ロングアイランドは、ニューヨーク市のすぐ東に広がる全長約190キロメートルの細長い島です。マンハッタンから電車や車ですぐの距離にありながら、海と緑あふれる美しいリゾート地、歴史ある町並み、高級住宅街、ワインカントリー、ビーチリゾート、漁港、アートと文化の村落まで、多様な顔を持っています。
アメリカ有数の高級避暑地ハンプトンズや、ファミリーで賑わうファイア・アイランド、古き良き港町のグリーンポートやモントーク、現代アートの聖地まで、あらゆる世代・目的の旅行者が楽しめる「もう一つのニューヨーク」といえるでしょう。都会の喧騒を離れ、豊かな自然や地元文化、美食を味わいに、多くの人々がロングアイランドを訪れています。
ロングアイランド観光はこんな人におすすめ
ロングアイランド観光は、「ニューヨーク旅行」と聞いて多くの人がまず思い浮かべるマンハッタンやブルックリンとは、かなり異なる魅力を持っています。高層ビル群、劇場、美術館、ショッピング、レストランが密集する都会型の観光地とは違い、ロングアイランドには海、港町、ワイナリー、歴史ある住宅地、静かなビーチリゾート、そしてゆったりした郊外の時間が流れています。そのため、ロングアイランドは王道のマンハッタン観光をすでに楽しんだ人や、都会の刺激だけではなく、もう少し落ち着いた景色や空気感も味わいたい人に特に向いています。
マンハッタンを十分観光したら足を伸ばしてロングアイランドへ
たとえば、マンハッタン滞在中にあと1日どこか別の場所へ足をのばしたいと考えている方には、ロングアイランドは非常に魅力的な候補です。ニューヨーク近郊というと、ついマンハッタン、ブルックリン、クイーンズ、あるいはニュージャージー方面に目が向きがちですが、ロングアイランドにはそれらとはまた違う、海辺のリゾート感と郊外のゆとりがあります。都会の延長線上にありながら、駅を降りた瞬間に空気の広がり方が変わるような感覚があり、同じニューヨーク圏とは思えないと感じる人も多いでしょう。
ボードウォークやシーフードを楽しみたい人必見
また、海辺の町歩きが好きな方にもロングアイランドはぴったりです。ボードウォークを散歩したり、小さな港町でベーカリーやシーフードレストランを見つけたり、ヨットハーバーを眺めながらのんびり過ごしたりと、派手ではないけれど満足度の高い時間の使い方ができます。モントークやポート・ジェファーソン、サグハーバー、グリーンポートのような町には、それぞれに異なる個性があり、どこに行っても同じではないのがロングアイランドの面白さです。町ごとに雰囲気が異なり、洗練されたリゾート感がある場所もあれば、ローカル色の強い港町もあり、自分の旅の好みに合わせて選びやすいのも魅力です。
ワインの産地でもあるノースフォーク
ワイナリーや食を旅の中心にしたい人にも、ロングアイランドはかなりおすすめです。特にノースフォーク一帯は、ニューヨーク州内でもよく知られたワイン産地であり、ワインテイスティングや地元産食材を使った料理を楽しめる場所が点在しています。ニューヨーク旅行というと、どうしても都市のレストランや有名店に意識が向きやすいですが、ロングアイランドでは海産物、農産物、ワインという地域ならではの味覚に出会えます。都会の流行を味わうというより、土地の豊かさを味わう旅ができます。
ロングアイランド観光は子連れにもおすすめ
さらに、子連れ旅行にもロングアイランドは向いています。もちろん行き先は選ぶ必要がありますが、ロングビーチのようにアクセスしやすく、ビーチ沿いの散歩や軽食、のびのびした時間を楽しみやすい場所もあります。マンハッタン中心部のように常に人混みと交通を警戒しながら動く必要が少ないエリアも多く、少し肩の力を抜いて過ごせるのが大きな利点です。小さな子どもがいると、美術館や買い物中心の旅はどうしても疲れやすくなりますが、海辺や公園、港町の散策なら大人も子どもも気分転換しやすいでしょう。
摩天楼にはない暮らしや自然を感じられるロングアイランド
そして何より、マンハッタンとは違う静かなニューヨーク圏を見たい人に、ロングアイランドはとても向いています。ニューヨークという巨大都市の近くに、これほど自然と余白のある風景が広がっていることに驚く方も多いはずです。きらびやかな観光地というより、暮らしと休暇のあいだにあるような独特の空気があり、それがロングアイランドならではの魅力です。ニューヨーク旅行の印象を一段深くしてくれる場所として、ロングアイランドはとても優秀な旅先だと思います。
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ロングアイランド観光のベストシーズン
ロングアイランドは一年を通して楽しめるエリアではありますが、目的によって「いちばん満足度の高い季節」はかなり変わります。マンハッタンのように季節を問わず都市観光が成立する場所とは違い、ロングアイランドの魅力は自然、海辺、庭園、ワイナリー、港町など、屋外や景観と深く結びついています。そのため、旅行の目的に合わせて時期を選ぶことがとても大切です。ロングアイランドを十分に楽しみたいなら、「有名だから夏」と単純に決めるのではなく、自分が何を体験したいのかを基準にシーズンを考えるのがおすすめです。
もっとも華やかなシーズンは、やはり夏です。海水浴、ボードウォーク、サーフィン、ビーチリゾート、海辺のホテル滞在など、「ロングアイランドらしさ」をもっとも強く感じやすいのがこの季節です。ハンプトンズやロングビーチ、モントーク、ファイア・アイランドなどは、まさに本領発揮の時期といえるでしょう。白い砂浜、海風、青い空、屋外ダイニング、朝市、港のにぎわいなど、写真で見るような“東海岸の夏”が現実になります。ただしそのぶん、人気エリアは混雑しやすく、宿泊費も上がりやすいです。高級リゾート地ではかなり値段が跳ね上がることもあるため、夏に行くなら早めの計画が重要になります。人が多くても活気を楽しみたい人には最高ですが、静かさやコスト面を重視する方には少し工夫が必要です。
秋は、かなり狙い目の季節です。海辺は真夏ほどのにぎわいではなくなりますが、暑さが落ち着き、港町の散策やワイナリー巡り、ドライブには非常に向いています。特にノースフォーク方面は、秋の空気の中でワインや農園、収穫の季節感を楽しめるため、グルメや大人旅を重視する人には理想的です。真夏のビーチリゾート的な華やかさとは違い、落ち着いたロングアイランドを味わえるのが秋の魅力です。町によっては観光客が減って歩きやすくなり、レストランやショップもゆったり利用しやすくなります。「人が多すぎるのは苦手だけれど、ロングアイランドらしい雰囲気はしっかり味わいたい」という方には、秋がかなりおすすめです。
春もまた、上品で美しい季節です。特に庭園や歴史的邸宅、美術館、港町散策などを楽しみたい方には向いています。ゴールドコースト周辺の邸宅や庭園は、冬の重たい空気が抜けて新緑が始まる頃に訪れると、とても爽やかです。花が咲き始める時期には、都市の観光とは違う“季節の豊かさ”を感じやすく、春のロングアイランドには独特の優雅さがあります。ビーチで本格的に泳ぐにはまだ早い時期もありますが、そのぶん混雑が少なく、のんびりと見学や散策をしたい方にはむしろ快適です。天候がやや不安定な日もあるため、屋外中心の旅程なら上着や雨対策は必要ですが、過ごしやすさという点では春もかなり魅力的です。
冬は、夏のリゾート地としての顔を期待して行くと少し印象が違うかもしれません。海辺の町は全体的に静かになり、季節営業の施設や店も出てきます。ただし、だからといって魅力がなくなるわけではありません。目的を絞れば、冬のロングアイランドも味わい深いです。たとえば歴史的邸宅、美術館、落ち着いた港町、静かな海の景色を楽しむ旅であれば、むしろ人が少ない冬の方が雰囲気をじっくり味わえることもあります。派手なリゾート感は薄れますが、海辺の寒々しい風景や静かな町並みには、夏とは違う趣があります。冬に訪れるなら、「ビーチ遊び」ではなく「景色・歴史・ドライブ・静けさ」を楽しむつもりで行くと満足しやすいでしょう。
つまり、ロングアイランドのベストシーズンは一つではありません。海とリゾートを求めるなら夏、食とワインと町歩きを楽しむなら秋、庭園や歴史と落ち着いた旅をしたいなら春、静かな景色や文化的な訪問をしたいなら冬、と考えると選びやすいです。旅のスタイルによって、ロングアイランドは季節ごとにまったく違う表情を見せてくれるのです。
ロングアイランドの歴史と背景
植民地時代からリゾート・住宅地への変遷
ロングアイランドの歴史は17世紀初頭、オランダやイギリスの入植地として始まりました。先住民レナペ族の暮らす自然豊かな島に、ヨーロッパ人が次々と入植。農業や漁業の拠点として発展し、やがて19世紀にはニューヨーク市との鉄道や道路網が整備されることで、都市と島が密接につながるようになりました。
19世紀末から20世紀初頭にかけて、マンハッタンの富裕層や芸術家たちが夏の別荘や豪邸を建て始め、特に東部のハンプトンズはアメリカを代表する高級リゾートへ。第二次世界大戦後には、ニューヨーク郊外の住宅開発(サバービア化)が急速に進み、ロングアイランド西部は中流層のベッドタウンとして発展しました。一方、東部は農業やワイナリー、観光の魅力を活かし独自の地域色を残しています。
主な見どころ
ハンプトンズ(The Hamptons)
ロングアイランド東端のサウスフォークに広がるハンプトンズは、アメリカ屈指の高級リゾート地として知られています。
サウサンプトンやイーストハンプトン、ブリッジハンプトンなど複数の町があり、長大なサーフビーチ、洗練されたレストラン、ハイエンドなブティックが集まっています。夏には多くのセレブやアーティストが集い、海辺の高級ホテルや歴史あるイン、貸別荘タイプのバケーションレンタルも人気です。
特に「Coopers Beach」や「Main Beach」などは美しい白砂と整備の行き届いた環境で、家族連れからカップルまで快適に過ごせます。地元産オイスターやロブスター、ファーム・トゥ・テーブルのレストラン巡りもハンプトンズの醍醐味です。ショッピングはイーストハンプトンのメインストリートが中心で、ニューヨークブランドのセレクトショップやギャラリーも充実しています。
ロングビーチ(Long Beach)
ロングアイランド南岸のロングビーチは、マンハッタンから電車で約1時間という好立地と、全長約5キロの白砂ビーチが魅力のリゾートエリアです。
ビーチ沿いの遊歩道(ボードウォーク)はサイクリングやジョギング、散歩に最適で、カフェやベーカリー、ピザショップなど手軽なグルメも充実しています。
サーフィンやビーチバレー、シーズン中のイベントも豊富で、アクティブな休日が過ごせます。宿泊は海辺のホテルやモーテル、コンドミニアムタイプの長期滞在も選択肢となり、週末の小旅行にも最適です。駅近でショッピングやダイニングも楽しみやすく、ビーチリゾート気分を気軽に味わえます。
ファイア・アイランド(Fire Island)
ロングアイランド南岸沖に浮かぶ細長い島で、車が入れない静かなビーチリゾート。LGBTQ+コミュニティに人気のディアパークや、ファミリー向けのオーシャンビーチ、州立公園でのバードウォッチングやハイキングも魅力です。フェリー利用でアクセスし、自然と共生したリラックスした休日が過ごせます。
我々が行った時は夏だったので灯台のツアーが開催中でした。無料で参加できます。一番上まで登って大西洋とコネチカット方向両方の海を見ることができる絶景スポットでした。ガイドさんの話も興味深く、ハリケーンサンディの際どこが被害にあったのか、どんな感じだったかも詳しく教えてもらえました。
ワイナリー巡り(North Fork Wine Country)
ロングアイランド北部ノースフォーク一帯は、全米有数のワインカントリー。数十軒のワイナリーやヴィンヤードが点在し、地元産のカベルネやシャルドネ、ロゼなどのテイスティング、ワイナリーツアー、ファーム・トゥ・テーブルの食事体験が楽しめます。週末にはワインイベントや収穫祭も開催。
モントーク(Montauk)
ロングアイランド最東端、大西洋に突き出す岬の町モントークは、「自然派リゾート」の代表格です。広大なビーチはサーフィンやフィッシングに最適で、「Ditch Plains Beach」や「Montauk Point State Park」など、雄大な海と灯台の風景が楽しめます。
近年はおしゃれなブティックホテルやアウトドア志向のラグジュアリーリゾートが増え、カフェやシーフードダイナー、ローカル感あふれるベーカリーなど食の選択肢も豊富です。サイクリングやハイキング、フィッシングツアーも人気で、朝市やファーマーズマーケットも地元らしさを満喫できるスポットです。
夜はビーチサイドバーやライブ音楽も楽しめ、のんびりしながらアクティブにも過ごせる多彩な滞在先です。
ポート・ジェファーソン(Port Jefferson)
ノースショアの美しい港町ポート・ジェファーソンは、ロングアイランド鉄道やフェリーでのアクセスも良く、気軽なリゾート滞在にぴったりです。
ヨットやクルーズ船が行き交う港周辺にはカジュアルなカフェや老舗ベーカリー、フィッシュ&チップスやクラムチャウダーが名物のシーフードレストランが並びます。町の中心部には個性豊かなブティックやギフトショップが軒を連ね、ショッピング好きにも満足できるラインナップです。
宿泊はハーバービューのインや小規模なB&B(ベッド&ブレックファスト)、家族向けホテルなどバラエティ豊か。夏には音楽フェスやアートイベントも盛んで、港町らしい活気を楽しめます。
サグハーバー(Sag Harbor)
歴史的な港町で、かつての捕鯨基地の名残や19世紀の街並み、アンティークショップやアートギャラリー、落ち着いたレストランが立ち並びます。ヨットやクルーザーの発着も多く、港町らしい景観と文化が魅力です。
ハンティントン(Huntington)
ロングアイランド北岸のハンティントンは、歴史あるダウンタウンとアート、グルメ、ショッピングがバランスよく揃う隠れた人気エリアです。海に面した「Huntington Harbor」ではボート遊びや釣りが楽しめ、近隣には小さな砂浜ビーチや美しい公園も点在しています。
ダウンタウンのメインストリート周辺には地元のベーカリーやグルメバーガー、ワインバー、クラフトビールのパブが集まり、夜遅くまで活気があります。アートギャラリーやライブハウス、歴史的な邸宅や美術館もあり、文化体験も充実。宿泊はブティックホテルやB&Bが多く、落ち着いた大人のリゾートステイを求める人におすすめです。週末のマーケットやイベントも盛んで、ニューヨークからの小旅行先として人気が高まっています。
オイスターベイ、グレンコーブ
ロングアイランド北岸は「ゴールドコースト」と呼ばれ、20世紀初頭の大富豪たちの邸宅や庭園が点在。かつてのルーズベルト大統領の別荘サガモアヒルや、歴史的な美術館・植物園も見どころです。
ゴールドコーストについて
ゴールドコースト(Gold Coast)は、ニューヨーク近郊で最も華やかな歴史と伝説を持つ高級住宅地の一つとして知られています。特にロングアイランド北岸一帯、ナッソー郡(Nassau County)とその周辺に広がるこのエリアは、20世紀初頭に築かれた壮麗な邸宅群が現在も残る「アメリカの貴族文化」を象徴する地域です。アメリカ文学史上でもF・スコット・フィッツジェラルドの名作『グレート・ギャツビー』の舞台として有名で、そのイメージは現代のニューヨーカーや観光客にも色濃く残っています。
ゴールドコーストの地理とアクセス
ゴールドコーストは、ロングアイランド北岸のロングアイランド・サウンドに面した一帯を指します。主にナッソー郡のグレンコーブ(Glen Cove)、ラティングタウン(Lattingtown)、オールド・ウェストバリー(Old Westbury)、ロズリン(Roslyn)、シーポート(Sea Cliff)、マンハセット(Manhasset)、サンズポイント(Sands Point)などの町が含まれます。丘陵と森、入り江や岬が複雑に入り組むこの地形は、広大な敷地とプライバシーを求める大邸宅に理想的な環境を提供してきました。
ニューヨーク市マンハッタンからゴールドコーストへは、車の場合はロングアイランド・エクスプレスウェイ(I-495)やノーザン・ブルバード(Route 25A)を使って約40分〜1時間ほど。公共交通機関では、ロングアイランド鉄道(LIRR)のポート・ワシントン支線やオイスターベイ支線などを利用し、マンハッタン・ペン駅から各駅へアクセスできます。多くの大邸宅や歴史的邸館が駅からタクシーやレンタカーで数分の距離にあり、週末には観光バスツアーも盛んです。
なぜ豪邸が多いのか 土地の特性と時代背景
ゴールドコーストに豪邸が集中する背景には、いくつかの歴史的・地理的要因があります。19世紀末から20世紀初頭、アメリカ経済は急速な工業化と資本主義の発展により「ギルデッド・エイジ」と呼ばれる空前の繁栄期を迎えました。この時代、ニューヨークは金融・鉄道・製造業・貿易の中心地として栄え、多くの大富豪や産業資本家、ウォール街の金融家たちが誕生します。
都市の中心で巨万の富を築いた新興財閥や著名人たちは、「社交界」と「余暇の充実」を求めて、マンハッタンからわずか1時間足らずの自然豊かなロングアイランド北岸にこぞって別荘や大邸宅を建て始めました。19世紀後半には、蒸気機関車の発達や道路網の整備で都心からのアクセスが飛躍的に向上し、「カントリーハウス」文化が確立していきます。
この時代、ゴールドコーストの大邸宅はヨーロッパの宮殿や英国カントリーハウスに倣った建築様式を取り入れ、敷地内には湖、庭園、乗馬コース、ゴルフ場、温室、使用人の家などが併設されることも珍しくありませんでした。バンダービルト家やグッゲンハイム家、プリット家など、アメリカを代表する財閥が相次いでこの地に進出し、その壮大な建築と贅沢な生活スタイルは「アメリカの貴族文化」の象徴となりました。
富が集まった時代背景 「ギルデッド・エイジ」とその後
19世紀末から20世紀初頭のアメリカは、南北戦争後の経済復興、急速な産業化、世界最大の市場経済の発展といった、いわゆる「ギルデッド・エイジ」の絶頂期でした。カーネギー、ロックフェラー、モルガン、アスター、ヴァンダービルトといった財閥家は、鉄鋼、石油、金融、鉄道などの分野で巨万の富を築き上げ、社会的影響力も絶大でした。
この時代、富裕層は「オールド・マネー」と「ニュー・マネー」に分かれますが、ゴールドコーストには新旧両方の大富豪が邸宅を構えました。邸宅建設は単なる住居ではなく、文化サロンや社交イベント、慈善活動、さらにはヨーロッパ王族を招いてのパーティーなど、社会的ステータスやパワーの象徴でもありました。
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また、「田園回帰志向」が高まったことも見逃せません。産業都市の騒音や公害から逃れ、自然と調和した健康的な生活を求めて広大な敷地とプライバシーを重視する動きが加速しました。庭園や建築に巨額の資金が投入され、しばしば有名建築家や造園家が招かれ、個性豊かで芸術性の高い邸宅が次々と生まれました。
ゴールドコーストの邸宅群と現代への継承
1920年代までにロングアイランド北岸には数百棟にのぼる大邸宅が建設され、その多くは今なお残されています。有名なところではオールド・ウェストバリー・ガーデンズ(Old Westbury Gardens)、グッゲンハイム邸(The Guggenheim Estate)、コーエス・マナー(Coe Hall, Planting Fields Arboretum)、ヴァンダービルト邸(Vanderbilt Mansion)などが一般公開されており、邸宅ツアーやガーデンウォークも人気です。
また、これらの邸宅群は20世紀後半以降、維持費や相続の問題から一部は博物館や公園、大学施設、結婚式場として転用され、地域の文化遺産や観光資源となっています。ギャツビー時代の「アメリカンドリーム」を象徴するゴールドコーストの邸宅群は、ニューヨークのもうひとつの歴史と美を今に伝える貴重な存在です。
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サガモア・ヒルについて
セオドア・ルーズベルト(Theodore Roosevelt)の邸宅「サガモア・ヒル(Sagamore Hill)」は、オイスターベイ(Oyster Bay)の小高い丘の上にたたずむ歴史的邸宅です。この場所は、ルーズベルトが若き日から人生の大半を過ごし、アメリカ第26代大統領在任中(1901–1909)には「サマー・ホワイトハウス」として知られたアメリカ近代史の舞台でもあります。
国立公園(史跡)なので、中に入るとレンジャーさんがいろいろ質問に答えてくれます。ビジターセンターでは恒例のスタンプも押せます!

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邸宅の立地と構造
サガモア・ヒルは1885年に建設されました。広大な自然に囲まれ、ロングアイランド湾を望む緑豊かな丘陵地帯に位置しています。敷地面積は約34エーカー(約13ヘクタール)に及び、森や草地、小川、庭園が広がる自然環境に恵まれています。邸宅そのものは木造2階建てのヴィクトリアン様式で、落ち着いたダークブラウンの外壁と大きなポーチが特徴的です。24の部屋を持つこの家には、家族や友人、政治家たちが頻繁に訪れ、ルーズベルト一家の生活と社交の中心となりました。
ルーズベルトとサガモア・ヒル
ルーズベルトは幼少期に喘息などの病弱体質を克服するため、自然の中での生活や身体鍛錬を重視しました。サガモア・ヒルは彼にとって「家族の城」であり、「政治的・精神的な避難所」でもありました。ここで執筆活動や狩猟、乗馬、庭仕事に打ち込み、子どもたちや友人たちとアウトドアを楽しむことでエネルギーを蓄えていたのです。
大統領在任中には、夏の避暑地兼執務室としてこの邸宅を活用し、多くの国際会談や重要な政策決定がここでなされました。日露戦争の講和交渉(ポーツマス条約)もサガモア・ヒルが舞台の一つとなり、ルーズベルトがノーベル平和賞を受賞するきっかけとなった外交活動の一部もここで行われました。
邸宅の内部と遺品
サガモア・ヒルの内部は、ルーズベルトの多彩な人生を物語るコレクションで満ちています。書斎や図書室には、膨大な蔵書や直筆原稿、家族写真が飾られています。また、世界各地から集められた狩猟の戦利品(バイソンの頭骨やアフリカの動物の剥製)、武器や土産物、政治的な記念品などが所狭しと展示されており、彼の冒険家としての一面を今に伝えています。ダイニングルームや応接室には、当時の家具や食器、壁紙がほぼ当時のまま保存されています。
現在のサガモア・ヒル
1926年にルーズベルトが亡くなった後も、この邸宅は家族によって守られてきましたが、1962年にはアメリカ合衆国国立公園局(National Park Service)の管理下に入り、一般公開されています。訪問者はガイドツアーで館内を見学し、大統領の書斎や居間、歴史的な品々に触れることができます。また、敷地内には「オールド・オーチャード・ミュージアム(Old Orchard Museum)」も併設され、ルーズベルト家の歴史や大統領としての功績が展示されています。
サガモア・ヒルは、アメリカの「フロンティア精神」や大自然との共生、そしてリーダーシップの理想を体現した邸宅です。政治家として、家族人として、冒険家としてのセオドア・ルーズベルトの人間像に直に触れられる、アメリカ近代史の貴重な舞台となっています。
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まとめ
ロングアイランドは、ニューヨーク近郊で都市の便利さと自然の豊かさ、アート、歴史、グルメ、リゾートが一体となった「究極のオールラウンド観光エリア」です。
日帰りの小旅行から数日かけての滞在まで、家族、カップル、友人、ソロでも満喫できる選択肢が豊富。洗練されたリゾート体験も、素朴な港町の時間も、楽しめるのがロングアイランドの魅力です。

