みなさんー、アーミッシュって文化をご存知ですか?
無農薬、化学肥料無使用で農業をされているアーミッシュの皆さんのオーガニック食品は今や健康・安全ブームに乗ってとても人気です。
そんなアーミッシュの皆さんが作った食品、食材が大変お手軽なお値段で購入できる「アーミッシュマーケット」がプリンストン周辺にありますので、魅力をたっぷりとご紹介します!
ランカスターを訪れた2019年の動画も紹介しています。
うまいものゴールデンロード沿いのPA Dutch Market の魅力を語ります!
在米アメリカ文化ライターのキョウコ@NandaroAmericaでーす。お元気ですかー?
ニューアーク国際空港から南に、プリンストン大学まで伸びるうまいものゴールデンロードの、「ルート27」は実にアメリカの多文化・ダイバーシティの魅力が詰まった道路です。
その27号線沿線、プリンストンエリアに「アーミッシュマーケット」である、PA Dutch Market が存在します。以前書いたら大変ご好評をいただいているレストラン記事、「Sushi Palace」さんのすぐ近くです。
基本的に健全な育てられ方をしている野菜、肉、惣菜を扱っている貴重なお店です。
うまいものゴールデンロード沿いの素晴らしいお店たちを紹介した記事はこちらです。
ニュージャージーうまいもの伝説ーPJ’s Pancakeキングストン店ー
ニュージャージーうまいもの伝説ーアメリカの中華料理メニュー大解説!&China Wok にて幻の麺ー
ニュージャージーうまいもの伝説ーTandoori Biteはプリンストン大学すぐそばー
ニュージャージーうまいもの伝説ーFranklin Park Dinerで朝ごはん!&ダイナーの歴史ー
ニュージャージーうまいもの伝説ーSushi Palaceで旦那の胃袋が本領を発揮したよー
アーミッシュとは
ちょうどいいので、彼ら、アーミッシュと呼ばれる人たちの文化はどんなものなのかざっくり解説します。
起源
スイス、チューリッヒで生まれたキリスト教、プロテスタントの一派を信仰する一派で、ドイツに渡った後、18世紀初期にアメリカ、ペンシルベニア州に渡る。主にオハイオ州、ペンシルベニア州、そいてカナダのオンタリオなどに居住している。
2010年には推定でアメリカ内に約25万人が属している模様。(ウィキペディアのアーミッシュの項目、日本語版、英語版併用で参考)
思想と文化
アーミッシュの生活スタイルはその思想によってとても厳格に営まれている。
基本的にアメリカ大陸に移民に来る以前の生活スタイルを現在でも維持し、信仰の内容にそぐわない近代文明(電気、技術、システムなど)は取り入れずに生活している。
牧畜、農耕、無農薬、化学薬品を使用しない農業を行っているため、オーガニック食品を求める層や高級食材を使用するホテルやレストランの外食産業の間でとても珍重されている。
全ての近代文明を頑なに拒んでいるのではなく、思想にそぐわない目的を持っている新技術は拒む、という選び方をしているので、アーミッシュの人だからといってインターネットを使わない、とかカードでお会計を受け付けない、とかではないです。彼らの思想に反さないものであれば普通に使っている印象があります。
このPA Dutch Marketではクレジットカードは基本的に使えますし、ホームページもあります。(フードコートでは現金のみの店舗があります)WiFi も使えます。
2019年7月にランカスターに行った際の動画です。景色に癒されます。
肉屋さん
日本のデパ地下のようなガラスケースに様々なお肉が陳列されています。牛、豚、レバー、ソーセージ、ハム、魚類などもあります。
とてもわかりやすい部位&陳列
切り方も、部位も様々あり、よく見えてわかりやすい陳列・切り方です。ステーキ肉なのか、シチュー用なのか、塊り肉なのか、骨つきなのかなどなど。
肉の部位、種類によって価格が違います。例えば、牛フィレは高いけれど、レバーは安い、などなど。基本、重さで購入するか、「だいたい$10以内の量をください」とか、そんな感じで買います。
テール、骨つき肉、豚足なんかもあります。
お肉の注文の仕方
頼み方は、番号券を引いて、自分の番号になるまで待ち、店員さんに口頭で伝えます。英語に自信がない、わからなという方は、何をいくら分、何を、何ポンド分ください、と紙に英語で書いて伝えるのもOKです。
大きな塊を買う場合、その塊一個だいたいいくらかしらね、など聞いてから買いますねー。
薄切り肉があります!
このアーミッシュマーケットのお肉屋さんの一番の目玉は薄切り肉です。冷凍ではなく新鮮な状態で売られている豚や牛の薄切り肉は、私は今の所この辺ではこのお店でしかみたことがないです。
ここのお店の牛薄切り肉(Shaved Beef)は1ポンド(約450グラム)約$5前後です。900グラム買ってだいたい$10前後ですから、鍋やすき焼き、牛丼、肉じゃがなどにはもってこいだと思います。
ちなみに、しゃぶしゃぶや肉巻き野菜など、「大きい」シートとしてのお肉の使い方には適さないかと思います。
もちろん様々なアジアンマーケットで薄切り肉はあるんですが、大抵冷凍されていて、解答した際に果たしてちゃんと薄切りのまま止まってるだろうかなど疑問。
さらに量的にこの金額はどうなのか、という印象を持っています。
鳥肉屋さん
鳥肉屋さん(Poultry)は、鶏、鴨、シチメンチョウ(ターキー)、たまにうさぎなどを扱っています。
色々な料理を作りたい人は、鶏以外にも是非色々な食材に挑戦してみて!
レバー類も扱っている
鶏肉は部位もいろいろあり、ターキー、ダックは丸ごとだったり、胸だけだったり、いろいろ売っています!見ていても面白いのですが、我々日本人としてこれまた嬉しいのはレバーを扱っている点ですね。
心臓(Chicken hearts)、レバー(Chicken Liver)、砂肝(Chicken Gizzards)なんかも豊富にあります。アメリカとしては臓物系はとても珍しいので、砂肝やレバーの焼き鳥をご家庭で作りたいという方は、ここのお店はオススメです!
チキンハートを甘辛く(醤油、出汁、砂糖、生姜)で煮込みました。懐かしい日本のお惣菜の味。
ギザード(砂肝)の炒め。下準備(固いところをとったり、適宜ちょうどいい大きさに切る)をして、油で炒め、塩胡椒。懐かしい日本のおつまみの味。詳しくはずかし先生の砂肝の項を参照。
七面鳥を感謝祭やクリスマスのたびに焼いて、コツがわかってきたので、カモ(Duck)のロースト(丸焼き)も作ってみた。割高な上に骨が多く、食べれる肉の部分はとても少ないんだけど、一羽$26。約2時間オーブンでロースト。
カモって鶏と比べてこんなに肉が少ないのかと驚きながら、鴨南蛮(蕎麦)を作りました。なぜか突然とても食べたかった味です。
多分これはワイルドなダックであって、一般的な肉厚であるダックは品種改良がそれなりにあってちょっと肉が増えてる種類なんだろうなと憶測。
おまけ 鶏肉の部位の英語
むね=Chicken Breast
で胸なんですが、Breastとは乳房がある前提の胸という解釈を私はしているので、旦那に「なんで哺乳類じゃないのにBreastなのか、Chestでええじゃないか」といったところ、義母まで考え込む事態になったことがあります。
ささみ=Chicken Tender
柔らかく、脂身が少ない部分ですね!子供向けメニューでよくあるチキンテンダーとかチキンフィンガーとかの揚げ物は、この部位です。
もも=Chicken Thighs
腿の筋肉はダークとホワイトがあり、フライドチキンやなどではわけて売っている場合があります。健康的なダークの方がお安い傾向です。鶏肉を買うときはいちいちダークか白身か選べないと思いますが、実際に食べると、柔らかさや風味など、食感が違いますね。
高校の時「遅筋速筋」を覚える際になぜか頭の中に鶏が駆け巡っていました。関係ない。
手羽先=Chicken Wing
アメリカの方はオーブンで焼いたり、揚げたりしていろんなタレをかけて食べますねえ。Buffalo Wingsとか有名ね。
手羽=Drum Stick
ドラムスティック。かぶりつきが楽しいですねえ。うちの子は骨つき肉だと喜んで食べる傾向があります。楽しいんだろうなあ。
その他:首(ネック)、尻尾(テイル)
ターキーのネック(首)とか、ターキのテイル(尻尾)も扱っている時があります。
アメリカの南部の郷土料理ではぼんじり(尻尾)をいっぱい使って旨味たっぷりのこってりスープを作るものがあるようで、ターキーの尻尾はアメリカはスーパーでも大事に売られている時がありますねー。もっと知りたいアメリカの郷土料理。
パン屋さん
パン屋さんには様々なパンがありますが、メインは焼き菓子とケーキです。
全て手作りで新鮮です。小麦粉、コーン粉、ふすま(ブラン)、オート麦、オートミールパウダー、などなどいろんな穀類も売っています。
ドーナツ
大変手の込んだ、様々なフレーバーのご馳走系ドーナツが売られています。観光地のような派手なものはないけれど、ボリューム、質ともに大変充実してる印象。プレーンの箱入りのも多く見かけます。
シナモンロールなんかもとっても美味しいです。本気の味付けなので濃いですよ!
ケーキ
アメリカの家庭料理らしいパイナップルケーキや、キャロットケーキ、パウンドケーキ、マフィンなど色々揃っています。
カップケーキもスーパーで売っているものとは違ってとても可愛らしいのがあります。
パイ
アップルパイ、ピーチパイ、ラズベリーパイ、チェリーパイ。これぞアメリカという感じのダイナミックで純朴、そして純粋に美味しいフルーツパイが目白押し。
小さく切って売られているものもあります。色々試したい方は小分けのをオススメ。
そして東海岸の郷土料理とされ、アーミッシュ発祥のお菓子、マシュマロを挟んだチョコレート生地の「Whoopie Pie」も売られています。アメリカのローカルな料理に興味がある人は是非。
お菓子屋さん
かなり昔の、手作り感漂うConfectionaryがあります。
季節によっては、ハロウィン、クリスマス、バレンタイン、イースター、夏休み、などのイベントをモチーフにしたチョコレートやキャンディも扱っています。
子供の好みそうなロリポップやユニコーンの角のようなぐるぐるのキャンディ、色とりどりのグミ、ジンジャーやシナモンなどの昔ながらののど飴、おつまみなどが売られています。
一般的なスーパーでは見かけない「手作り感」が漂うお菓子なので、是非オススメ。私のおすすめはラズベリーフィルドキャンディーとジンジャーボールです。量の割りに安いです。そして無難な味。着色とかしていないと思います。
大きめの透明感があるロリポップを買ってみたところ、日本の縁日で売っているべっこう飴の味がしました。
存在自体が可愛い、癒されるお店です。
お惣菜やさん(Deli)
建物奥の方に行くといい匂いを常にはなっているお惣菜屋さんがあります。内容がなんだか日本の商店街をそのまま持ってきたような感じです。
ローストチキン、ミートローフ、チキンの足、フライドチキン、ミートボール、フライ、チキンポットパイなど、選ぶのが困るラインナップが揃っています。
注文の仕方は、番号札を取り、欲しいものの個数や重さ、金額を伝えます。
お惣菜屋さんその2
お惣菜屋さんはもう一軒あって、サラダや野菜のおかずを売っています。ここも同様に欲しいものの重さや個数を伝えて買います。
ゼリーのデザートやプディング、カスタードなんかもあります。アメリカの家庭料理のレパートリーが垣間見れる貴重な機会。
ジャム・蜂蜜やさん
蜂蜜はアーミッシュの人たちの売りの一つで、とても有名です。農薬を使わない農業を営んでいるので、かなり質が高く、珍重されているようです。
珍しいベリー類や、アプリコットなどの手作りジャムも豊富に揃っています。
食の安全やクオリティを考えると、一般的なスーパーでオーガニック商品を買うよりもお安い場合も多いので、どんどんためすといいですねー。
アメリカの食の安全、不透明ですからね。
PA Dutch Market のお店情報!
住所
4437 Route 27 Princeton, NJ
Kingston Mall Shopping Center
電話
609.683.5260
営業時間(注意!週の3日間しかやっていません)
Thursday : 9:30am – 6:00pm
Friday : 9:00am – 6:00pm
Saturday : 9:00am – 4:00pm
まとめ
現代にも着々と息づくアーミッシュの皆さんの文化、そしてこんな市場で我々も美味しい恵みを受けることができます!
まだ行ったことがない人は是非行ってみてね。