この記事はアメリカに来た日本人が、アメリカの求人ウェブサイトIndeedや日系のフリーペーパー、新聞などで求人情報を検索、検討するときの注意喚起です。
米国で日本語を使おうとして就職活動をする際に注意すべきこと、そしてお金を稼ぎたくてもこれは妥協してはいけない!などをツイッターでいただいたご意見とともに、私の感想を交えてお伝えします。
アメリカで日系企業の求人を検討する際気をつけたいこと!
はいみなさんこんにちは〜なんだろなアメリカのキョウコ@NandaroAmericaです。
米国に住むことになった理由は人それぞれ、十人十色だと思いますが、実際にアメリカに来てから仕事をしたいと思うようになり、就活をする、仕事に実際就く、というのはかなりのハードモードです。
私は夫と結婚してからグリーンカード取得し、アメリカ国内でも合法で働けるようになりました。もう取得してから7年になりますが、求人サイトなどを利用したことは結構あります。
今回は在米日本人にありがちな「仕事したい」シチュエーション、そして「こんな仕事ならできそう」な業種の傾向、プラス、私の想いの丈の注意喚起、アメリカでの現地採用の求人情報から読み取れる闇もお伝えします。
アメリカでのお仕事に関連する記事はこんなのがあります
翻訳・通訳の元プロが伝授する英語の勉強法 CNNがNHK並に理解できるようになるまで
アメリカに移住したその後の悩みをいろいろ紹介 文化・お金・親の老後
なんだろなアメリカ管理人の自己紹介
アメリカに住んでいる日本人の状況をまず考える
*駐在組とか永住組とかありますが、私はバイアスで分けるつもりはないのでどうぞご理解ください。
アメリカに住むことになった日本人の方は、主に
- 伴侶・親のお仕事で帯同
- アメリカにお仕事をすでに見つけ、移住
- 留学
- 留学後お仕事を見つけてそのまま移住
- 国際結婚でアメリカにお引越し
などが多いパターンかと思います。読者の皆さんはどれにあてはまりますか?私は留学後国際結婚、という感じ。
アメリカでお仕事を探すということは!結構大変なんだよ!
さらにアメリカでお仕事をしようと就職活動をされる場合、当然ながら、日本でされていたお仕事をすでにやめている状態だったり、これから辞めることになる状態だと思います。
これがかなり「これからもバリバリキャリアを作っていける方」と、「かなり無理ゲーでダウンサイジングを余儀なくされる方」の二極に分かれるのではないかと私は睨んでいます!
前者は売れるスキルと経歴がある方!後者はそれがない方か、なんらかの理由で事項となってしまったケースですな!(私ですよ!)
私の場合ゼロからスタートなアメリカでのキャリア作り!
私の場合、もちろんアメリカでの就活は「無理ゲー」に感じる方なんですけども、理由は「自分の語学力」による「ダウンサイジングスタート」を強いられる構図だからです。
なぜかというと、
- アメリカでの学位がない(留学で来たけど途中で学業やめたから!)
- 英語が不完全な分、日本でやっていた仕事と同じクオリティの仕事に就くには腰が引ける
- アメリカでの就労の経験がない、または少ないので今までの日本でのキャリアの延長線上に引き継がれない
- 留学&結婚&妊娠出産育児による就労が空白の期間がある
こんな要素が色々足を引っ張っているのですが、アメリカ人と結婚された日本人奥様に結構ありそうなシチュエーションではないかと思います。
みなさんどうです?
うちの夫の上司の一言が私を炎上させた
私の夫はアメリカ人で、現在NJ州の大元は日本の企業、のアメリカの法人で働いています。上司は日本から来ている方です。
今度別の記事で「日系現地採用で働くアメリカ人旦那の奇妙なお給料のお話」も紹介しますので、お楽しみに…。
今うちは大変貧しい
さて、会社の業績は上がっているらしいのに、なぜかこの2年半、「昇給」とか「ボーナス」とかの言葉が全くご登場遊ばせられませんで、子供がいる親としては私も夫も毎日あの名曲「貧窮問答歌」を歌いながら、
- 削るならば食費だ
- 習い事をさせるなら食費を$100は浮かせないとどうにもならない
- 子供の身の回り品を揃えるのもかなり辛い
- もし病院で高い検査でもしたら赤字、立ち直るのに数ヶ月かかる
- 貯蓄ができない
- 医療費怖い怖い
- 老後怖い怖い
- 教育費怖い怖い
という状況の元、子供には十分な食事を与えられるよう最優先で行動し、学校からの度重なる寄付のお願いに耐え、計算づくめで張り詰めた生活をしているのに、
最近上司が「日本語学校に行かせたら?」などおっしゃる。
上司が部下の収入と世間の物価を全く把握していない(?)
この発言は私に対してすごいパワーを持っていまして、
- 「娘の学校の$2のお弁当代が云々」
- 「夫は毎日お弁当を持っていくので体調悪くてもほぼ怠ることなく自炊」
- 八百屋で買った玉ねぎが一つカビてただけでかなりの心的ショック
- 「食べる量減らしたら大人はダイエットになるね」とかさ地蔵の爺婆夫婦みたいな健気な会話
と戦々恐々と、それでも子供を必死に守って生活している我々にとって
「パンがない?じゃあワッパーにフォアグラでも挟んで3個でも4個でも食べればいいじゃない。」
みたいなマリーアントワネットさんも驚くであろうレベルで、身近な人であるゆえ、訴訟社会のくせに、言葉の暴力のようなものを感じました。
なにこれ、パワハラ?いやみ?それとも本気で言ってるの?
私その場にいなかったから真意は知らないけど、よく夫ちゃぶ台をひっくり返さなかったな。
上司は夫の給料の低さと、彼が所帯持ちであることと、ものすごいカツカツの状態で、夫自身も土日がないほど忙しく、有給が取りづらい環境、昇給もボーナスもないことが分かっているんだろうか。
わかっていなかったら会社の人間として問題。
わかって言っているんだったら人間として問題。
なんという職場なの、夫の日系企業。
私はとにかく大激怒です。
私はさらに自分の仕事を探すことにした(Round2)
そういうことでして、私はブログの他にすでに家庭教師やイラストレーターをしているのですが、さらに「定職」のお仕事を見つけようと、色々ネットで求人情報を最近眺めていました。
私は負けない。
絵もいっぱい書いて夫の収入超えて、夫の手取りはすべて401Kに回して、夫の会社には夫の納めた額と同様納めてもらう、チャイルドケアなどの補助の打診は恐れずバンバンさせてもらう(会社の負担が増えるね!)のが夢。
最悪、夫には医療保険と生命保険と401Kだけがっつり持っててもらえればもういいわ。
日系の求人の給料がめちゃめちゃ低い件
ということで、2年前に激しい就活をした際に利用していたIndeedやMonsterの扉を最近開けっ放しにし、さらにGoogle の求人サーチ結果も自動で入ってくるようにしました。
ちなみに、私は2年前フルタイムのアメリカの企業に受かりましたがブラックでして、クビになったというトラウマからまだ立ち直れていません。
ちなみに激労働・激仕事量・時給$17の専門職と言う地獄を歩いた上に勝手に理由をつけられてクビでした。なのでかなり慎重になっております。
アメリカで求人検索大手サイトと言ったら
こんなところがまず皆さん使われてる無料のところ。
あとはLinkedinなのですが、そっちははるかに検索結果が有益すぎて今回のお話とそれるので触れません。
Indeedで日本人がよく打ちそうなキーワードで検索してみた
なので、仕事を探す際に私の現在の能力で確実にできそうなことをキーワードに盛り込むわけですが、皆さん御察しの通り、必然的に、
“Japanese”, “Job”
というキーワードが入ります。
はい、日本語を使えたらちょっと優遇されるんじゃないか、日本語を使うことが売りになるんじゃないかという浅はかな下心があります。
アメリカの企業に英語だけでの仕事を探すよりは、やはり業務内容に何割かは日本語が使える部分があったほうが気が楽ということがあります。
Japanese, Job で検索してね
ということで、早速NY州で検索します。はい、ニューヨークシティです。
泣く子も黙る物価の高いNYC。物価が高いということは世界でも最高峰に入る平均収入の高さなはずですので、お給料も生活費の高さと比例してそれなりに高いと予想します。(笑)
ニューヨークの日系企業の事務職たまに32000とか(フル)あって、完全に貧困まっしぐらじゃんと応募できないでいる。
もし社風が残業当たり前子供の存在無視みたいなのだったら怖くてそんなとこ行けない。
NYCだったら最低大卒は70000、交通費補助、その他ベネフィット全部ないと無理じゃない?
— 🎨キョウコ🇺🇸なんだろなアメリカ&絵描き👩🎨 (@NandaroAmerica) 2019年6月13日
検索するたびにあんまりにも低い年収を掲げている日系の企業の求人が目立ちます。
何度も目にするたびに「この価格が適正なわけがない、いや、普通なのか?」という感覚に苛まれたのでツイッターで自分の正当性を確かめるべく、つぶやいてみました。
かなりの反応をいただき、やっぱり皆さんそりゃ低いと感じるよなと、自信を取り戻しました(笑)。
驚くほど低いんでびっくり。
日本語ネイティブの語学力は売りにできるか、できないか
これを見て欲しいんですが、バイリンガルということが売りにできるはずなのに時給$16…
私がNJのアメリカ企業(後でブラックと発覚)もこんな感じでした。そこは日本語は関係なくてデザイナー職だったんだけど、移民ホイホイでした。
詳しくはわしのこの体験談記事をばhttps://t.co/jSMdycm1Xi pic.twitter.com/d4bqJz8aXY
— 🎨キョウコ🇺🇸なんだろなアメリカ&絵描き👩🎨 (@NandaroAmerica) 2019年6月14日
時給が$16です。二か国語以上使う仕事内容なのにこの額はなんだろうかと感じました。
日系の会社の事務で、経験者であれば比較的簡単にできる職務内容かもしれませんが、時給$16はちょっとマンハッタン勤務でありえないです。
時給$16はフルタイム正社員ではありえない
勤務地の通勤圏には私の住んでいる場所も含まれますが、これではNJでも生活ができませんねえ。
そもそもこの額の求人は世帯主(大黒柱)の稼ぐ額ではない。
ということで奥様やシングルさん向け求人なのかもしれませんが、勤務時間もお母さん向けではないですし。お子さんのいない奥様か子育てを終了された方向けなのかと予測。
でも、求人は日系企業なんですよね。謎じゃないですか?
ビザ奴隷現地採用の闇!
こんな情報もいただきました。大変勉強になります。
ビザ奴隷を餌食にする海外日系企業の現地採用の闇です。私も以前NYで苦労しましたが、周りには2万ドル台も居ました。
それでも働きたい人が手を挙げてしまうから、安売合戦の無限ループ。 https://t.co/rIniXsurGx— 選択のすゝめ 🇺🇸現地法人責任者 (@sentakunosusume) 2019年6月14日
ビザ奴隷。わかりすぎる。
駐在さんの奥さんは労働が禁止されているとかよくある話として聞きますが、禁止されてない勤め先の旦那さんが十分家族を扶養できている前提で、奥さんの仕事ならこんな感じとか、そんな軽視した感覚で設定価格が低いんでしょうかね。
十分扶養できていたら働こうとしないわ、ボケ!
日本からの駐在さんとアメリカ現地採用日本人の差別化対応の表れ(涙)
日本から送られてくる駐在さんって、みんなの憧れの的のような収入と会社からの補助があ流場合が多いですよね。
なのに、なぜアメリカで現地採用は同じ業務、または英語が現地採用の方ができるのに(日本語レベルは同じだとして)こんなにも差がつかなきゃいけないのでしょうか。
永住の自己責任、ハードモードさはここでも発揮されておりますねー。
早く金持ちになりたーい!!(妖怪人間)
私最近むしろ妖怪になりつつありますからね。
もっと見ていくとさらに怪しい求人も発見!
ニューヨーク州で時給$10って合法???翻訳でこの金額ありえなくない? pic.twitter.com/Qsg9Y2QIW7
— 🎨キョウコ🇺🇸なんだろなアメリカ&絵描き👩🎨 (@NandaroAmerica) 2019年6月14日
ニューヨーク州、ニューヨークシティでは最低賃金は1時間$15です。数年前話題になり、他の州にも広がっていますよね。
なのにこの企業は時給$10とか堂々と掲示しているあたり闇です。皆さん、オンラインの求人情報を見る際は 気をつけましょう。
さらにmbさんが大変大事な情報を添付して教えてくださいました。
— mb (時々MIA) (@ExileinBeanTown) 2019年6月14日
ニューヨーク州の最低賃金表。これ大事。
皆さんも仕事を探す場合はパートでもフルタイムでも、必ずお住いの州の最低賃金を理解してから検索しましょう!
アメリカ全州の最低賃金2019年版について触れているPBSの記事はこちら。
The minimum wage is increasing in these 21 states
無料の求人検索サイトでは慎重に!!
ちなみに私が職安に行った際は、州の職員の方がおっしゃるには、
「ネットやチラシの求人で有効と思えるものは全体の2割以下。きちんと自分のスキルやキャリアを生かしたいと考える場合は一番は人のつて、知人に紹介してもらう、そしてLinkedinが一番いい方法」
とのことでした。
無料で求人を載せられるサイトは、仕事を探す側からしたら膨大な情報量の中から自分のスキルを活かせる仕事を絞ってぴったりないいものを見つけられるかもという妄想を抱きがちですが、実はそうでもなくて、大量のデータベースの中からあまり人が拾わないものを漁っているだけ、という場合にも陥る可能性があることを知っておくべきですね。
はい、いいこと言った。
これからアメリカで仕事を自力で探す場合は知人・コネ・Linkedinを使ってください!
アメリカではコネが大事
ちなみにコネとは日本のような裏口とか賄賂という意味ではなく、信頼できる人に知っているところを紹介してもらう、というアメリカではかなり大事なルートです。
後ろめたくなる必要は全くなく、それも就活の努力の一部ですので、人に自分が求職中であると言うのはとても大事です。
まとめ
はい、ということでアメリカで日本人が職探しをしようとすると時々とんでも無い求人を見ることがある、と言うお話でした。
皆さんぜひ、就活、アプライする際は慎重に、採用されてから困らないように(以前の私のように)しましょう!