英語の勉強法 翻訳・通訳の元プロが実践するCNNが理解できるようになる方法

私が個人主催するニュージャージー中部、プリンストン日本人会のコミュニティハウスの会場を使わせていただいて開催している「子育てサロン」第5回「蘆屋婦人さんの英語勉強の道具箱ーCNNがNHK並みにわかるようになるまで」のまとめです。

この回では長年の間プロの通訳、翻訳者として英語をツールに国際的にお仕事をされて来た蘆屋婦人さんの英語学習方法と日々の努力の仕方について貴重なレクチャーをいただきました。

たかが英語、されど英語

こんにちはー、なんだろなアメリカのキョウコ@NandaroAmericaです。

蘆屋婦人は私のご近所に住んでいらっしゃる、海外暮らしの大先輩です。若い頃から通訳、翻訳など英語を使ったお仕事のプロとして、主にジュネーブとマニラを舞台に、活躍されて来ました。

英語のプロでいらっしゃる蘆屋婦人さんには今回、大人の英語学習、そしてさらに子供を外国で育てる際の英語教育についてもお話しいただきました。

アメリカをはじめ、英語を使う国にお住いの方で、一体どんな努力をすれば英語の上達に繋がるんだろうと疑問に思っている方はぜひお読みください!

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海外に住んでいるからって勝手に英語ができるようになるわけではない

ツイッターなどでもよく言われていますが、「アメリカに住んでいるからといって英語はできるようにならない」です。

まあ、当たり前のことなんだけどね。

本人の語学習得の努力と、環境にものすごく依りますよね。ここをわからずに「アメリカに住んでいるんだから英語がペラペラであろう」っていうのは浅はか。

アメリカでも育児などで家で対話する人もなく勉強する時間もエネルギーもない状態ならば、外国語なんてなかなか身につきませんし、上達もしません。


 

英語は学習しないとできるようにはならない

どんな言語でもそうですが、まず大人になってからは意識して学習していかないと読み書き、話せるようにはなりません。

我々が母国語がさほど努力や苦労なくできていると感じているのは、生まれてからずっと使って来たから自然とできるようになっているだけで、母国語以外はバイリンガル環境で育たない限りは自らインプットとアウトプットの機会を作らないと使えるようにはなりませんね。(汗)

なので、英語の能力を上達・維持させるために継続して時間をとるということが大事な前提になってきますね。これは忙しい人には辛いところですが、努力って、まず時間を作るとか、隙間時間を工夫して活用するっていう部分が大きいので、いろいろと言い訳を作らずに頑張りたいものです。

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外国語は(ここでは英語)どう学習するか

私にとっての英語学習は、渡米前でも、渡米後英語が必要になってからでも、母国語ではないため使わなければ、読まなければすぐに能力が下がります。

そして高みを望めばさらに英語の学習はある意味終わりがありません。上を見たらきりがない。

ということで、英語をどう学習するかですが、蘆屋婦人さんの実践されている英語学習法を紹介します。

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30 Million Word Gap

蘆屋婦人さんのご紹介された「言葉の学習方法」の根底に、「子供の最初の3年間で約3千万語をお母さんが話しかけたかでその後のボキャブラリー構築に大きく差が出る(一生引きずる)」というものがあります。(詳しくは 30 million word gap でググってくださいね。)

これは子育てをしている側にとっては耳が痛いですが、毎日たくさん話しかけたり、とにかく人が会話をしている場面に子供を置いておくのと置かないのでは、のちのち基本的なボキャブラリーの量に差が出るということだそうです。幼児でさえそうなら、吸収力が劣っている大人学習者にはさらなる真実でしょうね。

ということで我々が外国語を学ぶ際、聞き取れなくても、意味がわからなくてもいいから、まずはとにかく量に継続して触れる環境を作ることがまずとても大事ということですね。

子供にとっても聞き流すだけで、とにかく触れさせることが大事なのと同様に、大人になってからでも、外国語取得の際にはとにかく量と時間を多く触れていないとなかなか難しいということです。

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語学とはブロック塀を作るようなイメージで

語学力を構築していくのは蘆屋婦人さんによると、ブロック塀を少しずつ作っていくような感じだそうです。具体的には、

  • 鉄支柱=文法(日本で英語で大学受験した人はすでにバッチリ。)
  • ブロック=単語(多ければ多い方がよい。)
  • セメント=経験・気持ち・対人関係・環境

地道な作業だけど、この3つをしっかりとやっていかない限り、上に高く横に長く、積んでいけないということ。納得ですね。


 

動画を見まくろう!

英語のリスニング、そして生きた言葉を学べる一番身近で手っ取り早い方法と言ったら動画。

ネットのおかげで様々なコンテンツが見られますので、どんどん使っていきましょう、以下お勧めを紹介します!

おすすめTV番組〜トークショー編〜

中でも師匠お勧めの番組はアメリカ文化とも言える、夜のトークショー番組です。

下にあげた3番組に共通のフォーマットは、始めの約15~30分の「Monologue 独白」で、その日に起こった出来事をおもしろおかしく、ひとり漫才風に、風刺します。最低限この部分だけでもお勧めです。

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Late Show With Stephen Colbert

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レイトショー・ウィズ・スティーブン・コルベアはCBSの大人気ナイトショー。コメディアンであるコルベアが、時事問題や政治家の話題などをウィットたっぷりにぶった切ったり、豪華ゲストと対談したりの充実した1時間番組です。

毎晩NYの9番街のスタジオでその日の深夜放送のために録画しています。

特にアメリカでの時事ニュースやポップカルチャーに追いついていないと話題自体がわからないものも多いので、なるべくニュースに敏感になっている必要はありますが、これがわかるようになったら大したもので、アメリカ暮らしの醍醐味とも言えるでしょう。

特にトランプのぶった切りが(アンチ・トランプにとっては)痛快です。大統領戦出馬を発表したばかりの政治家が(ほぼもれなく)出演するのが最近のお約束です。

チケットが購入できるはずですが、超困難らしいです。

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Late Night with Seth Meyers

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プロデューサー、脚本家、そしてコメディアンなどとして大活躍するセス・マイヤーズのナイトショー。こちらもコルベアの番組と似た感じで、豪華ゲストと対談。

こちらはNBCの看板番組で、ロックフェラーのスタジオ(マンハッタン)で収録されています。

こちらも下に紹介するジミーの公開収録も観覧のチケットを購入できますよ!

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The Tonight Show Starring Jimmy Fallon

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こちらもNBCの看板番組で、上のセス・マイヤーズと同じNBCビルの階違いのスタジオで収録。

コメディ要素が強いですが、ハリウッドの大スターや一流ミュージシャンがなどがゲストで登場。

現政権風刺度は上のふたつに比べマイルドですが、有名人とのゲームや、ミュージックショー的な部分が楽しいです。

今日のゲストは誰?と楽しみに毎回見ることができるのは、英語学習を本気で習慣化したい側からしても、とても励みになりますよね。こういういい番組はどんどん自分の生活の中に取り入れていきたいものです。


 

Saturday Night Live

SNL、だけで米人と話が通じるNBCの長寿番組「Saturday Night Live」もいちおしです。土曜日の深夜放送です。

え、ここまで言うの?やるの? アメリカの「表現の自由の権利」ってここまで懐が深いの?というくらい過激なSketch(寸劇)で有名です。

Alec Baldwin (アレック・ボールドウィン)扮するトランプ大統領や芸達者の脇役はアメリカ文化の一部で、毎週見逃せません。

SNLはテレビ番組ですが、この番組でブレイクした多くのコメディアンは映画にも出演したりと、スターダムへの登竜門にもなっている、とても歴史のある番組でもあります。

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実際の会話は難しい、けどそこを飛ばしたら身につかない

英語自体はネイティブ・スピーカーからしたら自然な速度、精神年齢相応のボキャブラリーですが、そこが非ネイティブ・スピーカーにとっては難しいところ。(そこのあなた!ネイティブ=原住民ですよ!ちゃんと英語を学びたいなら必ずスピーカーをつけてね。)

でも慣れていけば聞き取れる範囲も広がり、ボキャブラリー構築にも繋がりますので是非、トークショーや時事ネタは教材として頻繁に活用することをお勧めします。

ご自分の好きなスターが出てくる回は絶対チェックして、何度も見ましょう!まずは英語を好きになって、何を言っているのか知りたい!という目的意識を強くするのも成功の秘訣です。

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おすすめTV番組〜教養番組編〜

教養番組というと単語の難易度も高いだろうし、自分にはわかるんだろうか?と構えてしまうかもしれません。

アメリカではコンテンツのデジタル化は日本よりはるかに進んでいますし、様々なジャンルの番組、ドキュメンタリーを選ぶことができます。子供向けから専門家レベルまでいろいろあります。

さらに、映像の質、そして何より聞き取りやすいナレーション、わかりやすい解説が魅力。

まずは自分の興味のあるテーマの番組を検索して、自分が知りたい話題から食らいついていくのもモチベーションの向上にもなりますので、是非。

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PBSーNOVA(オンデマンド)

公式ホームページはこちら

PBSは日本でいうNHKのような局です。

NOVAはPBSが立ち上げたオンデマンド配信を目的とするコンテンツ。ホームページでは動画はもちろん見ることができますが、様々な記事も読むことができます。

実際にネイティブが書いた英語は、我々日本人が学校で教わって来たボキャブラリーとは違う範疇でのボキャブラリーで書かれていますので、「本当の」英語に慣れ親しむためには是非、英語圏内で発行された文章を読みましょう。

日本国内で決められた「教科書内」のボキャブラリーは実際アメリカでは使い方が違ったり、時代遅れだったりなどが多々感じられますのでそういったギャップを払拭するにはもってこいです。

特にPBSのSesame Street についての蘆屋さんの経験を伺いました

1988年にアメリカに移住(その数年後に欧州に引っ越し)した時は「大統領の年頭一般教書」は95%くらい理解できたが、子供関連ボキャが絶対的に足りなかった。その後生まれた息子と一緒に見た Sesame Streetがどれだけ日常会話向上に役にたったことか。

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TED

TEDは日本でもよく知られていると思いますが、留学生はともかく、アメリカでも、大学進学を考えるような年齢になったら皆さんよく見る動画です。

私もこちらの学校ではとにかく毎日見ろ、と口すっぱく言われました!

公式サイトはこちら

内容は、様々な分野の第一人者がプレゼンテーションをする、というものです。

それだけ?!と思われるかもしれませんが、アメリカでは小さな頃からこういった人前でのプレゼンの訓練を受けて育つので、多くのプロフェッショナルが堂々と、理路整然と、自分の意見をスピーチすることができるんですよね。

堂々としていて、スラスラ話しているし、緊張してない演者はすごいですね。私も見習いたい。そして何より観客に理解してもらえるよう、感情を込めて話したりと、余裕がすごいです。紙読んでない。

プレゼンのスキル=上に行くほど必要不可欠という構図がありますので、アメリカってお受験とかは日本ほど大変ではないけれど、自己研鑽という部分ではかなり努力をしていると思います。

これは日本で育つとなかなか身についていないスキルですので、大学や会社でのプレゼンの際に是非彼らのメソッドを盗みましょう。(笑)

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CNN

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CNNは言わずと知れたニュースサイトですが、最近はインターネットでは短いクリップで見ることもできます。

短い動画は何度も繰り返して聞いたり、ディクテーションの教材にするのにも最適。

30秒、1分、と言ったニュース素材から始めて、慣れたら長い動画も聞くようにしたらリスニング力もアップします。

動画はケーブルのボックスで録画するのがオススメ

ご紹介したトークショー番組は主に深夜、そしてCNNなどの番組は一日中やっています。

ケーブルテレビで見る場合、そんな深夜に付き合いきれないよ、という方はTVの予約録画(一度予約すると解除するまで永遠に自動録画する)の設定がお勧めです。

放送の翌朝の朝食時にご夫婦で大笑い、が蘆屋一家の朝のルーティンだそうです。(夫婦の会話不足の最適レシピ。)


 

リスニングに役立つラジオやマテリアル紹介

動画を見ている暇がない方はリスニングで攻略するのがお勧め。

通勤、通学、寝る前、作業中などなど、動画を見るよりも自由度が高いリスニングの時間も積極的に増やしたいですね。

ラジオやリスニング向きのサービスを紹介していきます。

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NPR

公式サイトはこちら

National Public Radio 日本でいうNHKのラジオのような感じ。きちんとしたニュース、特に政治や時事問題が得意な局です。車のラジオでも聞けるし、スマフォのアプリでも、パソコンでも聞けます。

アメリカ中に傘下の地方放送局を抱えています。Tristate(NY, NJ, CT)のリスナーには、マンハッタンのWNYC局  がお勧めです。https://www.wnyc.org/

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Audible

公式サイトはこちら

Amazonのアカウントで使える、オーディオブックのウェブサイト。会員制ですが、最初の1ヶ月は無料で使えるので、これは自分に合わない、と思ったらお試し期間に解約するのが賢いです。月額$15。

これで1クレジット(=ほとんどの本)がゲットできます。

長所はいろいろなデバイスで再生可能、作者、または著名人の朗読。

ジムで運動中、通勤中など日本は読めないけれど時間はある、と言った際に重宝します。蘆屋婦人は地元の読書会の会員で、毎月一作(300~500ページ)をAudibleでこなしているそうです。(英語で討論ができるようになったら、どこの図書館にもあるBook Clubに参加するのもいいですね。)

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Hoopla

公式サイトはこちら

アメリカの公立図書館のカードを持っている方なら、その図書館カードとリンクさせて使えるダウンロードシステム。

無料でオーディオブック、E -Book、音楽などをダウンロードすることができます。

私もダウンロードしてみました!本は広範囲で選ぶことができますし、音楽、映画はセレクションは(数は多いです)限定的ではありますが、一月に何点まで、という感じでスマフォなどにダウンロードすることも、AppleTVなどにダウンロードすることもできました。

お使いの図書館のポリシーによってセレクションの大きさや貸出限度数は異なるかもしれません。

ただいつも持ち歩くスマフォに本や音声、音楽、映画をダウンロードしておけるのはすごくいいと思うのでオススメです。


動画、リスニングをする際のコツを紹介!

ヒント

  • かならずClosed caption (CC。原語での字幕)を設定し、発語を視覚化する。
  • 録画するなり、分からないところでストップして巻き戻どせる環境にする。
  • メモ用紙とペンを友に。

動画を見る時のコツ:CC(クローズド・キャプション)を使おう

YouTubeでも、その他の動画サイトでも、字幕を表示させることができます。

相当慣れるまでは字幕は常にオンで、知らなかった単語もビジュアル的に覚えてしまうようにすれば一石二鳥です。

字幕をオンにするというのは、こちらの子供達にも良いと言われています。識字能力が高まるし、聞き取れなかった部分は文字で賄うというサポートにもなりますね。

クローズド・キャプションはもともと耳が聞こえない方のためのサービスではありましたが、我々語学学習者にとっても大変有益なシステムですね!

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知らない単語はメモを取ろう

番組やリスニング教材を聞いている間に、知らない単語がバンバン出てくるかと思います。

そんな時は一旦動画を止めて是非手書きでメモを残しましょう。そして後で調べる!

自分の手でメモを取るということは一度その単語を書く、問うことですから、スペリングの取得にもなりますし、「知らなかった単語帳」を作れることにもなります。

是非白紙のノートを一冊手元にいつも置いておくことをお勧めします。

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反復する

インターネットでの動画なら何度も反復して見ることはできますし、またケーブルテレビならボックスに録画した番組なら何度も見ることができますね。

「今なんて言ったの?」というフレーズに遭遇したら、そのフレーズがわかるまで、CCや辞書を駆使しながら発話者の言ったことを自力で理解できるまで粘るのはとっても大事。

そこまで頑張ると逆に忘れづらいので、頑張ったなりの価値はやっぱりあるんだよね。

聞く、調べる、繰り返すは英語上達のためには面倒でも避けないこと

つまり、聴いていて「ん?今なんて言った?」とか「単語は聞き取れたけど意味がイマイチ…」の瞬間があったら、止める⇨巻き戻す⇨再度聴く⇨ 新しい単語や言い回しがあったらメモる⇨ 番組ごと、または每日、そのメモに書かれた事項をオンライン辞書で調べる⇨ 頭に叩き込む。忘れることを畏れずに。

忘れりゃ、もう一度、二度、三度 、調べりゃいい。

今日の英語

Saturday Night Live (SNL)=サタデーナイトライブ
network=(テレビ局などの)系列局
show=番組
cable=ケーブルテレビ
closed caption (CC)=クローズドキャプション
subtitles=字幕
starring=出演(目玉として)
host=司会
guest=ゲスト出演者

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まとめ

長年翻訳・通訳のプロとして世界中で活躍されてこられた蘆屋婦人さんは、毎日英語の知識を高めるために以上のことをされています。

実年齢から言えばりっぱなご老人なのに、以上のことに加え、ニューヨークタイムスの社説と記事を読むことを、日課にされています。英語の勉強自体が目的でなく、ここではそれに「モレナク付いてくる」生活の質の向上のためだそうです。

知識と情報は力で、この力が足りないと高質の生活/人生は楽しめないのではないか、と頑張っているのだそうです。

私は現在英語の勉強に関しての努力はほとんどできていないのですが、これを機会に少しづつでも英語勉強を復活させたいと思いました。

番組視聴やリスニングなどはハードルが低く、楽しく学習を進められるのが魅力。皆さんもこの記事で挙げたおすすめの英語学習法を是非生かして、楽しく継続して英語力アップにお役立てください!

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