こんにちは、なんだろなアメリカのキョウコ@NandaroAmericaです。
アメリカで子育てをしていると、日本のしつけの感覚とかなり違うなと感じることがあります。
日本では、子どもに何かを教える時、
みんながやっているから、あなたもやりなさい。
人に迷惑がかかるから、やめなさい。
これは決まりだから、守りなさい。
ちゃんとしなさい。
恥ずかしいからやめなさい。
という説明がよく使われます。
もちろん、これらは日本社会の中では意味があります。
日本は集団生活、周囲への配慮、空気を読むこと、迷惑をかけないことを大事にする社会です。だから、子どもも「周りを見て行動する」ように育てられます。
でも、アメリカではこの説明がそのまま通じにくいことがあります。アメリカの子どものしつけでは、「みんながこうだから」よりも、
あなたはどうするべきか。
あなたはどんな選択をするのか。
それは安全か。
それは相手を尊重しているか。
その行動にはどんな結果があるか。
次はどうすればよいか。
という方向で話すことが多いです。
この記事では、アメリカの子供のしつけでよく使われる褒め方、良い叱り方、NGな叱り方を、文化の根本からわかりやすく説明します。
アメリカで子育てしている日本人親が、いちいち考え込まなくても、「アメリカではこういう発想だから、こう言えばいいのね」とつかめるようにまとめます。
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アメリカのしつけの根本は「自分で選べる人に育てる」こと
アメリカのしつけを理解する時、一番大事なのは「自立した人間にすること」です。
アメリカでは、子どもを「周囲に合わせる人」に育てるというより、「自分で考えて選べる人」に育てようとする傾向があります。
もちろん、アメリカでもルールはありますが、そのルールの伝え方が日本と違います。
日本では、「みんなが困るからやめなさい」「人に迷惑だからやめなさい」と言うことが多いです。
アメリカでは、
That is not safe.
それは安全ではないよ
That is not respectful.
それは相手を尊重していないよ
We use gentle hands.
手は優しく使うよ
You need to make a better choice.
もっと良い選択をしよう
What can you do differently next time?
次はどうしたらいいと思う?
のように、行動、安全、尊重、選択、結果に結びつけて話すことが多いです。
つまり、アメリカのしつけは、「周りがこうだから」ではなく、「あなたの行動には意味と結果がある」という教え方です。
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アメリカ人らしさは「自己決定」の積み重ねで育つ
アメリカ人がアメリカ人らしく育つ理由の一つは、小さい頃から「あなたはどうしたい?」「あなたはどう考える?」「あなたはどんな選択をする?」と聞かれるからだと思います。
服を選ぶ。
おやつを選ぶ。
自分の意見を言う。
学校で発表する。
嫌なことは No と言う。
友達との問題を言葉で説明する。
先生に質問する。
この積み重ねで、「自分には意見がある」「自分の選択には意味がある」「自分の行動には責任がある」という感覚が育ちます。
だから、アメリカのしつけでは、子どもをただ従わせるより、子どもに考えさせる言い方がよく使われます。
たとえば、子どもがおもちゃを投げた時、
Stop it!
だけで終わらず、
Toys are not for throwing. You can throw a ball outside, but blocks stay on the floor.
おもちゃは投げるものじゃないよ。ボールは外で投げていいけど、ブロックは床で使おう
と説明します。
子どもが友達を押した時も、
Don’t do that!
だけでなく、
Pushing hurts. We use words when we are upset.
押すと痛いよ。嫌な時は言葉で言おう
と教えます。
ここでは、「悪い子だから叱る」のではなく、「その行動は安全ではない、相手を尊重していない、だから別の方法を教える」という考え方です。
日本人らしさは「周囲を見て調整する力」で育つ
一方、日本のしつけには、日本の良さがあります。日本人は、周囲を見て行動する力が高いです。
静かにする。
順番を守る。
場の空気を読む。
みんなで片付ける。
公共の場をきれいに使う。
人に迷惑をかけないようにする。
これは、日本の学校、家庭、地域の中で、長年かけて育てられる感覚です。日本式のしつけは、「自分がどうしたいか」よりも、「その場でどう振る舞うべきか」「周囲にどう影響するか」を重視します。だから日本人は、集団の中での調整が上手です。
ただし、アメリカでこのやり方だけを使うと、少し伝わりにくいことがあります。「みんながやっているから」と言っても、アメリカの子は「でも私はそうしたくない」と感じるかもしれません。「人に迷惑だから」と言っても、具体的に何が問題なのかを説明しないと、納得しにくいことがあります。
「決まりだから」と言っても、「なぜその決まりがあるの?」と聞かれることがあります。アメリカでは、ルールを守らせる時も、できるだけ理由を言葉にする必要があります。
アメリカ式のしつけでは「人格」ではなく「行動」を見る
アメリカの良い叱り方でとても大事なのは、子どもの人格を責めないことです。
あなたは悪い子。
あなたはだらしない。
あなたは意地悪。
あなたはどうしていつもそうなの。
こういう言い方は、アメリカではかなり強く聞こえます。
それよりも、行動に焦点を当てます。
That behavior is not okay.
その行動はよくないよ
Hitting is not allowed.
叩くのはダメだよ
Food stays at the table.
食べ物はテーブルで食べるよ
We clean up after ourselves.
自分で使ったものは片付けるよ
つまり、「あなたがダメ」ではなく、「その行動は直す必要がある」という言い方です。
これは子どもを甘やかしているわけではありません。人格を守りながら、行動はしっかり直すという考え方です。
CDCの子育て支援ページでも、ポジティブなコミュニケーション、明確な指示、ルール、継続したしつけと結果を使って、良い行動を増やし問題行動を減らすことが紹介されています。
褒める時は「すごいね」だけで終わらせない
アメリカでは子どもをよく褒めます。
Good job!
Great work!
I’m proud of you!
You did it!
ただし、本当に効果的な褒め方は、「何が良かったのか」を具体的に言うことです。
You worked hard on your homework.
宿題を一生懸命やったね
You shared your toy with your friend. That was kind.
お友達におもちゃを貸せたね。優しかったね
You calmed your body and used your words.
気持ちを落ち着けて、言葉で言えたね
You kept trying even when it was hard.
難しくても続けたね
このように、努力、行動、選択、優しさ、粘り強さを褒めます。
StanfordのCarol Dweckの研究では、子どもの知能や才能を褒めるよりも、努力、戦略、集中、粘り強さなどの過程を褒める方が、子どもが挑戦し続けやすいと説明されています。
つまり、アメリカ式の褒め方は、「あなたは天才」と持ち上げることではありません。
「あなたが今した良い行動を見ていたよ」と伝えることです。
良い叱り方は「短く、具体的に、次の行動を教える」
アメリカで使いやすい叱り方は、短く、具体的で、次にどうすればいいかが入っています。
たとえば、子どもが走ってはいけない場所で走った時。
日本語感覚だと、
危ないでしょ!
みんなに迷惑でしょ!
何回言ったらわかるの!
と言いたくなります。
アメリカ式なら、
Walking feet, please.
歩く足でね
This is not a safe place to run.
ここは走ると危ない場所だよ
You can run outside later.
あとで外で走ろう
のように言えます。
子どもが騒いでいる時は、
Use your inside voice.
室内の声で話そう
子どもが物を乱暴に扱っている時は、
Gentle hands.
優しい手でね
子どもが順番を守らない時は、
Wait for your turn.
順番を待とう
子どもが片付けない時は、
Toys go back in the bin.
おもちゃは箱に戻すよ
ポイントは、長く説教しないことです。
アメリカの親や先生は、子どもに対して短いフレーズで行動を指示することが多いです。
理由を説明する時も、簡潔にします。
It is not safe.
安全ではないから
It hurts people.
人を傷つけるから
We take care of our things.
物を大切にするから
We respect other people’s space.
人のスペースを尊重するから
このくらいで十分です。
「人に迷惑」より「相手の権利と安全」で説明する
日本式のしつけでは、「人に迷惑がかかるからやめなさい」がとてもよく使われます。でもアメリカでは、「迷惑」という言葉の感覚が少し違います。
アメリカでは、他人との関係を説明する時に、
respect
尊重
space
相手の空間
safety
安全
choice
選択
responsibility
責任
という言葉がよく出てきます。
たとえば、子どもが人の物を勝手に触ったら、
That is not yours. You need to ask first.
それはあなたのものではないよ。先に聞こう
子どもが人に近づきすぎたら、
Give them some space.
少しスペースをあげよう
子どもが嫌がる友達にしつこくしたら、
They said no. We respect no.
相手は No と言ったよ。No は尊重するよ
これはとてもアメリカ的です。
「人に迷惑だから」ではなく、「相手の意思、相手の体、相手の物、相手の空間を尊重する」という発想です。
この考え方は、アメリカ社会でとても大事です。子どもの頃から、consent、personal space、boundaries を少しずつ学ぶのです。
NGな叱り方
アメリカで特に避けたい叱り方もあります。まず、人前で強く恥をかかせることです。日本では、みんなの前で注意して集団のルールを教えることがあります。しかしアメリカでは、子どもの尊厳を傷つける叱り方は強く嫌がられることがあります。
次に、人格否定です。
You are bad.
You are stupid.
You are lazy.
You are mean.
このような言い方は避けましょう。
また、体罰、脅し、恐怖で従わせる方法も危険です。
アメリカ小児科学会、AAPは、体罰や言葉による屈辱ではなく、健康的なしつけを推奨しており、ポジティブな行動を教え、発達に合った方法で子どもを導くことを重視しています。AAPの子育てガイドも、しつけが子どもの行動だけでなく健康や幸福にも影響すると説明しています。
もちろん、アメリカでも怒鳴る親はいます。厳しい親もいます。でも、学校、医療、カウンセリング、子育て支援の場では、体罰や恥を使うしつけは基本的に良い方法とはされません。
アメリカ式のしつけは「甘い」のではなく「言語化が多い」
日本人から見ると、アメリカのしつけは甘く見えることがあります。
褒めてばかり。
子どもに選ばせすぎ。
親が説明しすぎ。
叱り方がやわらかすぎ。
そう感じることもあると思います。
しかし、アメリカ式の良いしつけは、甘いのではなく「言語化が多い」のです。
何が良かったのかを言う。
何がダメだったのかを言う。
なぜダメなのかを言う。
次はどうすればいいかを言う。
子どもに選択肢を与える。
結果を経験させる。
たとえば、子どもが片付けない場合、
If you don’t clean up the toys, we won’t have time for a story.
おもちゃを片付けないなら、本を読む時間がなくなるよ
これは脅しではなく、結果の説明です。
アメリカ式では、自然な結果、logical consequences、つまり行動に結びついた結果を使うことが多いです。
片付けなければ次の遊びに移れない。
乱暴に使えばそのおもちゃは一度しまう。
宿題を忘れれば先生に自分で説明する。こういう形で、責任を学ばせます。
自由と自分勝手を履き違える人が育つこともある
アメリカの子育てやしつけには、良いところがたくさんあります。
子どもの意見を聞く。
自分で選ばせる。
自己肯定感を大切にする。
人格を否定しない。
人前で恥をかかせない。
Noと言う権利を教える。
自分のスペースや境界線を守る。
これはとても大事なことです。
ただ、アメリカで暮らしていると、時々、「自由」と「好き勝手」や「自分勝手」を履き違えて大人になってしまったのではないかと感じる人にも出会います。(みんなそうだという話ではありません。)
とても親切で、礼儀正しく、困っている人にすぐ手を差し伸べる人もたくさんいます。公共心があり、ボランティア精神が強く、子どもにもマナーや責任をしっかり教える家庭も多いです。
ただ、その一方で、マナーがとても良い人と、びっくりするほど自己中心的な人の差が激しいとも感じます。
レストランで食べた後、テーブルをぐちゃぐちゃにしたまま帰る。
映画館や公園にゴミを置いていく。
スーパーのカートを適当に放置する。
人が困っていても見て見ぬふりをする。
公共の場で大声を出しても気にしない。
自分の子どもが迷惑をかけていても注意しない。
共有スペースを自分の家のように使う。
こういう場面を見ると、日本で育った人はかなり驚きます。日本には、「立つ鳥跡を濁さず」という感覚があります。自分が使った場所は、できるだけきれいにして去る。次に使う人のことを考える。公共の場では周囲に配慮する。
この感覚は、日本の学校、家庭、地域、公共空間の中で、かなり小さい頃から刷り込まれます。
一方、アメリカでは、家庭によってしつけの差が非常に大きいです。きちんと教える家庭では、子どもはとても礼儀正しく育ちます。しかし、家庭で公共マナー、片付け、他人への配慮、責任をあまり教えられていない場合、それを学校や社会が一律に補ってくれるとは限りません。
自由は「責任」とセットで教えないと危ない
アメリカでは、自由がとても大切にされます。
自分の意見を持つ。
自分で選ぶ。
自分の権利を守る。
嫌なことにはNoと言う。
自分らしく生きる。
これはアメリカ社会の良いところです。
でも、自由は本来、責任とセットです。
自分の自由があるなら、他人の自由も尊重する。
自分の権利があるなら、他人の権利も守る。
自分が使った場所は、自分で片付ける。
自分の行動が人に与える影響を考える。
これを教えないまま、「あなたは自由」「あなたの気持ちが大事」「あなたの選択が大事」だけを強調すると、子どもは「自分のしたいことをすればいい」と受け取ってしまうことがあります。
親のしつけで本当に大事なのは、子どもの自己肯定感を守りながら、他人との関係の中で生きる力を教えることです。
You matter.
あなたは大切
と同時に、
Other people matter, too.
他の人も大切
を教えなければいけません。
この後半が抜けると、自由は自分勝手になってしまいます。
「人の痛みがわかる」ように育てる必要がある
アメリカで時々感じるのは、人の痛みや苦労を想像する教育が、家庭によってかなり差があるということです。
困っている人を見た時に、咄嗟に手を貸す。
誰かが重い荷物を持っていたらドアを開ける。
小さい子、妊婦、高齢者、障害のある人に気づく。
店員さんや清掃員さんの仕事を尊重する。
自分が汚した場所を、次に誰かが片付けるのだと想像する。
こういう感覚は、自然に育つものではありません。
大人が日々の中で教える必要があります。
たとえば、レストランで子どもが食べ散らかしたら、
Someone has to clean this up. Let’s help.
誰かがこれを片付けるんだよ。手伝おう
と言う。
スーパーで物を落としたら、
Let’s pick it up. We take care of shared spaces.
拾おうね。みんなの場所は大切に使うよ
と言う。
人が困っていたら、
Let’s see if they need help.
助けが必要か見てみよう
と言う。
こういう一つ一つの声かけで、子どもは「自分の行動は他人に影響する」と学びます。
日本では、「人に迷惑をかけない」という言い方でこれを教えることが多いです。
アメリカでは、「相手の痛み」「相手の権利」「共有スペース」「責任」「尊重」という言葉で教えた方が通じやすいと思います。
「お客様だから片付けなくていい」が行き過ぎると公共心が育たない
アメリカでは、レストランやフードコートで、食べた後のゴミやトレーをそのままにする人もいます。
もちろん、店の形式によります。
店員さんが片付ける前提のレストランもあります。
一方で、セルフサービスの店やフードコートでは、自分で片付ける場所があるのに、そのまま置いていく人もいます。
日本人からすると、「自分で出したゴミくらい片付けようよ」と感じることがあります。
ここには、「それは店員の仕事」「自分は客だから」という感覚もあるのかもしれません。
しかし、子どもにその姿を見せ続けると、子どもは「自分が汚しても誰かが片付ける」と学びます。
これはとても危ないです。
家庭でも学校でも、公共の場でも、
自分で使ったものは戻す。
自分で出したゴミは捨てる。
自分がこぼしたら拭く。
誰かが片付ける前に自分でできることをする。
これを教えることは、単なるマナーではありません。
社会の中で生きる責任を教えることです。
アメリカは「家庭差」がそのまま出やすい
なぜアメリカでは、マナーが良い人とめちゃくちゃな人の差が大きいのでしょうか。
一つの理由は、家庭差です。
アメリカは自由な国です。
家庭の価値観も多様です。
親の教育方針もかなり違います。
宗教、地域、階層、移民背景、親の学歴、家庭の安定度、学校区、コミュニティによって、子どもが学ぶマナーや責任感が大きく変わります。
日本の場合、家庭差はもちろんありますが、学校がある程度、生活習慣や集団行動を教えます。掃除、給食当番、整列、係活動、持ち物管理、集団での移動、忘れ物への注意。良し悪しはありますが、日本の学校は生活面までかなり教えます。
アメリカでは、学校がそこまで細かく生活全般を教えるとは限りません。そのため、家庭で教わらなかった子は、公共マナーや生活習慣を身につけないまま大人になることがあります。逆に、家庭でしっかり教えられた子は、とても自立し、礼儀正しく、責任感のある大人になります。
叱られずに育つことと、尊重されて育つことは違う
「アメリカ式のしつけが悪い」という話ではありません。問題は、子どもを尊重することと、子どもを放置することが混同される場合です。
子どもの気持ちを尊重することは大事ですが、他人に迷惑をかけた時に注意しないのは、尊重ではありません。また子どもの選択を大切にすることは大事ですが、でも、責任を教えないのは、自由ではありません。さらに、自己肯定感を与えすぎて自分の間違いを認められない大人にしてしまっては困ります。
本当のポジティブなしつけは、「叱らないこと」ではありません。人格を否定せずに、行動を直すこと。恐怖で支配せずに、責任を教えること。子どもの気持ちを聞きながら、社会の中で守るべき境界線(バウンダリー)を伝えることです。
You can feel angry, but you cannot hurt people.
怒ってもいい。でも人を傷つけてはいけない
You can make choices, but choices have consequences.
選ぶことはできる。でも選択には結果がある
You are important, and so are other people.
あなたは大切。他の人も大切
この3つを教えないと、ポジティブなしつけはただの甘やかしになります。
日本人親がアメリカで持っていてよい感覚
日本人親としては、アメリカの子育ての良いところを取り入れつつ、日本的な公共心や片付け、周囲への配慮も大切にしてよいと思います。
アメリカでは日本人的発想の「人に迷惑だから」は、ちょっと工夫して言い換えると伝わりやすいです。
We take care of shared spaces.
みんなで使う場所は大切にするよ
We clean up after ourselves.
自分が使ったものは自分で片付けるよ
Someone else should not have to clean up our mess.
私たちが汚したものを、他の人に片付けさせないよ
We help when we can.
助けられる時は助けるよ
We respect people who work here.
ここで働いている人を尊重するよ
こう言えば、日本的な「立つ鳥跡を濁さず」の精神を、アメリカでも通じる言葉に変えられます。
自由な人と自分勝手な人の違い
最後に、自由な人と自分勝手な人の違いをはっきりさせておきたいです。
自由な人は、自分の意思を持っています。でも、他人の意思も尊重します。
自由な人は、自分の選択をします。でも、その結果に責任を持ちます。
自由な人は、自分らしく生きます。でも、共有空間を壊しません。
自分勝手な人は、自分のしたいことだけを見ます。他人の負担を考えて行動しないし、自分の行動の後始末もしません。注意されると、自分が否定されたと感じます。
この違いを子どもに教えることが、アメリカでのしつけではとても大事だと思います。
アメリカで使いやすいしつけフレーズ
アメリカ生活で使いやすい短いフレーズをまとめます。
That is not safe.
それは安全ではないよ
Use gentle hands.
優しい手でね
Use your words.
言葉で言おう
Walking feet.
歩く足でね
Inside voice.
室内の声でね
Ask first.
先に聞こう
Wait for your turn.
順番を待とう
We respect other people’s space.
人のスペースを尊重するよ
You can be upset, but you cannot hit.
怒ってもいいけど、叩いてはいけないよ
What can you do differently next time?
次はどうしたらいいかな?
このあたりを覚えておくと、アメリカ式のしつけがかなりやりやすくなります。
日本人親がアメリカで意識したいこと
日本人親は、日本式の良さも持っています。
丁寧さ。
礼儀。
公共の場での配慮。
片付け。
時間を守る。
人のことを考える。
これはとても大切です。
ただ、アメリカで子どもを育てる時は、それをアメリカで通じる言葉に変える必要があります。
「みんながこうだから」ではなく、
This is how we stay safe.
安全のためにこうするよ
「迷惑だから」ではなく、
We respect other people.
人を尊重するよ
「決まりだから」ではなく、
This rule helps everyone.
このルールはみんなを助けるためにあるよ
「ちゃんとしなさい」ではなく、
Put your shoes by the door.
靴をドアのところに置いてね
のように、具体的に言うと伝わりやすくなります。
日本式のしつけを捨てる必要はありません。ただ、アメリカでは「集団の空気」ではなく、「安全、尊重、選択、責任、具体的な行動」に翻訳すると、子どもにも周囲にも伝わりやすくなります。
まとめ
アメリカの子供のしつけは、日本のしつけと根本の発想が少し違います。
日本では、周囲に合わせること、人に迷惑をかけないこと、場の空気を読むことが重視されます。
アメリカでは、自分で考えること、自分の選択に責任を持つこと、相手の権利やスペースを尊重すること、安全に行動することが重視されます。
だから、アメリカのしつけでは、褒める時も叱る時も、行動を具体的に言葉にします。
良い褒め方は、努力、行動、選択、親切さ、粘り強さを具体的に認めることです。
良い叱り方は、短く、具体的に、次にどうすればよいかを教えることです。
NGな叱り方は、人格否定、人前で恥をかかせること、恐怖や体罰で従わせることです。
アメリカ式のしつけは、甘やかしではありません。
子どもを一人の人間として扱い、言葉で境界線を教え、選択と責任を学ばせる方法です。
日本人親としては、日本の良いところを持ちながら、アメリカで通じる形に言い換えていくのが一番よいと思います。
安全。
尊重。
選択。
責任。
具体的な行動。
この5つを意識すると、アメリカでの子供のしつけはかなりわかりやすくなります。
参考資料・関連リンク
CDC
Essentials for Parenting Toddlers and Preschoolers
https://www.cdc.gov/parenting-toddlers/about/index.html
CDC
Practice Parenting Skills: Communication
https://www.cdc.gov/parenting-toddlers/communication/parenting-skills.html
American Academy of Pediatrics
High Five Discipline: Positive Parenting for Happy, Healthy, Well-Behaved Kids
https://publications.aap.org/aapbooks/book/679/High-Five-Discipline-Positive-Parenting-for-Happy
Stanford News
Perseverance key to children’s intellectual growth, Stanford scholar says
https://news.stanford.edu/stories/2015/04/dweck-kids-potential-042915
Stanford Bing Nursery School
Praising Intelligence: Costs to Children’s Self-Esteem and Motivation
https://bingschool.stanford.edu/news/praising-intelligence-costs-childrens-self-esteem-and-motivation

