こんにちはー。なんだろなアメリカのキョウコ@NandaroAmericaです。
アメリカで暮らしていると、日本にいた時の感覚ではなかなか理解しづらい食文化に出会います。その一つが、家庭で毎日きちんと料理をすることが、必ずしも当たり前ではないということです。
もちろん、アメリカにも料理好きな人はいます。オーブン料理、BBQ、ホリデー料理、クッキー作り、サンクスギビングのごちそうなど、家庭料理の文化がないわけではありません。むしろ、イベントの時の料理への熱量はとても大きいです。
ただ、日々の平日の夕飯となると、日本の感覚とはかなり違います。日本では、仕事をしていても、子育てをしていても、なんとか簡単にでも家でご飯を作る、という意識が比較的強いと思います。もちろん日本でも外食や惣菜、冷凍食品、コンビニに頼る人はたくさんいますが、それでも「家で食事を用意する」ための社会的な選択肢がかなり豊富です。
一方、アメリカで子育てをしながら暮らしてみると、あれ、これ、家でゼロから作るよりレストランのテイクアウトを買った方が、時間も体力もお金も助かるのでは、と思う場面が多々あります。
この記事では、ニュージャージーの国際色豊かな個人経営レストランの豊かさと、アメリカのスーパー事情、共働き家庭の時間のなさ、テイクアウト文化について、半分真剣に、半分生活者の実感として考えてみます。
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アメリカで働くと、夕飯を作る時間が消える
私がフルタイムで働いていた時、毎日の生活はかなり過酷でした。
朝早く家を出て、子どもをプリスクールに送り、仕事をし、夕方にまた子どもを迎えに行き、渋滞の中を帰宅する。普通なら25分で着く道が、ラッシュアワーには1時間近くかかることもあります。家に着く頃には、もう夜6時過ぎ。子どもはお腹が空いている。自分も疲れ切っている。そこから材料を切って、調理して、食べさせて、片付けて、お風呂、寝かしつけ。
冷静に考えると、無理です。
アメリカの郊外生活は、一見広々としていて快適そうに見えます。家も日本より広い。車もある。スーパーも大きい。ところが、実際には移動距離が長く、通勤に時間を取られ、家族全員のスケジュールを車で回す生活になります。
子どものプリスクール代、車のローン、ガソリン代、保険、家賃や住宅ローン。働くために必要な出費も大きい。さらに時間も体力も削られるとなると、平日の夕飯を毎日手作りするというのは、かなりハードルが高いのです。
日本の感覚では、外食や店屋物に頼ると高くつく、と思いがちです。でもアメリカの一部地域では、地元の中華、インド料理、ピザ、メキシカン、タイ、ベトナム、韓国料理などのテイクアウトが、とても実用的な生活インフラになっています。
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日本のスーパーには「助けてくれる食べ物」が多い
日本で仕事帰りにスーパーへ行くと、かなりの確率で何かしらすぐ食べられるものがあります。
お弁当、惣菜、焼き魚、コロッケ、唐揚げ、サラダ、煮物、寿司パック、うどん、そば、冷やし中華、レトルトカレー、冷凍チャーハン、冷凍うどん、冷凍パスタ、惣菜パン、おにぎり。しかも夕方や閉店前には値引きされることもあります。
これは働く人、子育て家庭、一人暮らし、高齢者にとって、本当に大きな社会的支援です。スーパーが、家庭の台所の延長のような役割を果たしてくれているのです。
一方で、アメリカの一般的なスーパーに行くと、まず規模は大きいです。肉も野菜も乳製品も冷凍食品も大量にあります。ところが、すぐに家族の夕飯として食べられる、安価で、味もそこそこ良く、栄養バランスも悪くない惣菜や弁当が、日本ほど充実していません。
もちろん、デリコーナーがあるスーパーもあります。Whole FoodsやWegmansのような高級寄りのスーパーには、量り売りの惣菜、サラダバー、ローストチキン、パスタ、ミートローフなどがあります。地域によっては、かなり便利なスーパーもあります。
でも、どこにでもあるわけではありません。そして、安くはありません。私の感覚では、アメリカの普通のスーパーは、材料を買う場所です。日本のスーパーのように「今日はもう疲れたから、半額の惣菜を買って帰ろう」という逃げ道が少ないのです。
アメリカのスーパーに惣菜半額セールがない衝撃
日本のスーパーには、夕方以降の独特の活気があります。時にはさっき立つことも笑。お弁当が割引になる。お惣菜が値引きされる。寿司パックに半額シールが貼られる。今日中に売り切りたいものがどんどん安くなる。消費者もそれを知っていて、時間帯を見計らって買い物に行くことがあります。
アメリカの普通のスーパーには、この文化があまりありません。そもそも、日本のような弁当・惣菜売り場が少ないので、夕方に売り切るものも少ない。シャケ弁当も、幕の内弁当も、手頃な寿司パックも、コロッケも、煮物も、焼き魚も、普通の米系スーパーにはまず期待できません。
冷凍食品はあります。でも、日本の冷凍食品のクオリティを知っていると、アメリカの安い冷凍食品にはかなりがっかりすることがあります。量が少ない、味が単調、野菜が少ない、質の割に高い。TVディナーと呼ばれるような冷凍プレートもありますが、日本の500円前後のお弁当と比べると、満足度の差が大きいと感じます。
アメリカにも良い冷凍食品はあります。Trader Joe’sなどには楽しいものもありますし、高級な冷凍食品は美味しいものもあります。ただ、毎日の家族の夕飯を安く、早く、そこそこ健康的にまかなうという目的では、日本のスーパーやコンビニほど頼りにならない場面が多いのです。
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だからテイクアウトが家庭料理の代わりになる
ここで登場するのが、地元の個人経営レストランです。アメリカの町には、ピザ屋、中華料理、インド料理、メキシコ料理、タイ料理、ベトナム料理、韓国料理、地中海料理、デリ、サンドイッチ屋など、持ち帰りに強いお店がたくさんあります。
特にニュージャージーは、本当に国際色が豊かです。移民系の個人経営レストランが多く、家庭で一から作るのが難しい料理を、比較的手頃な価格で、たっぷりの量で提供してくれます。
中華のテイクアウトなら、ご飯や春巻きがついて、1品で日本人女性なら2食から3食分くらいになることもあります。インド料理なら、カレーを数種類買って、ナンやライスを足せば家族で分けられます。ピザなら大きな箱で買って、翌日のランチにも回せます。メキシカンなら、ブリトーやタコス、ライスボウルで野菜や豆も取れます。
つまり、アメリカのテイクアウトは、単なる贅沢ではなく、家庭の食事を支える実用品になっているのです。日本では「惣菜はスーパー」「家庭料理が基本」という感覚があるかもしれません。でもアメリカでは、「スーパーの惣菜が頼りない」「冷凍食品の満足度が低い」「料理する時間がない」「レストランのテイクアウトは量が多くて翌日にも回せる」という条件が重なると、テイクアウトの方が生活に合うことがあります。
アメリカ人が料理をしないのではなく、料理しづらい生活構造がある
私は最初、アメリカの人はあまり毎日料理をしないんだな、と思っていました。でも長く暮らすうちに、それは個人の怠慢とか、家庭料理を大事にしていないとか、そういう単純な話ではないのではないかと思うようになりました。
共働きが多い。通勤が長い。保育料が高い。車移動が前提。スーパーに日本のような安くて便利な惣菜が少ない。冷凍食品はあるけれど、価格と質のバランスが難しい。地域によってはレストランの持ち帰りが非常に発達している。家族の食の好みも多様。アメリカの家ではオーブン料理や大型の調理が得意でも、平日に細かく何品も作る日本式の家庭料理とは相性が違う。こうした条件が重なると、家庭料理の位置づけそのものが変わります。
日本では、白いごはん、味噌汁、主菜、副菜、漬物、というような日々の食卓のイメージがあります。小さな品数を組み合わせて、毎日違うものを作る文化です。冷蔵庫の残り物で副菜を作る。お弁当にも回す。味噌汁で野菜を取る。これはとても高度な家庭料理文化だと思います。
アメリカでは、日常の食事はもっと大きな単位で考えられることがあります。ピザ、パスタ、サンドイッチ、タコス、チリ、スープ、ローストチキン、キャセロール。作る時は大量に作る。食べる時はシンプル。足りなければテイクアウト。そういう合理性があります。
だから、アメリカ人が料理をしない、というよりも、日本式の毎日こまめに家庭料理を整える文化とは、生活構造も食材流通も社会の支え方も違うのだと思います。
ニュージャージーでは外食の選択肢が生活を支えている
ニュージャージーに住んで感じるのは、食の選択肢の多さです。
中華、韓国、インド、メキシコ、イタリアン、ギリシャ、タイ、ベトナム、地中海料理、ユダヤ系デリ、アメリカンダイナー。大都市ほどではないにしても、郊外にこれだけ多様なレストランがあるのは、生活者としてかなりありがたいです。
これは単に外食が楽しいという話ではありません。
移民が多い地域では、レストランが地域の食文化そのものを支えています。各国出身の人たちが、自分たちの料理を提供し、それを他の人たちも日常的に食べるようになる。結果として、忙しい家庭はそこで食事を買い、レストランは地域に根づき、食文化が循環します。私は、こういうところにアメリカの面白さを感じます。
アメリカの食文化というと、ハンバーガー、ホットドッグ、ピザ、フライドチキンのように語られがちです。でも実際の地域生活では、移民系レストランがとても大きな役割を果たしています。特にニュージャージーのような国際色豊かな地域では、地元レストランの存在が、家庭の夕飯の選択肢をかなり広げてくれます。
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それでも自炊は大事。でも毎日完璧でなくていい
自炊は安く済むこともありますし、健康管理もしやすいです。日本の味を食べたい時、子どもに和食を食べさせたい時、野菜を多く取りたい時、塩分や油を控えたい時、自分で作るメリットはとても大きいです。が、アメリカ生活で日本と同じ感覚で毎日自炊を完璧にやろうとすると、疲れ切ってしまうことがあります。材料も高めなのであまり現実的ではないし、探すだけで大変なこともある。仕事、送迎、通勤、英語、学校連絡、医療予約、家の管理、子どもの宿題、習い事。すでにやることが多い中で、毎日の夕飯まで全部手作りにこだわると、無理な苦労になってしまうのではと感じます。そういう時は、予算が許す限りはテイクアウトを使っていいと思います。
中華を買って翌日のお昼にも食べる。インドカレーを買って家のご飯を足す。ピザを買ってサラダだけ家で作る。メキシカンを買って、冷蔵庫の野菜を添える。レストランの料理をそのまま出すのではなく、家の食材と組み合わせるだけでも、創意工夫でええじゃないか。
地域差も大きいアメリカの食事情
アメリカは広いので、食事情の地域差が本当に大きいです。ニュージャージーやニューヨーク近郊、カリフォルニア、ハワイ、シアトル、シカゴ周辺などは、比較的アジア系食材やレストランが多い地域です。日系スーパーや韓国系スーパー、中華系スーパーもあり、外食の選択肢も多いです。
一方、内陸部や小さな町では、和食材が手に入りにくく、魚も少なく、外食の選択肢が限られることがあります。私が以前住んでいたオハイオでは、日本食材や魚の入手にかなり苦労しました。つまり、「アメリカではこう」と一言では言えません。
ただ、多くの地域に共通しているのは、日本のようなスーパー惣菜文化が弱く、その代わりにレストランのテイクアウトや冷凍食品、デリ、ピザ、ファストカジュアルが生活の中に組み込まれているという点だと思います。
日本から来たばかりの人は、最初は戸惑うかもしれません。でも、これはアメリカの生活構造に合わせた食の形なのだと理解すると、少し気が楽になります。
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まとめ
アメリカでは、家で毎日料理をしない家庭が多いように見えるかもしれません。でもその背景には、共働き、長い通勤、保育料の高さ、車社会、スーパー惣菜の少なさ、冷凍食品の質と価格、移民系レストランの発達、テイクアウト文化など、いろいろな要素があります。
日本のように、スーパーやコンビニが安くて便利な惣菜をたくさん用意してくれる社会では、仕事帰りに「何か買って帰る」選択肢が豊かです。一方アメリカでは、その役割を地元のレストランやテイクアウトが担っている地域があります。
特にニュージャージーのような国際色豊かな地域では、個人経営のレストランが家庭の夕飯を支えてくれることがあります。
アメリカ生活で毎日自炊ができなくても、落ち込まなくて大丈夫です。日本と同じようにできないのは、自分の努力不足だけではありません。社会の仕組み、流通、時間の使い方、食文化が違うのです。
疲れた日は、テイクアウトでいい。余裕がある日は、自炊すればいい。アメリカ生活では、そのくらいの柔軟さが、長く元気に暮らすコツなのかもしれません。

