アメリカで体験した怖い話シリーズ5です。第5回目はニュージャージーで借りている(今は持ち家になった)コンドミニアムで起きた意外な落とし穴の水の事故。
嫌な方はスルーしてくださいませ!(ツイッターで載せた話に所々補充しています。)
快適だったコンドミニアムのアレが経年劣化して大惨事になった話です。
こんにちは、なんだろなアメリカにようこそ。キョウコ@NandaroAmericaです。
先日ツイッターで怖い話を連投したら好評だったので、こちらでも読めるように記事にしました。
読み物なので、いつもの記事とは違って、ぶっ続けで書いています。
以前アメリカの家屋のアレのメンテナンスには気をつけましょうという意図で同じ題材を書いたことがありました。こちらの記事です。
給湯器崩壊事件ノンストップ水漏れで天井から滝!ー家が水浸しー
アメリカ怖い話シリーズ
【アメリカ怖い話】出産にまつわる医療系の体験談ー対応・トラブル・請求ー
2017年の5月だったと思う。
娘は午前中プレスクールに行っていて、私は一人の時間を大事に仕事の絵を描こうと一階リビングの脇にある作業場に座った。 私の作業場の背後にはリビングと、続いて食卓がある感じ。
うちはコンドミニアム(タウンハウス)を借りてて、私はこのスタイルの住居がとっても気に入っている。 庭掃除、芝刈り、屋根、外壁のメンテ、なにもしなくていい。 共有の花壇にいつも花が咲いているし、散歩道や大きなプレイグラウンドやプール、テニスコートなどもある。
家は借りているので、大家さんが家の中の不具合は対応するのだけど、大家さんはとても成功している人で、我々が住んでから遠くに引っ越してしまい、ジャージーシティの方に住んでいる。遠い。マンハッタン勤務で。うちから車で1時間。 何かあっても急に駆けつけられない。
で、私は机で絵を描いておったんだ。
音楽をかけたりする余裕もなく(連載があって毎日が締め切り)午前中に終わらせようと集中して描いていた。 すると、何か音がする。 てっ… てっ… て…
なんだろうと思って耳をすますと、「てってって」は食卓の方から聞こえる。 最初何か虫か動物がいるのかと思い、テーブルの下などを見回るが何もない。 てってっては続く。
「てってって」は規則的だと気付いた。しかしなんなのかわからない。 ラップ音だったら規則的ではないだろうと思い、霊関係じゃないと思った。見たかんじでは虫でも動物でもない。
夫にメールして、「てってって」て聞こえるんだけどなんだろうというと、 夫もなんだろう、でおわり。 とりあえず絵の作業に戻った。
絵を描いている間も「てってって」は続く。 しかもなんかはっきり聞こえるようになってきた。
気のせいでなのか、私が神経質になってきているせいでなのか、わからない。「 てってって」は続き、イライラしてきた。 お昼を食べることにした。台所で冷蔵庫のものを温めて食卓に座った。
食卓に座ると「てってって」が相変わらず聞こえる。 しかし何もできないのでお昼を食べ、たまに耳をすます。まだ聞こえる。 食事を終えていつものように一応テーブルを拭く。
と、一滴の水がテーブルにあった。
今拭いたところなのに。
私は上を見た。
すると電気の傘から水が垂れたようだった。
なぜ電気の傘から水が垂れるのか。私にはわからなかった。
天井を見ると天井の色がちょっと濃くシミになっている…。
とりあえず夫に電話しながらボウルをテーブルに置いた。
「てってって」はボウルの音で反響して「てーん!てーん!てーーん!」になった。
夫に電話しながら二階のトイレ、風呂(2箇所)を見回るが、水漏れはしてないと伝える。
大家に大急ぎで動画を撮って連絡するも、全然緊迫性が通じない。多分忙しくて見ていないのかな。彼はおおらかな国の方なので、叫ぶくらいしないと多分通じない。
そうこうしている間に1階の「てってって」は量が増してきた。 夫は娘のお迎えに行って帰ってきてくれるとのこと。
「てってって」だった頻度が「つーーーーー」になった。 糸のように出っ放しである。
水はどこから来るのかわからないけど、私はボウル以外の大きなものを用意して、リビングの家具を全部どかした。特にこたつとカーペット。 この作業だけで時間がかかる。水を止める作業ができていないので大変焦る。
「つーーーーー」が 「じょーーーーーー」になった。 電気の傘から滴るんじゃなくて、お風呂の子供のおもちゃの水車くらい。
家具を動かし終わった私は外に出て生ゴミのゴミ箱(空だった)を家の中に入れて受け皿にしようと思ったが、実は底にヒビが入っていて無意味だった。
「じょーーーーー」になると、もう私は現場との対処で一杯で2階を見に行っている暇がなかった。
裸足になって、モップで外に水を押し出していた。軽い床上浸水状態である。 モップで玄関ドアから水を出しているのだが、多分通行人からしたら床掃除の仕方を間違えているおかしいアジア人にしか見えない。
「じょーーーーー」は「じゃーーーーーーー」になり、電気の傘から落ちる様子が、ホームディーポとかで売っている、家庭用の庭の滝と変わりない感じになった。 もう私は何をすればいいのかわからなかった。
そこに夫と娘が帰ってきた。娘は「まんまーーー!」と驚いて、夫も「オーノー!!!」とか言っていた。 オーノーどころではない。
夫は大家に再度電話して、すぐに来るように再度頼んだ。しかし大家には伝わらない。今夜までNYから出れないという。 何言ってんだと夫もビデオを送る。 すると、すぐに友達をよこすという。早くしてくれよ。
で、大家の友達が来た。
水の元栓を閉めようというので夫と二人でいろいろやっていたが、普通の住宅より複雑で、水のバルブがある押入れには、物がいっぱい入っていて難航。
バルブを閉めようとしている間にもどんどん水浸しになった。 私は娘と一緒に二階に避難。
で友達さんは多分給湯器だろうというので、見てもらった。うちはなぜか二階に給湯器がある。
設計した人を正座させて問い詰めたい。
なぜ給湯器が二階の真ん中にあるのか。地下がないので、せめて1階に置いて欲しかった。 給湯器、洗濯機、乾燥機が同じスペースに置いてある。 タウンハウスの恐怖。
午前中10時ごろに「てってって」が始まり、水が止まったのは結局夕方だった。みんなで掃除をして、床が元どおりになったが、疲れ果てている。
大家さんは8時ごろうちに来て、ピラッピラの布ぶきん5枚を進呈してくれた…相変わらず話が通じていねえ。 で、友人さんが「こんなんじゃ足りないぞ!」と怒った。
アメリカの給湯器はよくこういうことを起こすようで、絵描き仲間複数にも、「10年くらいで寿命だからその頃必ず水浸しになるもんだよ」ととんでもないことを聞かされた。
私は日本のように外に使う分だけ沸かす給湯器を置けばいいのに、と思うんだけど、寒冷地では多分無理なんだろう。
で、エキスパートは給湯器の下に受け皿と、水が貯まったら吸って排出するパイプを設置するんだって。 さらに最近は使う分だけ沸かす給湯器を中に設置できる機種もあるそうで。
当然、大家さんが買い替えた新しい給湯器はこういうものではない。受け皿もない。 この家は好きだけど、早く売りたい。
まとめ:
給湯器二階にある人は要注意!
給湯器買い替えは早めに8ー10年
給湯器の機種は考えよう
昔ながらの給湯器の下に必ず皿と排出ポンプを設置しよう
給湯器の経年劣化による崩壊はアメリカに住んでいると一生のうちに数回経験するらしい。
てってっては水漏れの音の可能性高し