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アメリカの学校メールに疲れた親へ|読んでも読んでも終わらない在米子育ての見えない仕事

子育て・義務教育
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こんにちはー。キョウコ@NandaroAmericaでーす。

アメリカで子育てをしていて、地味に、しかし確実に親の体力と精神力を削ってくるものがあります。

それは、学校からのメールです。

子どもがプリスクールやエレメンタリースクールに通い始めると、学校からのお知らせが次々に届くようになります。先生からのメール、学校全体からのメール、学区からのメール、PTOやPTAからのメール、スクールバス、給食、図書館、写真撮影、イベント、寄付、オンライン教材、面談予約、早帰り、遅延登校。

一体どこから何が来ているのか、だんだんわからなくなってきます。

日本の学校にもプリントや連絡帳文化がありますが、アメリカの学校連絡はまた別の疲れがあります。メール、アプリ、紙、自動電話、テキスト通知、ウェブサイト。情報の入口が一つではなく、あちこちから飛んでくるのです。しかも英語です。慣れるまでは単語の意味がわからなかったり、イベントの意味がわからなかったりします。わからない単語が1、2こあるだけで、海を漂流しているような気持ちになりますよね。

英語で暮らしているとはいえ、学校からのメールは日常会話とは違います。知らない行事名、知らない略語、知らない学校文化が当たり前のように並んでいます。

PTO、Book Fair、Spirit Week、Field Day、Picture Day、Early Dismissal、Delayed Opening、Parent Portal、Lunch Account、Conference Sign-up。

読める。読めるんです。でも、最初は疲れる。この先何があるん?先生との面談、予約したところで何を言われる?何を用意しておけばいいの?何を聞けばいい?延々と備えてしまうわけです。

単語としては読めても、その背景にある学校文化を毎回理解しなければならない。これが、在米親のしんどいところだと思います。

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学校メールは、ただ読むだけでは終わらない

アメリカの学校メールが疲れる理由は、量が多いからだけではありません。読んだあとに、たいてい何かを判断しなければならないからです。

一通一通が、親に小さな判断を迫ってきます。

最初の頃は、学校から来たメールは全部大事に見えます。学校が送ってくるのだから、ちゃんと読まなければ。見落としたら子どもが困るかもしれない。先生に迷惑をかけるかもしれない。うちだけ何かを忘れてしまうかもしれない。

そう思って、全部真面目に読もうとします。

でも実際には、絶対に対応が必要なものもあれば、参加自由のものもあり、買わなくてもいい商品の案内もあり、PTOからの宣伝もあり、ただのリマインダーもあります。

ところが、それを見分けるには、ある程度アメリカの学校文化に慣れている必要があります。

慣れていない親は、全部を同じ重さで受け止めてしまいます。そして、気がつくとメールを読むだけでぐったりしています。

私は最初の頃、学校からメールが来るたびに少し緊張していました。

また何か提出しなければいけないのか。
また何か持たせる日なのか。
またお金が必要なのか。
また予定を変えなければいけないのか。
自分の仕事の時間にまた影響を受けるのか?

メール一通が、ただの連絡ではなく、親としての責任を試されているように感じられるのです。

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英語力よりも、文化の翻訳で疲れる

学校メールを読んでいて思うのは、これは英語力だけの問題ではないということです。もちろん英語が得意なほうが楽です。読むのが速ければ助かりますし、先生への返信もすぐ書けます。でも、英語が読めても結局疲れるものは疲れます。

学校メールには、その国の学校文化がぎっしり詰まっている。

例えばSpirit Week。直訳してもよくわかりません。学校を盛り上げるテーマ週間で、毎日違う服装や持ち物の指定があることが多いのですが、知らないと、何これ、また何かあるの、と思います。日本でそういう系乗ってあったかなあ、なかったよなあ。へえー。と。

Book Fairもそうです。本の販売イベントだとはわかります。でも、子どもに現金を持たせるのか、オンラインで買うのか、買わなくてもいいのか、友達が買っている中で自分の子だけ買わないと寂しいのか、学校への寄付になるのか、どのくらい買う家庭が多いのか。そう言えば私の行っていた小学校では筋ジストロフィーの募金になるパンダの鉛筆を売っていたなあ。赤い羽根とかもあったよなあ、などなどいらないのにいろいろ思い出します。

Picture Dayも、写真撮影の日という意味はわかります。でも、どのくらいちゃんとした服を着せるのか、写真は買わなければならないのか、買わなかったらどうなるのか、再撮影はあるのか。周りの子は気合い入った服を着ていくのにうちの子だけ普段着だったらやばいんじゃないの?など心配します。

英語の意味はわかる。でも、その行事が親に何を求めているのかが、すぐにはわからない。だから疲れる。在米日本人の親は、学校メールを読むたびに、英語を日本語に訳しているだけではありません。アメリカの学校文化を、自分の中で毎回解釈しています。これはかなりの頭の仕事です。

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見落とすと子どもが困るかもしれない、という緊張感

学校メールの一番つらいところは、親が見落とすと子どもが困ることがある、というプレッシャーです。

明日はパジャマデーだったのに、うちの子だけ普通の服で行ってしまった。今日はクラスパーティーでスナックを持っていく日だったのに忘れた。図書館の本を返す日だったのに持たせなかった。早帰りの日だったのに、通常時間だと思っていた。Field DayのTシャツの締め切りを過ぎてしまった。

こういうことは、起きる時は起きます。

そして親は落ち込みます。

子どもは案外ケロッとしていることもあります。先生も、そこまで大ごとにしないことが多いです。でも親は気にします。特に日本人の親は、持ち物や行事で子どもに恥をかかせたくない、うちの子だけ忘れている状態にしたくない、という感覚が強いかもしれません。

そのため、学校メールを読むことが、ただの事務作業ではなくなります。子どもの学校生活を守るための任務のようになっていくのです。この任務が毎日続く。

しかも、こちらは英語の学校文化にまだ完全には慣れていない。だから、メールを開くたびに少し身構える。何も大したことが書いていなくても、読む前から疲れている。在米子育ての疲れは、こういう小さな緊張の積み重ねなのだと思います。

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PTOや寄付のメールに、じわじわ気力を吸われる

アメリカの学校生活で避けて通れないのが、PTOやPTA、学校関連団体からのメールです。

もちろん、PTOの活動はありがたいです。学校イベントを支え、先生を助け、子どもたちのために資金を集め、学校コミュニティを作ってくれている。そこには感謝しています。でも、受信箱に入ってくる側としては、正直しんどい時があります。

レストランナイトに来てください。学校グッズを買ってください。Book Fairのボランティアを募集しています。先生感謝週間の寄付をお願いします。クラスパーティーのスナックを持ってきてください。母の日のお花の支払いは明日までです!延長しました!寄付をお願いします!このリンクからサインアップしてください。この日までに支払いをお願いします。

読むだけで、ああ、また何かしなければならないのか、と思ってしまう。そして、参加しなくてもいいものが多いのに、断るたびに少し罪悪感があります。そして、寄付寄付と言われるたびに、この学区の財政は大丈夫なんだろうかと心配になります。こんなに高い税金を払っているのに、いったいなんなのか。

本当は全部に参加する必要はありません。全部に寄付する必要もありません。全部のボランティアに手を挙げる必要もありません。でも、学校からお願いされると、断るのが少し重い。しかも、子どもが関わっています。子どもが楽しみにしているイベントかもしれない。先生の助けになるかもしれない。学校のためになるかもしれない。そう思うと、ただ無視するのにもエネルギーがいります。アメリカの学校文化は、親の参加をかなり前提にしていると感じます。

それは良い面でもあります。でも、英語に自信がない親、仕事で忙しい親、小さい兄弟がいる親、近くに頼れる人がいない親、精神的に余裕がない親にとっては、かなりの負担にもなります。

学校からのメールは、そういう親の余力を毎日少しずつ削っていきます。

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メールだけではなく、アプリも紙も来る

さらに厄介なのは、情報の入口がメールだけではないことです。

先生からのメールがあり、学校全体からのメールがあり、学校区からのメールがあり、PTOのニュースレターがあり、学校アプリの通知があり、ランチアカウントの通知があり、オンライン教材の案内があり、図書館からの連絡があり、さらに紙のお知らせがバックパックに入っている。

子どものバックパックを開けると、くしゃくしゃになった紙が出てくることがあります。

そこに、明日の大事な持ち物が書いてあったりします。

それ、メールでも来ていましたか。来ていたのかもしれない。でも、もう覚えていない。

アメリカはデジタル化されているようで、紙も普通に来ます。メールも来ます。アプリも来ます。先生によって使うツールが違うこともあります。

親は、それらをつなぎ合わせて、子どもの学校生活を把握しなければなりません。これはもう、家の中で一人だけ学校事務局をやっているようなものです。そして多くの家庭では、その役割が母親に偏りがちです。

学校メールを読む。予定をカレンダーに入れる。子どもに伝える。持ち物を用意する。支払いをする。先生に返事を書く。夫にも伝える。でも夫は忘れる。結局、母が覚えている。

しんどいです。これはただのメール処理ではありません。家庭内の見えない学校運営です。

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でも、全部を完璧に処理しなくてもいい

ここまで書くと、アメリカの学校メールは恐ろしい敵のようですが、少しずつ慣れてくると、力の抜き方も見えてきます。もちろん、欠席、早帰り、面談、提出物、健康、安全、バス、学習に関わるものは大事です。そういうものは確認したほうがいいです。

でも、すべてのPTOメール、すべての商品案内、すべてのイベント宣伝を同じ熱量で読む必要はありません。最初は全部大事に見えます。

でもだんだん、このメールは宣伝だな、このメールは寄付のお願いだな、これは参加自由だな、これは本当に対応が必要だな、と見分けられるようになります。学校メール処理は、英語力だけではなく経験値です。

最初からうまくできなくて当たり前です。そして、見落とすこともあります。

パジャマデーを忘れることもある。図書館の本を返し忘れることもある。イベントのサインアップが遅れることもある。寄付をスルーすることもある。でも、それで親失格ではありません。アメリカの学校生活は、情報量が多すぎます。

全部を完璧にこなそうとすると、親が先に倒れます。

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わからない時は、短く聞けばいい

学校メールでわからないことがあった時、最初は先生に聞くのも緊張します。

こんなことを聞いていいのかな。
すでにメールに書いてあったら恥ずかしいな。
英語が変だったらどうしよう。
面倒な親だと思われないかな。

そう思ってしまいます。

でも、アメリカではわからないことは聞いていいのです。そして、長く丁寧な完璧メールを書かなくても大丈夫です。

Could you please clarify this?
Do we need to send anything tomorrow?
Is this event optional?
Do we need to purchase this item?
Can my child still participate if we don’t buy it?

このくらいで十分です。むしろ、短く、はっきり聞いたほうが伝わります。

先生も忙しいです。長い説明より、何を確認したいのかがすぐわかるメールのほうがありがたいはずです。英語が完璧でなくても、親として必要なことを聞ければそれでいい。この感覚を持てるようになると、少し楽になります。

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学校メールは家族で共有したほうがいい

学校メールに疲れている親御さんに、もう一つ言いたいことがあります。学校メールは、家族の仕事です。一人で全部抱え込むと、本当に疲れます。

学校の予定、早帰り、イベント、持ち物、支払い、先生への返信、子どものランチ、バスの変更。これらは、ただのメールではなく、子どもの生活を動かすための管理業務です。だから、可能なら夫婦や家族で共有したほうがいいです。

学校カレンダーを家族カレンダーに入れる。大事なメールは転送する。アプリを両方の親が入れる。早帰りの日は見える場所に書く。支払いが必要なものは、その場でどちらがやるか決める。

もちろん、現実には片方の親に偏ることも多いと思います。

それでも、学校メールを読むことは立派な育児であり、家庭内の管理業務であり、精神労働なのだということは、家族にわかってもらったほうがいいです。メールを読んでいるだけに見えるかもしれません。

でも実際は、読んで、理解して、判断して、予定に入れて、子どもに伝えて、必要なものを準備しているのです。

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まとめ アメリカの学校メールに疲れるのは当然です

アメリカの学校メールに疲れるのは、親の能力が低いからではありません。英語が完璧ではないからだけでもありません。情報量が多く、連絡手段が分散していて、学校文化の背景がわかりにくく、親に判断と管理が求められるから疲れるのです。

しかも、そのメールの向こうには子どもの学校生活があります。見落としたら子どもが困るかもしれない。返事をしなかったら先生に迷惑かもしれない。参加しなかったら子どもが寂しいかもしれない。寄付しなかったら申し訳ないかもしれない。

そういう気持ちが重なるから、ただのメールが重くなるのです。親も、毎日こうやって少しずつアメリカの学校文化に慣れていきます。学校メールに疲れているお母さん、お父さん。

本当にお疲れ様です。

今日もメールを開いた。英語のお知らせを読んだ。カレンダーに予定を入れた。子どもの持ち物を確認した。

それだけで、もう十分に頑張っています。

アメリカで子育てをするということは、子どもだけでなく、親も毎日学校に通っているようなものです。

それでも、ちゃんと前に進んでいます。

子育て・義務教育
この記事の著者
Kyoko Bartley

ニュージャージー在住。
幼少期からアメリカの映画やアニメーション、音楽に親しみ、大学ではアメリカ文化を専攻。留学・研究を経て2011年に渡米し、国際結婚、妊娠・出産、現地就職、住宅購入などを通して、外国人としてアメリカ社会で暮らすリアルを経験してきた。

2018年より、在米日本人向けアメリカ生活情報ブログ「なんだろなアメリカ」 を運営。教科書やガイドブックには載らない、実体験にもとづく生活情報や、文化の違いから生まれる「?」を「!」に変える視点を発信している。

また、プリンストンエリアを拠点に画家としても活動し、原画やグッズの制作・販売を行っている。

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