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アメリカの生卵事情|市販卵の安全性と生食可卵・家庭でできる安全対策

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在米の皆様は「アメリカで生卵を安全に食べることはできるのか」「生で食べるためにはどんな注意点があるのか」「そもそもアメリカの卵はなぜ生食が推奨されていないのか」など、さまざまな疑問が湧いていると思います。本記事では、アメリカの市販卵の生食事情について、日本とアメリカの違いをわかりやすく解説し、家庭でもできる安全対策や、おすすめの生食可卵についても詳しくご紹介します。

アメリカで暮らし始めてから、日本では当たり前だった「卵かけご飯」や「すき焼きに生卵をつけて食べる」文化がいかに特別なものだったのかを、初めて実感した方も多いのではないでしょうか。

アメリカに移住してスーパーマーケットに並ぶ卵を手に取ったとき、ふと「これを日本のように生で食べても大丈夫なのだろうか?」という疑問にぶつかります。答えは、大抵の場合絶対ダメ!です。

SNSや在米日本人コミュニティの中で「アメリカの卵は生で食べてはいけない」「サルモネラ菌のリスクが高い」などと話題になっているのを目にし、不安になる方も多いでしょう。

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アメリカで生卵を食べるとどうなる?

アメリカのスーパーマーケットに並ぶ卵を見て、いけるんじゃないかと思う人も多いと思います。また、生食NGとは知らなかった方もいるかもしれません。

アメリカの卵を生食する場合、最も注意すべきなのがサルモネラ菌による食中毒です。実際私の恩師もアメリカ赴任中に長期間食べ続けて具合が悪くなったのでやめろと散々言われたことがあります。

日本でも生卵は気をつけろとは言われますが、卵かけご飯などするときはそもそもなるべく新鮮な物を熱々のご飯にとも言われ、しかしながら卵かけご飯をアメリカでも食べたいという猛烈な欲求を持つ方もたくさんおり、私の疑問は風の中。

サルモネラ菌とは?

サルモネラ菌は、腸管出血性大腸菌と並んで世界的に食中毒の主な原因となる細菌のひとつです。鶏の腸管内や卵殻、さらには鶏卵の内部に存在することもあり、十分な加熱を行わずに生で摂取した場合、人間にも感染しやすい特徴があります。

感染するとどうなる?症状とリスク

サルモネラ菌に感染すると、感染性胃腸炎(サルモネラ症)を発症します。主な症状は、以下のとおりです。

  • 激しい腹痛

  • 下痢

  • 発熱(38度前後)

  • 吐き気や嘔吐

  • 倦怠感、脱水症状

通常は2〜3日で回復することが多いものの、高齢者や乳幼児、免疫力が低下している方では重症化のリスクが高まり、まれに敗血症など命に関わる合併症を引き起こすこともあります。

米国疾病対策センター(CDC)の報告によれば、アメリカ国内で毎年100万人以上がサルモネラ感染症を発症しており、卵や卵製品が原因となるケースも少なくありません。

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日本とアメリカの卵事情の違い 日本人が陥りやすい「油断」

日本とアメリカでは、「卵」の生産・流通・管理方法に大きな違いがあります。この違いが、そのまま「生卵を食べられるかどうか」に直結しています。

衛生管理・生産工程の違い

日本:生食を前提とした厳しい衛生管理

日本では、生で食べることを前提として、採卵からパッキングまで厳格な衛生管理基準が設けられています。主な特徴は以下の通りです。

  • 卵を産んだ直後に、丁寧な洗浄と殺菌を実施

  • 洗浄後すぐにパッキングし、迅速に流通網へ

  • 生産地から消費者まで低温(冷蔵)流通

  • 賞味期限も「生食が可能な期間」を明示

この徹底ぶりにより、日本の卵のサルモネラ感染リスクは極めて低く、安心して卵かけご飯やすき焼きを楽しめます。

アメリカ:加熱調理を前提とした管理

アメリカでは、卵は加熱調理が前提です。管理の仕組みが日本とは異なり、主に以下の特徴があります。

  • 洗浄時に強力な洗剤や殺菌剤を使用し、表面のバリア(クチクラ)も取り除かれる

  • 卵殻のバリアを失うことで、サルモネラ菌が内部に侵入しやすくなる

  • 店頭では基本的に冷蔵保存だが、家庭や一部ファーマーズマーケットでは常温保存のケースも(これは要注意!)

  • パッケージに「加熱調理推奨」の表記が一般的

  • 賞味期限は生食を想定していないので1ヶ月など長い。

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アメリカで市販卵を生で安全に食べるには?

それでも「どうしても生卵を食べたい!」という場合、アメリカでも安全性を確保するいくつかの方法があります。

パスチャライズドエッグ(Pasteurized Eggs)を選ぶ

パスチャライズド(低温殺菌済み)卵とは?

パスチャライズドエッグは、卵殻ごと適切な温度で低温殺菌された卵です。パスチャライズドが低温殺菌という意味です。

殺菌処理によってサルモネラ菌などの細菌リスクが大幅に減少しており、「生食」にも対応できます。日本のような生食文化を持たないアメリカでも、「Pasteurized」の表示がある卵は比較的安心して生で食べられます。

主なブランドと購入方法

  • DAVIDSON’S Safest Choiceなどが有名

  • Whole Foods Marketや大手スーパー、日系スーパーで入手可能な場合も

  • 通常の卵よりやや割高(1ダースで$5~$8程度)

パッケージやラベルの見分け方

  • 「PASTEURIZED」や「SAFE FOR RAW CONSUMPTION」などの表記

  • 卵殻自体に「P」の刻印があることも

注意!!Pasture-raised Eggs(パスチャーレイズドエッグ)は Pasteurized Eggs ではない!!!

先述した低温殺菌卵 Pasture-raised Eggs(パスチャーレイズドエッグ)を店頭で探す時、気をつけたいのが Pasteurized Eggs ではないことです。日本人にとって非常に紛らわしい英語なのですが、以下に詳しく説明します。

pasture-raised eggs(パスチャーレイズドエッグ) 意味:平飼い卵/放牧卵

  • 「pasture」は「牧草地・放牧地」の意味。

  • pasture-raisedは「放牧地(パスチャー)で育てられた」という意味です。

  • 鶏が屋外(牧草地や広いスペース)で自由に歩き回り、自然な餌をついばみながら育てられた卵。

  • オーガニックや動物福祉に配慮した卵として人気。

  • 衛生管理や加熱処理(殺菌)は特別されていないので、生で食べて安全かどうかは別問題です。

pasteurized eggs(パスチャライズドエッグ)意味:低温殺菌卵

  • 「pasteurize」は“低温殺菌する”という意味(19世紀のフランスのパスツール博士の名前が語源)。

  • 放牧卵(pasture-raised)とは関係なく、普通のケージ卵でも低温殺菌されていればpasteurized egg

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Anovaを使って自家製パスチャライズドエッグを作れるか

サルモネラ菌などの病原菌は、57度(135°F)程度の低温を一定時間かけることで死滅することが分かっています。この温度では卵の黄身や白身が固まらず、いわゆる“生卵の食感”を残すことができるのです。これは、通常の茹で卵や温泉卵とは異なり、「生のまま安全性を高める」ための特殊なプロセスです。必ず自己責任のもと行なってください。

家庭でAnovaを使って自家製パスチャライズドエッグを作る場合、基本的な手順は以下の通りです。まず、卵の殻を流水でよく洗い、必要に応じて汚れを落とします。次に、Anovaなどのスーヴィッド機を57度(135°F)にセットし、十分に予熱します。

予熱が完了したら、殻付きのままの卵をそのままお湯に投入し、75分間維持します。このとき、卵が完全に沈むように専用のホルダーや重しを使うと、温度ムラができにくくなり失敗が少なくなります。

75分間の加熱が終わったら、卵をすぐに氷水または冷水に移して急冷しましょう。急冷することで、過剰な加熱による半熟化や変質を防ぐことができます。また、急冷は衛生管理の観点からも大切な工程です。冷やした後は、できるだけ早めに消費するのが理想です。

この家庭用低温殺菌法は、アメリカ農務省(USDA)や食品安全の専門家も一定の効果を認めており、商業用パスチャライズドエッグと同等レベルのサルモネラ菌リスク低減が見込めます。ただし、商業用製品と異なり、温度や時間の管理が完全でない場合や、卵自体の品質・鮮度によって安全性に差が出ることもあります。「100%完全な無菌」ではないことを念頭に、自己責任の範囲で活用してください。

また、作業中は卵の殻にヒビが入っていないか、十分に清潔であるかをよく確認しましょう。殻にヒビがある場合は、そこから雑菌が入りやすくなるため、その卵はパスチャライズ処理に使わないことをおすすめします。また、割った卵をすぐに使う、もしくはすぐ冷蔵することも大切です。

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まとめ

アメリカで生卵を食べるには、日本と比べてサルモネラ菌による食中毒リスクが高く、基本的に生食は推奨されていません。

しかし、どうしても卵かけご飯やすき焼きを楽しみたい場合は、「パスチャライズドエッグ(低温殺菌卵)」や、家庭で低温調理器(Anovaなど)を使った自家製パスチャライズドエッグが安全対策として有効です。安全を最優先に、必要に応じて加熱調理も活用しましょう。

料理・食べ物
この記事の著者
Kyoko Bartley

ニュージャージー在住。
幼少期からアメリカの映画やアニメーション、音楽に親しみ、大学ではアメリカ文化を専攻。留学・研究を経て2011年に渡米し、国際結婚、妊娠・出産、現地就職、住宅購入などを通して、外国人としてアメリカ社会で暮らすリアルを経験してきた。

2018年より、在米日本人向けアメリカ生活情報ブログ「なんだろなアメリカ」 を運営。教科書やガイドブックには載らない、実体験にもとづく生活情報や、文化の違いから生まれる「?」を「!」に変える視点を発信している。

また、プリンストンエリアを拠点に画家としても活動し、原画やグッズの制作・販売を行っている。

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