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アメリカ大学留学 アカデミックライティングの書き方習得が目から鱗だった話

留学

アメリカに留学していちばん良かったことの一つに、アカデミックライティングのルーブリックを叩き込まれたことがあります。

日本ではなかなか習わないリサーチペーパーや論文の書き方にも通ずるライティング構成の方法や組み立てはアメリカでは低学年からガッチリと教育を受けるようです。留学中に習った一生物のスキルとなりました。バイリンガル教育や米国留学を考えてる人のお役に立てば。

アメリカ留学中のアカデミックライティングの書き方の習得で目から鱗!

こんにちはー。ライターのキョウコ@NandaroAmericaでーす。

アメリカで留学して、語学学校で「これをやらないと大学の課題などで困るから」と何度もしつこくルーブリックに則って構成して書くように指導を受けた、アカデミックライティング。

ルーブリックというのは、数種類あるのですが、だいたいは

「ステートメント(自分の意見の立ち位置)」

「理由1、2、3、」

「まとめ・結論」

みたいな感じで収まるのですが、日本でそれを教わっていなかった私はアメリカの教育はシステマティックでいいなあと感じました。これだけ。楽。

書くルールは全く難しいものでなく、日頃の課題をこなしていけばすんなり身につくのですが、これを知っているとその後のレポートやリサーチペーパー、さらに就職後の企画書や様々な文書も行けるので、知っているのと知らないのでは大違いです。

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英語学習はアカデミックライティングになるといきなりハードルが上がる件

キョウコ:私が大学のとき思ったけど、アカデミックライティングにはやっぱりアメリカの文化が滲み出ていると感じた。

夫:そう?

キョウコ:留学中気づいたけれど、アメリカでは小学校から「ライティングの雛形」を教わるみたいね。わたしのESLのコースはアカデミック向けだったので、3ヶ月バッチリライティングの形を叩き込まれた。多分アメリカの子供の3年生から高校生をおさらいする感じの内容。

夫:3年生w

キョウコ:雛形に沿って書くと言うテクニックは、学年が増して、高度なことを論じようとする際、「西洋的」な「論理性重視の展開」「個人の主張のポイント」「順序立ててシンプルに」って言う、「意見を相手に伝える」技術が詰まってると感じた。

これはさすが論理的思考重視、ファクト重視、ディベートの訓練のあるアメリカ教育の最たる特徴で目から鱗だったわ。




日本では日本語でも論文の書き方を習わない件

夫:日本では日本語のライティングは学校で習わないの?

キョウコ:アカデミックライティングに通ずるものは小学校ではやらないと思う。私の頃は高校から小論文という科目が選択であったけれど、できたばかりだったし、先生はいないしで、大したことはやらなかった。

小学校の国語の時間は語彙、諺、漢字、読解力、そして風情に関するニュアンス的、空気読む的なことが多い。

LA(Learning Arts)を細分化した中学校以上での現代文という教科は、まず何が「現代」なのかというと、戦前に使われていた日本語と比較して、のこと。やっている内容が近代化したとかグローバル化したという意味では一切ない。

夫:現代日本語と過去の日本語があるの?

キョウコ:そう。戦後、戦前、近代、古文、その前、いろいろあるけれど生活で使われているのは現代語。「国語」という呼び方も、国内の日本語教育ではあえて「日本語」と呼ばないのも注目してほしい。日本国内での日本語の位置付けは「公用語」以上に、土地と歴史が1セットになって揺るぎなくなっている、言語帝国主義みたいな背景がうかがえる。

夫:古い国だからね。

キョウコ:中学以上の「現代文」の科目に戻って、これはプルーフリーディングと漢字、有名文学の知識を詰め込む感じであって、アカデミアへの実践に繋がる部分はプルーフリーディングの部分だけかもしれない。私の個人的感想なんだけど、著名な文学作品とかをプルーフリーディングの目的に試験問題にするのはよくわからない。

夫:ふーん。

キョウコ:小学校からの「国語」で扱う内容はわびさび的なセンスと雰囲気を扱ったものだったのに、「現代文」の試験はそのようなセンス的な主観は一切いらなくなるので、学生さんは混乱する場合もあると思う。

ちなみに、現代文は日本で育った日本人ならコツを掴めばセンター試験で満点は簡単に取れるので、一番簡単な教科じゃないかと思う。あまり大したことは聞かれない、センター試験。



アメリカでの課題やライティングの試験では雛形に従って書けばいい

夫:アメリカの場合は基本的にライティングのルーブリックに従って書けば構成は整うから便利だと思う。テクニックのみだから。

キョウコ:私もそう思うよ。最初数回練習して覚えれば、あとはとても楽になるので、アメリカのやり方はとてもスッキリしていると思う。これを小学校で叩き込むのはいい習慣。

夫:アメリカのやり方が世界標準であるべき必要性は全くないのだけれど、日本では日本流の論文の書き方をやらないの?

キョウコ:論文を書く必要に迫られるのが多くの場合大学でなので、大学でやる場合が多い。高校までのリサーチペーパーも、しっかりした教育を受けるならば構成を論理立てて書く必要があって、指導されるだろうけれど、一般的ではない。

アメリカと比べて遅いね。論文の書き方は細部は学部で異なるけれど、最初にステートメント、Fact 1, 2, 3, 最後は証明とまとめ、という大まかな構成要素はなぜか大学の宿題でも求めてくる先生が少ない。

夫:じゃあアメリカに留学しにくる大学生はアメリカでは基本的にそういうルーブリックに沿って書いていくというルールを知らないで入学してくるの?

キョウコ:日本の標準的な高校までを卒業した人はおそらく知らないと思う。大学や大学院で英語の文献をいくつ以上参考文献に入れなければ論文は受け付けてもらえない、というタスクがあった人は論文の構成はだいたいこうだ、とわかっているはずなので、自然とそれに倣って書けていると思う。




アメリカと日本の作文に対する教育の違いが浮き彫り

夫:日本の作文(ライティング)ってどんななの?

キョウコ:小学低学年から読書感想文とか絵日記とかから始まり、まず文章になっているか、字を間違えていないか、習った漢字は使っているか、丁寧な文字を書けているか、字数は足りているか、が小学校終わりまでの重要ポイントだった。

日本独特だと感じるのが、先生による主観的な訂正を求められる場合もある。私の場合、それは何の役に立つの?って疑問に思っていた。アメリカと違って、オリジナリティを求めたり、個人の意見の尊重に対する根底の意識が違うから、先生のサジェスチョンしてくることが「常識的で無難だから、読まれる際に印象がいいですよ」ということなのかもしれない。

夫:先生は企業でのEditorみたいな。(笑)




日本の小論文は比較的新しい科目

キョウコ:私の場合だけど、小、中、高と当然「作文」はあった。でも「雛形」はみっちりはやらなかった。言われたのは「起承転結」くらい。高校生になってから大学受験に「小論文」が加わるとかで1990年代半ばごろに初めて学校も対応し始めた。教科書などはなかったし、カリキュラムがその頃は確立していなかった。

ババ:ふーん。

キョウコ:なので「こう言うルールに従って自分の考えを時間内にまとめて書きあげろ」って言うアメリカのライティングの試験の迫力には及ばないね。アメリカのこのやり方は記事の大量生産、考えのまとめ方の訓練そのものですごくよかった。日本ではそういう「訓練」は受けなかった。

ババ:それは驚き。

キョウコ:論文ではなくちょっとした作文の際に「起承転結」に則ることは重視されるので、小学校低学年から、作文はだいたい4部に分けましょうと言われる。どちらかというと物語的なものを狙っている印象。

アメリカの小学校でやるライティングのルーブリックが追求している「論文」に通ずる「論証」「ファクトの整理」「アイデア」「ステートメント(Pro or Con)」は一切求められていない場合が多い。

なので、アメリカにはアメリカのやり方、また世界には世界標準の(アメリカのやり方と同じ)論文の構成の方法があることに気づくのは、さっきも言ったけれど多くの場合高校生後半から大学生にかけてだと思う。

夫:そう。




米国のライティングは個性・オリジナリティ・ユニークさを表していい

キョウコ:文化的背景も大きいと思う。アメリカは「あなたの意見は?」「あなたのオリジナリティは?」「何がこう導いたのか」を求められる。常に、常に求められ、他人との完全なる同調はクラスルームではもはやパクリ・盗用と同じ印象を持たれるから皆避けている。

意見やオリジナリティ、クリエイティビティは小さい時から繰り返し褒められる。文章を書く際、先生に主張する際も反射的に自分のオリジナリティを見せよう、って育つよね。

日本は真逆。常に常識的で無難な意見、行為が求められ、期待される。なので、わざわざ他人との意見の差異をアピールしたり、どうやってその異なる意見にたどり着いたかの主張、証明、正当性には教育者側は興味はないと思う。

こういう感じの社会なので日本で義務教育をフルで受けると「なぜ論証をする技術が必要なのか」は意識しなくなる。もともと突飛なことを言おうという前提があまりないから。




IELTSなどの筆記試験対策、更に社会人でも役立つアメリカ流のライティングスキル

キョウコ:だからアメリカに来てすぐ「留学生として」ライティングのテンプレのバリエーションを片っ端から叩き込まれたのはすごく良かった、学費の元が取れたと思ったわ。

整理の仕方も身につくので、難しいことでも書くことが楽になるしね。そして、自分の立場の意見を主張しなきゃいけないときはいろんな切り口を使って口八丁手八丁と言う度胸も座ったわ。

夫:アメリカでのライティングの雛形を知れて良かったね。職に就いてからも企画書やレポート、プレゼンとかで役立つとも思う。

キョウコ:IELTSなんかはライティング重視。IELTSのライティングは人間が採点してるから、25分間程度であの作文を一発で2本も書くのに、アメリカの学校で習うライティングルーブリックとスキルは役に立った。

IELTSやGREなど留学の試験やライティングを含んだ検定試験をこれから受ける人は、まずこの知識を得てから、演習の数をこなしていくのが近道だと思う。

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