アメリカで子育てを始めてみると、日本との違いに驚くことがたくさんあります。そのひとつが「図書館」の存在です。多くの方にとって、図書館は「本を借りる場所」というイメージかもしれません。しかしアメリカの図書館は、地域の子育てを支える拠点として、乳幼児〜就学前の子供とその親に向けたイベントやサービスが非常に充実しています。
子どもがまだ小さいうちは、どうしても家に閉じこもりがち。そんな時、図書館は親子で気軽に足を運べる場所です。「知育」「英語環境」「地域とのつながり」が自然に得られ、お母さん自身の気分転換にもなります。
この記事では、実際にアメリカの図書館で乳児〜就学前の子供と過ごした経験をもとに、図書館イベントの活用法、メリット、図書館カードの作り方などを詳しくご紹介します。特に日本から来て間もないご家族、英語に自信のないママにも役立つ内容をまとめています。
アメリカの図書館は地域の子育て拠点
アメリカのほとんどの街や町には必ずといっていいほど「Public Library(公共図書館)」があります。多くの図書館は州や市町村によって運営されており、住民は無料で利用できます。特に子育て世代にとっては、単なる“本の貸し出し”を超えて、地域コミュニティの「居場所」「出会いの場」「子供の成長をサポートする場所」として大きな役割を担っています。
アメリカにおける図書館の歴史は、17世紀の植民地時代にさかのぼります。当時、教会などは地域住民の集会・教育・情報共有の場となり、日本の寺子屋のような役割を担っていました。18世紀には「社会図書館(Social Library)」と呼ばれる会員制の貸本組織が生まれ、やがて19世紀半ばには誰でも無料で利用できる公共図書館の概念が広がりました。とりわけフィランソロピー精神の高い実業家アンドリュー・カーネギーが全国に2,500館以上もの図書館を寄贈したことは有名です。
こうした背景から、アメリカの図書館は単に本を所蔵するだけでなく、地域住民の学びや交流、社会福祉の拠点として発展してきました。現在でも、図書館は英語教室や職探しサポート、無料の学習支援、子育てイベントなど人助けを目的としたさまざまなサービスを提供し続けています。時代が変わっても、図書館は地域コミュニティを支える重要な場所として、多くの人々に親しまれています。
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図書館は誰でもWelcomeな場所
アメリカの図書館の魅力は、「誰でも気軽に来ていい場所」であること。英語が苦手でも、赤ちゃん連れでも、途中で泣いてしまっても大丈夫。子供の図書室は赤ちゃんや小さな子供が多少騒いでも温かく見守ってくれる雰囲気です。
また、図書館には地域のボランティアやスタッフが常駐しており、利用者同士の交流も盛んです。子供同士が自然に遊び始めたり、お母さん同士で気軽に情報交換できたりと、親子で「孤立しない」場づくりがされています。
どんなイベントがある?実際の例を紹介
アメリカの図書館で開催されているイベントは多種多様です。特に乳児・幼児向けの「Storytime(ストーリータイム)」は、どの地域でも大人気。
ここでは主なイベントの実例をご紹介します。
ストーリータイム(読み聞かせ)
アメリカの図書館で定番のイベント。現地では「Baby Storytime」「Toddler Storytime」「Family Storytime」など年齢ごとに分かれている場合もあります。内容は図書館員やボランティアによる英語の絵本の読み聞かせ、手遊び、歌やダンスが中心。30〜40分程度で、親も子もリラックスして参加できます。
たとえばNJ州のある図書館では、
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赤ちゃん向けには「Lap Sit Storytime」(膝の上に座って一緒に参加)
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幼児向けには「Preschool Storytime」(少し長めの物語+アクティビティ)
など、週に数回開催されていることも。 -
英語ができなくても大丈夫。子供と一緒にリズムに乗ったり、体を動かすだけでも十分楽しめます。
クラフトや手遊び
読み聞かせの後や、独立したイベントとしてクラフト(工作)タイムも多く企画されています。これらは材料費もすべて図書館持ちで無料、またはごくわずかな参加費で気軽に参加できます。
サマーリーディングプログラム
夏休み期間には「サマーリーディングプログラム」という読書推進イベントが開催されます。子供が図書館で借りた本を読むたびに記録を付け、一定数読むと小さなプレゼントがもらえる仕組み。日本ではなかなか体験できないイベントで、長期休暇の過ごし方にもぴったりです。
スペシャルイベント(季節イベント、パペットショーなど)
ハロウィンやクリスマス、イースターなどの季節行事に合わせたスペシャルイベントも多数開催。パペットショーや音楽イベントなど、家族で楽しめるものばかりです。参加予約が必要な場合もあるので、地元の図書館のウェブサイトや掲示板をチェックしておくと良いでしょう。
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図書館カードの作り方と活用法
図書館カードの取得方法
ほとんどの図書館では、地元の住民であれば無料で「Library Card(図書館カード)」を作れます。
必要なのは
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身分証明書(パスポートや州IDなど)
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住所が確認できる書類(公共料金の請求書、銀行の明細など)
だけ。
受付カウンターで「I’d like to get a library card.」と伝えれば、簡単な申込用紙を記入して数分でカードが発行されます。
どんなサービスが受けられる?
図書館カードがあれば、
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紙の本、絵本、DVDなどの貸し出し
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館内の無料Wi-Fi利用
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パソコンやプリンターの利用
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おもちゃやゲームの貸し出し(図書館による)
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子供向けの学習スペースの利用
などが可能です。
最近では、電子書籍やオーディオブックの貸し出し(LibbyやHooplaなどのアプリを使ったデジタルサービス)も広がっており、自宅からでも多くの本を楽しめます。
電子書籍やオーディオブックも無料
英語の勉強を兼ねて親子で楽しめる絵本や、読み上げ機能付きの児童書もたくさん。日本語の本を所蔵している図書館もあり、希望すれば取り寄せてくれる場合もあります。
各州・都市の図書館事情
アメリカは州によって図書館の規模や内容が異なりますが、共通して子育て世代にも非常に手厚いのが特徴です。
ニュージャージー州(NJ)の場合
プリンストンやウエストウィンザー、エジソンなど日系家庭が多い地域には、大きな児童コーナーや日本語絵本を所蔵する図書館もあります。
スタッフの中に日本語を話せる方がいることもあり、初めての利用でも安心です。
NJは教育熱心な州としても知られ、図書館も地域コミュニティの中心として活発です。
ニューヨーク州(NY)の場合
ニューヨーク市の公共図書館(New York Public Library)は、分館も多く、マンハッタンだけでなく郊外にも多様なイベントを開催。
日本語の読み聞かせイベントや、日本の祝日にちなんだクラフト教室なども実施されていることがあります。
ウェブサイトでイベントカレンダーをこまめにチェックしてみましょう。
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大都市と郊外の違い
大都市はイベントやサービスの数が豊富、郊外はよりアットホームで「顔見知りができやすい」雰囲気です。
どちらでも親子で安心して楽しめる場所であることに変わりありません。
よくあるQ&A
英語が不安でも大丈夫?
まったく心配いりません。図書館スタッフは子供や外国人に慣れているため、親切に対応してくれます。イベントの流れや内容が分からなくても、周りを見ながら一緒に楽しむだけで大丈夫です。
「英語で話しかけられたら…」と緊張してしまう方も、まずは一度勇気を出して参加してみてください。ちなみに図書館では無料のESLレッスンやアメリカ国籍取得のセミナーなどもやっている場合があります。
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どんな服装やマナーが必要?
普段着でOKです。土足のまま館内に入りますが、派手すぎないカジュアルな服装なら問題ありません。ただ、日本と違って土足で歩いているところに赤ちゃんや子供を置いてハイハイさせたりするので、抵抗のある方はアルコール消毒のワイプやハンドサニタイザーなども持っていきましょう。
付き添いのきょうだいも参加できる?
基本的に年齢制限がなければ、きょうだいも一緒に参加できます。ベビーカーもそのまま館内に入れます。ただし混雑時やスペースが限られる場合は、参加人数を制限することもあるので事前に確認を。
おやつや飲み物は持ち込める?
イベント中の飲食は禁止されていることが多いですが、図書館ごとにルールが異なるので、最初はスタッフに聞いてみましょう。
実際に通って感じたメリット
アメリカの図書館に親子で通うと、想像以上に得られるメリットがあります。ここでは、実体験に基づくポイントをまとめます。
お母さん同士の交流・情報交換
アメリカでの子育ては、頼れる親戚も近くにいないという方も多いはず。
図書館のイベントは、お母さん同士が気軽に話しかけやすい空気があります。
同じ年齢の子を持つ保護者と知り合いになったり、地元のおすすめ情報を聞いたり。日本人が多い地域では日本人同士が出会うきっかけになることも珍しくありません。
生活費節約にもつながる
図書館のサービスはほとんど無料。
絵本やおもちゃを買う代わりに図書館で借りれば、家計にもやさしいです。
私の利用する図書館では借りるたびに「この本を買ったらいくらです!節約できましたね!」とレシートに印刷してくれます。
図書館の子供向けイベントに通った時の体験談
オハイオに住んでいた頃、週に一回図書館の赤ちゃん向けイベントに通いました。図書館は朝から晩までいろいろなイベントやレッスン・サークルを開催していて、公民館やカルチャークラブといった感じ。子供向けイベントは無料でした。
朝は赤ちゃんー就学前のお子さん向けのイベント、午後は学校から帰ってきた低学年、高校生・大学生向けの宿題タイムなどもあったようです。
夜は大人や高校生向けの読書クラブ、ゲームの会、プログラミング学習サークル、手芸の会などがありました。
週一回赤ちゃんとママのダンスタイムに参加
参加のための予約とかは一切必要なかったので、朝子供を連れて駆けつけていきなり参加する感じ。図書館には多機能ルームとかホールとかありますが、大きめのホールで赤ちゃんイベントは行われていましたねー。
毎回15人くらいのお母さんと赤ちゃん〜2歳くらいのお子さんが来てました。
まずは音楽をかけてダンス。図書館の司書さんはこういう仕事もこなすの?と最初はちょっとびっくりしました。
週によってマラカスでシャカシャカ、スカーフでふわふわ、リズムに合わせてボール遊びなど、アクティビティの内容が少しだけバリエーションを持たせていましたが、大体やることは同じでした。
ルーティンがある方がお子さんもなじみやすいから、毎回同じことをするプログラムはそれなりにいいと思いました。
音楽はアメリカの赤ちゃん〜幼児の童謡 マザーグースなどを毎回ヘビロテで流していました。当時の私にとってはほとんどがなじみがない歌でしたが、YouTubeでBaby Songsとか Kids Songsを検索すると大体マザーグース系がいちばん最初に出てくるので、アメリカでお子さんが生まれてから就学するまでの間に嫌でも知るんだな←と思い知りました。
ダンスが終わってからは読み聞かせです。その時の子供たちの反応によって1冊だったり、3冊だったり。人数が多い時や、反応が多くて子供達が活発に参加したい様子の時は司書さんは子供の相手もすごくしてくれました。
司書さんは読み聞かせ・子供の相手の技術もあるのかと仕事内容を考えながらただただありがたく眺めてました。
扱っていた本はエリック・カールや、ドクター・スースなんかが多かったです。
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大きくなってからは読み聞かせ・人形劇・映画鑑賞・STEMなど盛りだくさん
娘が2歳の時にニュージャージーに越しましたが、引き続きニュージャージーの図書館の子供向けイベントを利用しました。
知育を意識した読み聞かせ(2歳以上就学前まで)
2歳くらいになると読み聞かせの内容も、簡単な部分は一緒に発音したり、子供に参加させるポイントが増えてきました。意思疎通ができるようになってきた&お勉強開始です。
アルファベットだけの本、図形だけの本、色だけの本、動物の名前、鳴き声、などもお話の本の間に交えてちょっと「知育」に力入れ出した年齢だな、っていうのが感じられました。
夏休みなど休暇中のイベントは盛りだくさん
就学後(5歳くらいから)は特に長期休暇の時期は毎週大きなイベントがあり、これもありがたかったです。とにかく外に連れ出して体を動かしたり、刺激を与えないと退屈する&いろいろな能力面を観察する時期は、親以外の指導のもと違うことをいろいろやらせてみたかったので。
読み聞かせ、映画鑑賞会は毎週ありました。映画の方は、子供達は寝袋や毛布を持ってきて床に転がって見ていました。(朝や昼なんだけど)
春・夏休みは 隔週または月に1回程度の頻度でレゴ、塗り絵、お絵かき・図工、人形劇がありました。
また、夏休みには小学生を対象に、図書館の本を借りて読んで、ポイントを貯めて景品と交換するというイベントもやっていて、うちの娘はキンダーの時に2ヶ月で50冊くらい(薄いけど)読みました。こういうところに子供がモチベーションを持っていけるので、図書館とつながっているといいですね。
STEM系のイベントはちゃっかりスポンサーがいた
STEM系のイベントは、ミドルスクールやハイスクールの子供たちも参加していて幅がありました。こちらは日頃の勉強の成果や研究発表を図書館で行う感じの、サイエンスフェア。
小さい子供たちにはクイズ大会、ロボットやコーディングに触れて遊びながら疑問を持たせるのが目的のアクティビティがありました。
小さいロボットのブースはおもちゃメーカーが協賛しているらしく、図書館を巡って商品の営業をしてる感じで存在しました。ブースのおばちゃんが全然子供慣れしていなくて、むしろ子供に意地悪で←不満を持った子供たちと親に避けられていたのが印象的でした。
流行のSTEMの闇を見た気がしましたw
まとめ
はい、いかがでしたか?図書館は基本無料で使える、子育ての強い味方です。ぜひフルに活用して楽しい体験をたくさんしてくださいね。アメリカの図書館は「本を借りるだけの場所」ではなく、子育て家庭の大きな味方です。子供が小さいうちから地域に溶け込み、英語環境に慣れ、イベントに参加することで、新しい友達や情報も得られます。英語や文化の違いに不安がある方こそ、まずは図書館に足を運んでみてください。

