Craftuno と ヒューストン・ママの会 スマティさんインタビュー

手作りマスク「Craftuno」や「ヒューストン・ママの会」、「ヒューストン在住日本人」とアメリカでオンライン日本人コミュニティをボランティア運営、さらに海外在住日本人を対象に無料で相談ができるサービス「海外こころのヘルプデスク24時」でも活躍されているスマティさんのインタビュー。

豊富な海外生活と国際結婚、ワンオペ、国をまたいでの引っ越しなど様々なご経験、奉仕とは、自己の幸福とはなどたっぷりとお話を伺いました。子育て、異国での自己実現、ボランティアなど役に立つエピソードが満載です!



Craftuno」と「ヒューストン・ママの会」のスマティさん

こんにちは、なんだろなアメリカにようこそ。キョウコ@NandaroAmericaです。

なんだろなアメリカの大人気企画であるインタビュー第5弾!このコーナーではアメリカで頑張る日本人をフィーチャーして、キラリと光る素敵な人物とその活動をご紹介しています。

今回のお客様はスマティさん(@sumati8)です。

スマティさんはコロナウィルス飛沫感染対策の手作りマスク販売のCraftunoと、テキサス州ヒューストンで「ヒューストン・ママの会」、「ヒューストン在住日本人」の発起人として、そして前回インタビューでご紹介した秋田まきさんの設立された「海外こころのヘルプデスク24時」にてボランティアをされています。

様々な活動をされているスマティさんにお話を伺います。




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もくじ クリックで飛びます

「スマティ」さんはサンスクリット語で素敵なお名前の意味

K(キョウコ):スマティさん、こんにちは。よろしくお願いします。

S(スマティ):こんにちは。よろしくお願いします。

K:スマティさん、まず、お名前の由来から伺いたいのですが、ご本名はATSUMIさん。ということで、「SUMATI」はアナグラムなんですね。

S:はい。インド人の友達が考えてくれたあだ名ですが、私の本名ATSUMIのアナグラムで作っただけでなく、サンスクリットでGood mindの意味があります。

K:サンスクリット語とはまた深いですね。スマティさんはヨガなどもされていらっしゃるので、SNSを通してスマティさん=めっちゃ健康的というイメージを勝手に持っています。素敵なお名前です。

そしてお名前といえば、スマティさんは ツイッターのオンライン在米日本人交流会 #在米鍋会 の名付け親でもいらっしゃいます!もうずいぶん仲良くしていただいて、ありがとうございます。

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スマティさんはヒューストンで精力的に活動をされています

K:スマティさんはアメリカに住まわれて何年くらいですか?

S:もうすぐ3年です。

K:ヒューストンでママの会をされていますから、お住いはテキサス州、ヒューストンですね。日本の方が多いテキサス州ですが、私は行ったことがまだなく、バーガーやBBQ、メキシカン料理(TexMex)ローンスター、夏は暑いくらいのイメージしかありません。(笑)どんな場所ですか?

S:(笑)割と赤い州で、NASA宇宙センター、世界最大級医療センター、石油ガス産業で有名ですね。

K:そうか!宇宙関係のテクノロジーの企業や研究所もたくさんありますね!

国際的な環境で育ち、それゆえの苦労もされているスマティさん

K:いつもこのインタビューコーナーではみなさんに大変お手数をおかけしているんですが、たっぷりご自身のことを書いていただくんです。

今回、スマティさんは小さい頃から国際的な環境の中にいらっしゃったと伺って、いろいろな苦労や努力をされたのだろうなあ、と感じました。

S:父が日系メーカー勤務で駐在を繰り返したため、私は生まれたのがパナマ、その後グァテマラ、コスタリカ、日本、イタリア、イギリスと半年~5年間隔で転々と引っ越しして育ちました。

子供の頃はみんな数年経てばどこかの国へ引っ越すものと勘違いしていたくらい。

K:小さいころの半年~5間隔はきついですよね。私も日本国内で中学生までに2度引越しましたが、かなりのストレスだったと記憶しています。慣れて落ち着いたらお別れ、そしてまた新しいところでやり直し。

お子さんにとってはこういう変化はかなり影響を与えると思います。

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海外に住んでいたからって自動的に英語がペラペラになるわけではないんです(笑)

K:スマティさんはこの間、日本語で生活されていたのですか?

S:はい。そうなんです。補習校でなく月曜から金曜まで毎日フルで日本人学校へ通っていたので、家でも外でも日本語のみの生活。

逆に日本に帰ってきてから「帰国子女=英語ペラペラ」の押し付けに困りました。さらに英語でなくスペイン語圏やイタリア語圏の国で主に生活してましたし。

K:これ、やめてほしいですよね。帰国子女と英語能力の話題はツイッターでも度々燃え上がりますけど、二か国語をネイティブレベルにできるようにするというのはかなり特殊で、相当の努力と時間をかけないとできないことですよね。(時間をかけたからってできることでもないですけど)

「帰国子女=英語ペラペラ」というステレオタイプ、私の知人も受けて苦労していました。海外でも日本人学校に行っておうちでも日本語で教育されるご家族も多いですよね。

やっぱり海外の空気が好き!現地就職でシンガポールに移住!

K:幼少期を海外で暮らされたスマティさんですが、一旦日本で暮らされたあと、また外に出られて今に至るそうですね。

S:はい。高校、大学、社会人15年目と日本だったのですが、子供の頃接してた海外の空気が懐かしくなって、シンガポールに思い切って現地就職。

K:日本から現地就職ってすごいですね!スマティさんのフットワークの軽さ!これは憧れてもなかなかできることじゃありません。

S:最初は12年の滞在のつもりだったんですが、現地で水を得た魚のように元気になっちゃって、気が付いたらシンガポール永住権を取り、現在のアメリカ人夫に出会い、子供を産み、シンガポールで13年経ってました。

K:出会いって面白いですね。旦那様と出会って、お子さんもできて、シンガポールでの暮らしも充実していましたね。

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2017年にいよいよ現在につながる転機が訪れます

K:シンガポールで13年暮らされていたスマティさんですが、いよいよ現在お住いのアメリカに引っ越される転機が訪れたそうなのですが。

S:はい。諸事情で2017年に家族でヒューストンに引っ越すことに。私にとって8カ国目の滞在国だから余裕でしょう、とたかをくくっていたら、これが予想以上につらい。

K:8カ国!すごいですよね。パナマ、グァテマラ、コスタリカ、日本、イタリア、イギリス、シンガポール、そしてアメリカ。

S:はい。アメリカは子育てしやすいという声を聞きますが、少なくとも私のいるヒューストンで私の経験を言わせてもらうと、5-9月は日中暑すぎて子供と外遊びが困難、朝夕は蚊だらけ、インドア施設は激混み、どこへ行くにも移動手段は車、運転は荒い、誘拐や盗難等治安にも常に気を配ってないといけない等々、で幼児と新生活をスタートするにはハードルの高い都市だと感じています。

K:わかります。アメリカってかなりのことがイレギュラー。私は南部の方で暮らしたことはないですが、アメリカって、広いからゆえに気候も環境も様々で、治安も日本と比べると要注意なのが普通。運転も、こんな人がなんで運転しているの?って怒りたくなることがしばしばありますね。

 

サポートなしでアメリカ移住なんて、ハードすぎるんです

S:それに加えて私達家族は、駐在でも何でもなく、自分達の決断で全て自腹でシンガポールから引っ越して来たよそ者なので、頼れる知り合いや親戚、組織が何ひとつなかったので、本当につらかったですね。

K:アメリカに引っ越してまた現地で生活というのは、企業のサポートがあるとないとでは天国と地獄。私も声を大にして言いたいのですが、駐在さんたちが羨ましいとか、対立するとかの気持ちは一切ないですが、アメリカ暮らしはね、サポートがあって、やっとアメリカ人の普通のラインに立てる感じです。

こんな国(笑)サポートがなかったら、普通来ないですよww

私は元はサポートのある留学生でしたが、夫と米国で結婚してからそのサポートは無くなったので、30代半ばにして人生ゼロから始まった感じで、一気に人生最低の貧乏ラインの暮らしとなりました(涙)。とにかく、アメリカの暮らしは、いちいちハードルが高くてきついんですよね。

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アメリカ人もアメリカを知らない傾向はあると思いますw

S:特にアメリカってオープンなフリして意外とツテや知り合いがいないと肝心の情報が入ってこなくて不利なことが沢山ありますよね。

K:そうです!!!現地の人と繋がりがないと、情報も入って来ないし、ネットで探していても取りこぼしが多すぎて把握できないんですよね。地域でルールや決まりが全然違うから、別の州の知り合いの話が自分の地域でそのままいかないことがしばしば。

S:夫はアメリカ人だから色々分かってるだろうと思いきや、彼の出身はワシントンDCで、20代後半以降メキシコやらアルゼンチンやらに住んでいたことから、アメリカ生活に関して私が何を聞いても「知らない」んです。

K:スマティさんの渡米後のご苦労がひしひしと伝わってきます。スマティさんの旦那様はアメリカ出身、でも何を聞いても「知らない」、というのはうちの夫もですよ。(笑)

スマティさんとキョウコには共通点がかなりあります!(笑)

K:私の夫も義父の仕事で点々としてDC、東海岸を点々と、NYなどにも住んでいた時期があり、そしてオハイオに落ち着いて、私と結婚後4年でNJに越しましたが、引っ越した日に早速NJの独特な高速道路の作りに大パニックに陥ったり、その後もとにかく別の州での知識が役に立たない。w 

細かい法律が色々と違うこともあるんでしょうけど、夫家族は「アメリカは州が違ったら外国」みたいな前提で構えている気がしますw

S:渡米後すぐキョウコさんのブログはとても助かりました。特に生活情報。

K:ブログ読んでくださっていたんですね。ありがとうございます。ちょっとでもお役に立てて嬉しいです!

S:そして、キョウコさんとは年齢も近いですし(私がやや年上)、小さいお子様の育児をしている点も一緒、そして自己研鑽に励む姿には随分インスパイアされましたし、我々の夫にも共通点があるようで、非常に親近感を感じています。

K:スマティさんの方がちょっと上なんですか!時々超健康的なお写真を載せられるので、私よりも全然お若く(私が老けて)見えますね!色々ご親切にスマティさん私のことを言ってくださいますが、私は今までやっていた仕事の分野がアメリカで活かせないので、まだまだ下積みですw

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シンガポールはオンラインコミュニティが発達した国

K:スマティさんは新天地のヒューストンにてオンラインコミュニティを複数運営されていますが、「オンラインコミュニティ」の立ち上げに際して、シンガポールでのご経験がとても役に立っているそうですね。

私も日本人の相互扶助やコミュニティにとても興味があるので、お聞かせいただけますか?

S:はい。ヒューストンに来て驚いたことの一つは、日本人同士のオープンな情報交換の場が殆どないか非常に古い手段しかない、ということでした。

一方シンガポールは日本人が多く、日本人同士の相互扶助や情報交換のためのオンラインコミュニティが高度に発達した国だと言えます。




日本人コミュニティはわざと避けていたけれど、あることをきっかけに考え方が変化

K:わたしは日本人ということと、不勉強が相まって、NJにきて1年経過するまでは、変な強がりがあり、日本人コミュニティに加わろうとしなかったのですが、スマティさんもそんな感じだったそうですね。(笑)

お互いにすごいマイナーな共通点がいくつもありますが、日本人コミュニティについて考え方が変わる転機も似ていますね。

S:私はシンガポールで独り身の頃、もしくは夫と私の2人だけの生活だった頃は、日本人コミュニティには全く興味ないどころか、駐在員家族と話が合う訳がないと決めつけてあえて日本人とつながることを避けていました。

K:(激しく納得しております)すごく共感です。自分がひもじくなるんじゃないかとか、お付き合いするのにも金銭的に合わないだろうなとか思ってしまいますよね。

S:これはキョウコさんも共感して下さるんじゃないかと思うんですが、ところが子供が生まれると事態はそう簡単ではないですよね。特に私は食育に関する話題、子の病気の時の対応で、「私は日本文化を背負った日本人なんだ」と感じることが多々あり、日本人の知り合いを作る重要性をひしひしと感じました。

K:子供ができると、自分の意地だけではなく、もっと合理的な方法を探そうと思いますもんね。子育て自体が初めての子の時は緊急事態ですよ。子供を育てるだけなのに、毎日なんかしら困って、ストレスを感じている。

私もすでにスマティさんがおっしゃった通りで、会社をクビになってから余計色々と冷静に考えていて、もし最悪のことが起きたらこの子は頼れる大人がいないじゃないか、とか、自分で学校のことや病院のことなど調べていてもこれでいいのか全然わからないから、経験者に聞かないとダメだ!と悟りました。知り合いを作っておくのは大事ですよね。

ワンオペ育児を前向きに、バランス良く過ごす活力としてのコミュニティ

K:スマティさんはかなりの頑張り屋さんですが、次もものすごいエピソードです。お産を経験された方はご存知だと思いますが、「産後うつ」の症状や警戒を出産後、大なり小なり、経験があると思います。

うつを避けるためにはなるべくストレスを避ける、とか、周りにヘルプを頼みなさい、とかよく言われますが、スマティさんは産後すぐからワンオペだったそうですね。

S:はい。シンガポールで初めての子供を産んだ直後、旦那がカナダのケベックに単身赴任することになり、生後10日ほどの新生児と私だけで2年間生活したんです。

K:ケベックに!!(涙)

S:はい。夫と会えるのは3ヵ月に1

異国で親戚どころか旦那もいない土地でワンオペ育児生活は本当に過酷でしたが、サバイバルできた理由の一つは、「可愛い我が子のために産後うつだけは避けたい」と必死で探した日本人/ローカル/インターナショナルのオンラインコミュニティ(オフラインももちろんあり)を活用したことだったと思います。

居場所が複数あり、育児情報入手のソースも複数あったんです。

K:産後10日からワンオペというのは、私は自分がどれだけ恵まれていたかと今思いますねえ。

育児で忙しい中、家にこもりっきりになるとますますストレスのはけ口もなくなり危ないですが、人との繋がりを求めてツールをうまく使うのは素晴らしいですね。

私はそれをしなかったので、子供が2歳半まで家の中で無人島状態でした。コミュニティは、こういう時に起きやすい「孤立」を防ぐ目的が大きいです。どんどん利用するべきですよね。

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新天地ヒューストンでママの会発足!

K:シンガポールでオンラインコミュニティに参加され、ワンオペでお子さんと二人お過ごしになったスマティさん。

今度はヒューストンに引っ越してから、とうとうご自分でオンラインコミュニティをオーガナイズされることになります。

S:はい。ヒューストンに来て日本人コミュニティや便利情報とつながりにくい不便さを感じたので、ないのであれば自分で作るしかない、これは私だけでなく後から来た人の役にも立つ筈だ、ということでまずは一番作りやすいと感じた「ヒューストン・ママの会」というFacebook上の非公開グループを作りました。

K:その行動力すごいです!今ではかなりの人数いらっしゃるんですよね。

S:最初は10数名のグループだったのが、今では140名を超えるグループになっています。

K:そしてさらにママさんだけに絞らず地元でグループも作られたんですよね。

S:はい。次に、既にヒューストンに10年~20年単位で住んでいて、既に自分に合ったヒューストンライフと日本人ネットワークを確立している方々にもアプローチし、とりわけ今からヒューストンに来る新参者のために無料でオープンに情報公開できることを意識してFacebook非公開グループ「ヒューストン在住日本人」も立ち上げました。現在は250名以上メンバーがいます。

K:こういうの面白いんですよね。技術がもたらした新たな繋がり、付き合いの方法。フェイスブック始め、SNSのグループのおかげで「集う」ことが簡単になっている。

インターネットがなかった頃は想像もつかないですよね。私が注目したいのは、スマティさんがおっしゃった、もともとある小さな規模のグループ。SNSでスマティさんのようにオーガナイズする方がいると、小さな規模のグループがいくつもいい感じで繋がる。

参加される方は自分の心地よい参加の仕方を自然と模索できるし、それでいて、ああ、こういう時は全体に質問したらいいかな、など、使い方も広がるんですよね。スマティさんはこういうことをボランティアで自発的にされていらっしゃる。素晴らしいですよね。

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ヒューストン・ママの会とヒューストン在住日本人についてご紹介

S:「ヒューストン・ママの会」も「ヒューストン在住日本人」も基本グループ内での情報交換がメインです。

ヒューストン・ママの会では20195月から「赤ちゃんサロン」という活動を始め、これが予想以上の反響があります。

K:私もツイッターで事前の準備のツイートなど拝見しましたよ!大変そうだけど、今度は実際に集える場所の提供をするなんて、スマティさんのお人柄と人気も感じます。

「赤ちゃんサロン」は「ママの会」とどう違うんですか?

S:きっかけは、2019年の春頃、ヒューストンに来てすぐの妊婦さんや赤ちゃんがいるママさんから不安や孤独を表したメッセージを立て続けにいただいたんですね。

K:やっぱり多くのお母さんが困っていらっしゃる。この状況に陥りやすいのはお仕事に出ていないお母さんがた。お仕事に出ない理由は十人十色だと思いますが、それだけ家にこもらなくてはいけない要因があるということですね。

公的なミートアップがない、子供を連れて行くところはあっても親(母親)のケアを提供するに至っていない。そして日本人の場合、やっぱりことばと文化の違いでアメリカの方と同等に交流するのは逆にストレス。これは米国に移住する日本人の社会問題でいいと思います。(涙)現地の政府、駐在さんの日本企業、および現地企業ももっと奥さんのことを心がけてほしいですね(涙)

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孤独、孤立、情報にたどり着けなく辛いお母さんのニーズに応えるスマティさん!

S:はい。そして、私が子供を産んですぐ不安で不安で仕方がなかったこと、似たような月齢を持つママに出会ってお喋りできることでどれだけ救われたかを思い出し、またヒューストンは外が暑すぎて赤ちゃんと行く場所が非常に限られることを考慮し、「妊婦さんや赤ちゃんのママをつなげる場所が必要ではないか?」と考えたんです。

K:冒頭で私、ヒューストンは暑いってイメージって軽く言ってしまいましたが、深刻な暑さなんですね。私が以前いたオハイオは冬場は雪&凍結で出かけられない、お散歩、日光浴も危うい、っていう環境でした。

気候に関する障壁は乗り越えられませんよね。そして、アメリカって公的なコミュニティのイベント(お母さん・育児)って全然なくないですか?日本だと(里帰りの時)公民館などでしょっちゅう寄り合いがあって今週はあっちだ、来週はこっちだって充実してるように見えたのですが

S:そこで、毎月第三週に、我が家で妊婦さんと0歳児ママさんに来てもらって、無料でおしゃべりしてもらうという「赤ちゃんサロン」を始めました。

K:スマティさんのこの行動力と正義感ですよねー。本当に尊敬します。人の役に立つってこういうところからですよね。

S:今はコロナで中断していますが、過去10回ほど開催し毎回大勢の参加者がいらっしゃって、皆さん本当によくおしゃべりされます。いらなくなった赤ちゃんグッズや絵本等の寄付も募っていて、リサイクルにも注力しています。特に日本語の絵本なんてアメリカでは貴重品ですもんね。

K:皆さんおしゃべりしたくてたまらないんですよね。私もそうでした。そして、赤ちゃんを連れて行っていいところってなかなかないですから

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日本人コミュニティは怖い?避けたい?でも繋がりがなく不安になる。どうすれば?

K:よく、SNSなんかで日本人コミュニティは日本の悪いところが反映されているから行くな、みたいなご意見があるじゃないですか。

そういうのもあるかもしれませんが、コミュニティですから、色々な人が集まりであって、また、自分の「友達を作りたい」とか「子育ての情報を収集したい」とかの目的のためのツールでもあるので、まずは参加するのがいいのでは、と私は思うのです。

スマティさんも、実際に運営されてからたくさん思うことがあるようですね。お聞かせください。

S:私が日本人のママさんに出会ってよく感じることがあるのですが。といっても、私が出会うのは20-30代の若いママさんが多いのでサンプルとしては非常に偏っていますが。彼女達からよく聞くことは、「つながりたいけど・・・怖い」という感情です。

日本人コミュニティは怖いと聞く、日本人に会ってもどういう距離感を置いて付き合えばいいのか分からない、過去に狭い日本人コミュニティで嫌な経験をしてこりごり・・・、と言った内容です。気持ちはよく分かります。

K:わかります。私もオハイオにいる時はまず和気藹々とした日本人会というのはなかったのと、遠くの日系企業の駐在さんが集う会社ごとの女子会のようなコミュニティがありました。後者にはお邪魔したことがありましたが、永住組にはなかなか辛い空気はありました。

だからと言ってこりごり、というわけでもないのですが、やはり産後のいっぱいいっぱいな状況で、自分が属する場所を探す努力はするべきだと思うのです。

探す努力というときつく聞こえますけど、健康維持のためにヨガをするとかジョギングをするとかと同じレベルで、生活と心のためにはおさえておかなくてはいけない基本的なことなんですよね。

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自分の精神衛生のためにも、コミュニティへの参加は是非実行してほしい!

S:私は海外に住んでいる日本人って、ものすごーく個性的で面白かったり、自身にとって非常に役立つ情報や経験を持っていたり、とにかくその人に出会えたのと出会えてないのとでは、あなたの現地ライフが180度違ってきますよ!!という影響力のある人が沢山いると実感します。

そういう人に出会うためにはやはり少々のリスクは侵さなくては。「虎穴にはいらずんば虎児を得ず」ですよね。

あといつも思うのは、10人会って12人めちゃめちゃ気が合う人、68人はどっちでもいい人、12人からはめちゃめちゃ嫌われるか合わない人なんです。皆と良い関係を築こうとするとそりゃ無理ですよ。

K:私も地元のプリンストンの日本人会で理事として子育て支援部としてお手伝いをさせていただいています。「日本人コミュニティ怖い」っていう方や、実際入会してみて、合う合わないがあるのもわかります。

それに、日本人会も参加人数が多ければ学校や町内会と同じで色々な人がいます。これはどこの国のどの文化のコミュニティでも前提です。自分と合いそうな人だけとおつきあいする、そうじゃない人とは距離をとったりする社交の技術も学べる(笑)いいところだと、思うんですよね。

S:万一、変な人に出会っちゃった。という思いをされた場合は、ツイッターで不特定多数に愚痴ってもいいし()、あるいは「海外こころのヘルプデスク24時」に相談するのはどうでしょう?

どちらの方法でも一人で悩んだり落ち込んでいては気付かない見方が出てくると思います。

K:その通りですね。スマティさんとお話しするとうなづいてしまうことばかりです。駐在、永住、変な人との遭遇。そんなのどうでもいいから、ご自分の心のケアのためにも、日本でそれまで当たり前にしていたことー人と会って話す、愚痴る、一緒に笑ったり泣いたり学んだりしてスッキリする。異国の地でもとっても大事です!

海外こころのヘルプデスクの秋田まきさんとスマティさんの出会い!

K:スマティさんのもう一つの活動「海外こころのヘルプデスク24時」についてもお話を伺います。「海外こころのヘルプデスク24時」は、前回インタビューさせていただいた秋田まきさんが発起人となられて展開されている悩みや不安の傾聴のサービスです。これも私は目からウロコでした。

なぜかというと、海外生活は人生の一部で、みなさん忘れがちの「浮き沈み」が当然あるわけです。その心のケアに着目する方は、在米の中でどのくらいいらっしゃるでしょうか。

心理カウンセラーやお医者さんなどで医療サービスをされている方は多くいても、誰でも無料でリーチできるサービスを提供するというのは、ボランティア精神と行動力があっても、なかなかできないことです。スマティさんはこちらのボランティアもなさっています。

S:私は「海外こころのヘルプデスク24時」ボランティアスタッフとして活動してもうすぐ2年になりますが、代表の秋田まきとは、海外邦人のコミュニティ(居場所)を作るという点で夢の方向性が一致しています。

K:まきさんとスマティさんの出会い、私は意味があるのだと思っています。救われている方は大勢いると思います。これからも是非頑張って継続されてください。この海外生活をする日本人への貢献の心ですよね。もうちょっと日本政府も気を配って、表彰とかしてくれないのかしら。

S:(笑)私はヒューストンローカルで言わばミクロな邦人コミュニティを幾つか作っていますが、「海外こころのヘルプデスク24時」の活動でのマクロなコミュニティ形成で今後も微力ながらチームに貢献していけたらと思っています。

K:こういう方を称えられるほどの財力があったら私だったらバンバン寄付します。(お金ないですけど涙)

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コロナをきっかけにビジネスも始められたスマティさん

K:スマティさんは最近ビジネスもされているんですよね。

これは、アメリカで子育てしながらの一番の難関「お母さんでも収入を得る」で悩んでいる方が多い中、希望の光です。私ももう何年も苦労しています。是非お聞かせください。

S:もう10年、いや20年以上前から「手先が器用だからハンドメイド作品を売ったら?」と周囲に言われては「私には無理」と出来ない理由を10個挙げて行動しないよくある人でした。

K:わかりますw踏み出すのは大変なんですよね。

S:そうなんですよ。でもコロナパンデミックが始まり、ふと家族の布マスクを作ってFacebookに投稿し大きな反響を受けたのがきっかけで、布マスク販売ビジネスを思い切って始めました。

お陰様で自分でも予想せぬ展開になっています。

K:私もFBとインスタグラムでフォローさせていただいていますが、とっても素敵なマスクなんですよね。スマティさん、ミシンを使っても、普通の人はあんなに綺麗に作れないですよ。ご存知でしたか?(笑)人気があるのはプラスアルファがある証拠で、とってもおしゃれで信頼できる手作りだからなんです。

S:今回は布マスクという特需に支えられましたが、今後も出来る範囲でハンドメイドを作って売っていけたらと思っています。将来は子供達にハンドメイトの楽しさを教える教室なんてのもやってみたいですね。

K:マスクの波が終わったら、他のものもいいですよね。バッグとか服とかアイデア次第で色々注目されそうですね。写真を見ているだけでとっても楽しいんですよね。注文はどうすればいいんですか?

SFB、インスタグラム、ツイッター何でもいいので「〇〇の布の〇〇のサイズのマスクが欲しいです」とメッセージ下さい。

そのうちWebsite上でオーダー&支払いできるよう完結したいのですが、今は何しろそんな時間がありません(>_<)

K:HPでオーダー&支払いの方法、私もできていません。難しいですよね。(笑)

ハンドメイドののビジネス、応援していますので、是非頑張ってください。

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夢は語るのは無料!ということでまだまだ語らせて頂きます()

S:元IT出身ということで、PC操作やトラブルシューティングには強い方です。

何回か友人にWordPressで全て無料でホームページを作ってあげたら大変喜ばれ、口コミで数件引き合いがあったことから、今年中にはWeb作成サービスなる会社を知人と立ち上げたいと画策しています。

K:おおお!!

S:今年中と曖昧にしか言えないのは、何しろコロナ息子が学校に行かない限りこのプロジェクトは進展しないからです()

K:そんな計画もあるんですねー。HP作成は結構みなさんスキルがあるようでないようで。私もお友達のWordPressを作ってあげたことがありますが、今ビジネスはさらにオンラインメインになろうとしているから、HP作成の需要も高いんですよね。そういうお仕事のお話があるって羨ましいです!(涙)

私も今年の目標でLLCなど立ち上げたかったのですが、夫の失業とコロナで経済的にもぞれどころじゃなくなりましたねえ。お子さん、ずっとお家にいますし、学校が始まってもこれからの予定は今まで通りにいかないでしょうから、WFHって言ってもホント大変なんですよね。早くこのコロナ騒動が終わるといいのですが




やっぱり土足文化は謎ですw

K:インタビューも終盤になってまいりました。スマティさんが、アメリカでいまだにこれは解せない、謎だ、って思うことってありますか?

S:これはアメリカというか欧米諸国ですが、土足文化がやっぱりどーしても理解できません。玄関で靴を脱いだら衛生面でも良いし掃除の面でもかなり楽になると思うのに...

K:コロナでも靴裏についているかもしれないってあれほど言っているのに、直らない家庭は多そうですよね。
S
:そうです。そして何より外で犬のウンチを踏んだかもしれない靴で、ソファやらカーペットやら踏んで、そこでくつろごうとする気持ちが分かりません。

K:ベッドやソファで跳ねる人いますしね。私も馴染めないです。気になるし、さらに病気になるんじゃないかと。(笑)家の中で靴を履いたままに慣れきっている人には、「こころの中を土足で」という表現もピンとこないと思いますが、たまに修理の人とかが家に土足で入って意外なところも土足で踏んでいくと、私の心は「土足で踏まれた」感じになりますね。(笑)

S:アジアで暮らす経験をした後「靴を脱ぐ文化が気が入ったから、私は母国でもそうするようにしたんだ」という欧米人の友人は過去何人かいたのですが、逆パターンにはまだ出会ったことがありません()

K:私も、アメリカ人でも土足厳禁になったご家庭は何軒か知っていますが、日本人が靴のままっていうのはまだ会ったことがないかもしれないです。衛生感覚の違いというか、育った環境で内と外の概念とか、ずいぶん違うんでしょうねえ。

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ボランティアの精神&自分の幸福について

K:複数のコミュニティ運営やこころの24時のボランティアスタッフなど、熱心なボランティア活動をされているスマティさんですが、なぜ、ボランティア活動に駆り立てられるのかを伺いたいです。

S:ここまで話すと、必ずと言ってもいいほど言われることが「スマティさんは奉仕の精神がすごい。他人のためにそこまで出来るなんて。」です。キョウコさんにも「ベストボランティアラー」の称号を頂きましたし()

K:ちょっとこんなに活動されている方はなかなかいないですよね。いろんなタイプの人がいますが、自分の利益の追求だけに時間やエネルギーを使う方もいますからね。

何がいい悪いではないんですが、スマティさんみたいに無報酬で他人のために、というところはそれだけ、そこにやりがいと価値を見出していらっしゃるのかな、と。

S:そうですね。理由は二つあります。一つは、私はシンガポールでの経験から、コミュニティがどんな風に作られてどんな風に機能するかを知っています。

ヒューストンに来て何かコミュニティを始めるなら、私が適任ではないかと思えたからです。だってそういう存在の便利さを知らない人は、作りようがないですよね。

K:スマティさんは経験からターゲットも、ニーズも活動内容もご存知ですからね。そう考えると本当にこの分野のマスターですね。

S:(笑)二つ目に私が以前読んだアドラー心理学の本で、「幸福とは所属する共同体に貢献できているという貢献感」という定義があったんです。

地域の日本人コミュニティ運営や赤ちゃんサロン開催はそういった点では、まさに自分の所属する共同体への貢献ですよね。

この活動によって、私の幸福度は確実に増しました。なので、結局は他人のためではなく自分のためにやってるんです!

K:私が思うに、異国で初めてのお子さんを孤独なワンオペで育て、その間もしっかりしなきゃとご自分の心のケアまで考えてきちんと生活していらっしゃったでしょう。

だから修行から開けた感じで、共同体に貢献できることが幸福に感じられるっていう回路ができたんじゃないですかねえ。心の成熟って、こういう修行的体験と比例すると思うんです。

S:ボランティアと聞くと、2020年開催予定だった東京オリンピックのボランティアの条件がブラックだとか、PTAで理不尽な仕事をさせられるとか、ネガティブなイメージが強いのかもしれない。

でも、自分の好きな分野で出来るボランティアって必ずありますよ。「無理なく、楽しく」がモットーです。

K:日本では無理やりカタカナで「ボランティア」って土台もなく美徳を表に出してなんか強制的に労働することを「ボランティア」に入れていますけど、そうじゃないんですよね。できることをする。あと、ボランティアにあんまりすごい条件がある場合、それは仕事にしてちゃんとお金を出すようにしないとね。

文化的なボランティアは昔から日本にはコミュニティの中であったはずで、さらにコミュニティのあり方も変化すればそれも変化するから、いきなり人工的な仕事みたいな奉仕を強要しても、それは「搾取」ですよね。この辺はやっぱりリーダーがちゃんとしていないとボランティアラーは大変だよ。

S:前にも言いましたが、ボランティアは究極は自分のためにやるんです。

搾取や同調圧力がある環境は論外です。自分の興味ある分野でやれる範囲でやれば、自己実現と幸せに近づくツールだと思いますよ。

K:スマティさん、今回は色々お聞かせいただき、ありがとうございました。これからも益々のご発展をお祈りしております!

↑スマティさんご家族。クリエイティブさが子育てにも発揮されているのが伝わってきます!

まとめ

今回は、コミュニティ運営、そしてハンドメイドマスクで大人気のスマティさんに貴重なお話をたっぷり伺うことができました。これからもスマティさんの奉仕の精神と行動力はヒューストンを中心に広がっていきそうですね。

貴重なお時間ありがとうございました!お話を伺って、とても有益な時間が過ごせました!!

スマティさんのマスク、ママの会、ヒューストン在住日本人のコミュニティサイトはこちらです。

Craftuno

https://www.instagram.com/craftuno1/

ヒューストン・ママの会

https://houstonjpmommies.wordpress.com/

ヒューストン在住日本人

https://www.facebook.com/groups/737273333336096/

海外こころのヘルプデスク24
https://www.helpdesk24.net/



 

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