますので、親御さんが事前に内容を知ったうえで、お子さんに読ませるかどうかを考えるための記事としてお読みください。
I Dissent は何歳くらいの子に向いている?
I Dissent は、出版社では4歳から8歳向けとして紹介されている絵本です。ただし、実際にはアメリカ最高裁判所、法律、男女平等、差別、社会の不公平などのテーマが出てくるため、小学校低学年から中学年くらいの子に特に向いています。
小さい子には、Ruth Bader Ginsburg という女性が「おかしいと思ったことに、はっきり声を上げた人」として読むとわかりやすいです。大きい子には、なぜ彼女の dissent、つまり反対意見が大切だったのかを話し合いながら読むと、かなり深い読み聞かせになります。

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どんな内容の本?
I Dissent は、アメリカ連邦最高裁判所判事 Ruth Bader Ginsburg の人生を描いた伝記絵本です。
タイトルの I Dissent は、私は反対します、私は異議を唱えます、という意味です。
本の中では、幼い頃の Ruth が、女の子だからという理由で制限されたり、ユダヤ系であることによる偏見を経験したりしながらも、自分の考えを持ち続ける姿が描かれます。
彼女は、大人になって弁護士になり、女性や男性が性別によって不公平に扱われる社会に対して、法律の力で立ち向かっていきます。そして、アメリカ最高裁判所の判事となり、多くの場面で「それは公平ではない」と意見を述べ続けます。
この本は、Ruth Bader Ginsburg の人生を、ただの成功物語としてではなく、「反対すること」「疑問を持つこと」「不公平に対して声を上げること」というテーマで描いています。
アメリカの子供たちにとってどんな位置づけの本?
Ruth Bader Ginsburg は、アメリカでは RBG の愛称でも知られる、とても有名な女性判事です。特に、男女平等、法の下の公平さ、女性の社会進出を語るうえで、子供向けの本にもよく登場する人物です。
この I Dissent は、RBG の人生を子供向けにわかりやすく伝える代表的な絵本の一つです。アメリカ図書館協会も、この本について、Ginsburg が幼い頃から不平等に疑問を持ち、性差別や偏見と闘い、公平に扱われる社会を目指した人物として紹介しています。
アメリカの学校や図書館では、子供たちは小さい頃から、fairness、rights、justice、equality、standing up for what is right といった言葉に触れます。
I Dissent は、そうしたアメリカの市民教育や読書教育にとてもつながりやすい本です。
日本人親にとっては、「アメリカの子供たちは、こんなに小さいうちから自分の意見を持つこと、不公平に気づくことを本で学ぶのだな」と感じられる一冊だと思います。
日本人親から見た読みどころ
日本人親の視点で読むと、この本の面白さは、「反対すること」が悪いこととして描かれていない点です。
日本の学校や家庭文化では、場を乱さないこと、空気を読むこと、みんなと同じようにすることが大事にされる場面が多いと思います。もちろん、それは人間関係を円滑にする大事な力でもあります。
でもアメリカでは、それと同時に、自分の意見を言うこと、間違っていると思ったことに異議を唱えることも、とても大切にされます。
この本では、Ruth はただ反抗的な人として描かれているわけではありません。感情的に怒るのではなく、よく学び、考え、法律を使って、社会の不公平に向き合った人として描かれます。
反対することは、わがままではない。
違う意見を持つことは、相手を嫌うことではない。
おかしいと思ったことを、きちんと言葉にする力が社会を変えることもある。
この感覚は、アメリカで育つ子供たちにとって大事な土台になります。日本人家庭では、子供に「ちゃんと意見を言いなさい」と言いながらも、「でも言い方は大事だよ」と教える場面が多いと思います。I Dissent は、そのバランスを親子で話すきっかけになります。
英語育児・読み聞かせにどう役立つ?
I Dissent は、英語育児の中で、かなり会話が広がる絵本です。読んだあとに、こんな問いかけができます。
Ruth は何に反対していたのかな。
反対することと、けんかをすることは同じかな。
自分が unfair だと思ったことはあるかな。
誰かが不公平に扱われていたら、どうしたらいいかな。
現地校では、読んだ本について自分の考えを述べる活動がよくあります。ただあらすじを説明するだけでなく、登場人物の行動をどう思うか、自分ならどうするか、社会とどうつながるかを考えます。
I Dissent は、そうした読解練習にとても向いています。
また、dissent, disagree, justice, equality, rights, unfair, Supreme Court, law など、アメリカの学校生活やニュース理解にもつながる言葉に触れられます。
単語としては少し難しいものもありますが、絵本の中で出会うことで、子供にとっては「社会について考える英語」の入口になります。
アメリカ生活の中で読んでおく意味
アメリカで子育てをしていると、子供たちは学校で「What do you think?」「Do you agree or disagree?」「Why?」と聞かれることが多くなります。
日本の感覚だと、低学年のうちからそんなに意見を求めるのかと驚くこともあります。
でもアメリカの教育では、自分の考えを持ち、それを理由とともに説明することが、とても重視されます。
I Dissent は、その文化を理解する助けになります。
また、Ruth Bader Ginsburg は、アメリカ社会の中で女性の権利や法の公平性を語るときに、今でもよく名前が出る人物です。親がこの本を知っておくと、現地校や図書館で RBG の話が出てきたときにも、子供と一緒に理解しやすくなります。
この本は、英語絵本でありながら、アメリカの市民教育、女性史、法教育、自己表現の文化をまとめて感じられる一冊です。
まとめ
I Dissent は、Ruth Bader Ginsburg の人生を通して、「反対意見を持つこと」「不公平に気づくこと」「声を上げること」の大切さを伝える伝記絵本です。
ただ偉人を紹介するだけではなく、アメリカの子供たちが小さい頃から学ぶ fairness、justice、equality という考え方に触れられる本です。
日本人親にとっては、アメリカの現地校で大切にされる「自分の意見を持つ」「理由を持って説明する」「不公平に対して声を上げる」という文化を理解する入口にもなります。
子供に英語絵本を読ませたい家庭だけでなく、アメリカの学校文化や社会の考え方を親子で学びたい家庭にもおすすめの一冊です。


