【画像】アメリカ・ミシガン州・デトロイトの荒れた風景写真と旅の思い出(2012年)

貧富の差が激しく、スラムや行政の破綻など社会問題も深刻なミシガン州のデトロイト。以前はモーターシティ(自動車産業)として大繁栄した街として有名です。

親戚を訪ねてデトロイト近郊の街へ行った際に車の中から撮影したスラム街の写真などをご紹介します。



デトロイトのスラム街の写真などを紹介します

こんにちは、なんだろなアメリカにようこそ。キョウコ@NandaroAmericaでーす。

皆さんのお住いの地域にはスラム街などはありますでしょうか。(涙)

私がアメリカに住み始めて2年目の頃、オハイオで一軒家を購入する際に夫と物件探しをしました。その際夫からは「実際に見て回って、その地域の雰囲気を知るまでは治安がわからない」と言われたことが自分にとってはとても新しかったのですが、アメリカの住宅地(時にはダウンタウンにも)には、一本入っただけでいきなりスラムになっているという現象があります。

この現象の原因は人種問題や、貧困や、道一本隔ててプロパティタックス・税収が違うので治安が悪くなる要素がある区域は悪循環に陥ってしまう、などがあります。ということで、この記事ではデトロイトのスラム街を車の中から撮影した写真などをお伝えします。



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最初はウキウキ ミシガンへの婚前旅行

2012年夏に結婚したのですが、夫の仕事は好きな時に休みが取れないので、新婚旅行ならぬ婚前旅行を初夏に決行しました。行き先はオハイオ州から北へ6、7時間のエリー湖。

途中にあるミシガン州・デトロイトの夫のおじいちゃんのうちにも寄り、デトロイト観光をしよう、ということになりました。

その後も何度かデトロイトには遊びに行ったのだけれど、途中で財政が破綻したり、水の問題が上がったりなど、日本では聞いたことがなかった市政の問題を耳にし、私は「なぜ?」「なぜ?」「市政が破綻って何?」とぽかーんとしておりました。

大学の帰りにそのまま車に乗ってミシガンへー。

高速で北上するだけなのでとても簡単なルートですが、オハイオを北上する際は、なかなかつまらない。景色がずっと畑かチェーン店の看板の点在、遠くに見える牛かどこかのダウンタウンの繰り返し…。

マクドナルド、ワッフルハウス、Super8…。

単調すぎてアメリカ人でさらにオハイオ在住何十年の夫に「今どこなのこれ」と聞かれる始末。

私が知るわけがないだろう。

こんな感じでも生きていけるんだから、我々頑張る移民は,大丈夫。大丈夫。

ダメだったら差別が悪い…システムが悪い。相手が悪い。俺のせいじゃねえ。←

北上しますーー

2012年のデトロイトの一部なんですが、かなり荒れておりまして、燃やされた建物とか車とかがそのままになっていました。

人はなかなか歩いていないんですが、夫とおじいちゃんのアドバイスによると「車の窓を開けるな」「ジロジロ見るな」。

まあ、私はスマホで写真撮っていましたが…

最近ジョージ・フロイドの件以降全米でも・略奪・破壊行動がありましたが(現在進行中)NYCの高級なお店などのショーウィンドウに板が貼られたりしています。そんな感じの風景がここにありました。

私にはかなりの印象を与えました。

「なんでこんなになるのかな」「なんで治安が悪化すると破壊されるのかな」「なんで車が燃やされるのかな」

廃墟になるっていう現象がその頃の私にはよくわからず。

隠し撮りなので←変な角度ばかりですが,ご容赦ください…。

人が住まなくなると,建物ってなぜたちまち老朽化するんでしょう。バス停に人が待っているのだけど、ここらに住んでいらっしゃるんでしょうかね。色々考えさせられます。

板を貼られたのに剥がされ、破壊される。何が目的なのよ…。

破壊行動につながるほどの怒りを持っている人がいる、ということです。

怒りはどんなことからくる怒りなのか。

そこをきちんと理解して解決しないといい社会にはならない。

無視されている人たちの声を聞かないからこうなる、という悲しさがあふれています。

危ないから絶対歩くな,という地域,歩いている方もいらっしゃいます。

一応婚前旅行なんですが、中高の修学旅行以上のインパクトを私にお見舞いしてくれています。

↑ガラスが全部割られているのね。なぜ壊すのか。というかなぜ廃虚のままなのか。

取り壊すなり、再開発なり,再利用なり、好転していくきっかけがないんでしょうね。



旧Michigan Central Train Station

これね、とても有名な建物で、Michigan Central Station です。

この廃墟は肉眼で見るとまた迫力というか,感情が伝わってくるというか,なんとも言えない悲しい佇まい。

哲学的な試みが素晴らしい映画、Naqoyqatsi(フランシス・フォード・コッポラ監督のシリーズで、人類の繁栄と業などを描いた素晴らしい作品。Koyaanisqatsi 、Naqoyqatsi 、Powaqqatsiの三部作。にも凄まじい様相が収められているのですが,ぜひ見て欲しい。

多分、人間って,一人の人間が生きている間に犯す罪というのは、直接的なものも、間接的なものも、ものすごい数で、それを受け入れて暮らすのと無視して好き放題、罪悪感なく生きる能登では全く違うんだろうけど、でも現代社会に生きていると皆それぞれ業は普通に積み重なってしまって、それをビジュアル化して体験できたような、なんというか、悲しい、怖い、反省、いろんな感情が込み上がってくるんですわ。

決して長居はできないので,実際に観に行こうとはせず,映画やドキュメンタリーなどで見れば十分と思いますけれど。

こちらの映画,とてもおすすめなので、ドキュメンタリーとか、哲学とか、社会とか、人間の暮らしのシステムとかに興味・疑問がある方はぜひ観てみてください。あまり知られていないのですが、私はマニアック映画愛好家なのでかなりハマっていた時期がありました。


アメリカ映画という白人社会のビジネスの最高峰が西洋文化・近代の人間の社会システムの罪をこう捉えて表現するのは素晴らしいクリエイター達だな,と私は思いました。アバターを観たときも人類共通のスピリチュアルみたいな体験ができてとても嬉しかったんだけど、全人類が平等になれたら地球はもっと違うし、文明もこうではなかったなと。

デトロイトの廃虚の写真はこちらのGoogle検索結果から山ほど見ることができます。閲覧注意の部類に入ると思うのでご注意ください。自己責任でー。涙



ダウンタウンのルネサンスセンターとの対象がまた悲しい

GMのルネサンスセンターはデトロイト総領事館が入っているビルでもありますが、その周りの様子とこのスラムの現実がとても差が激しくて。

何度も領事館にはお世話になり、訪れましたが、なんというかアメリカって面白い国だな、と感じるんでも色々な側面がまたあるなと知れた旅でした(婚前旅行なのだけど)

多分,アメリカ人である夫はスラムってものが当たり前にある,できうる社会であるアメリカというものは当たり前のこととして消化しているんだろうけど、私はとっても社会科のお勉強になりました。だからと言って解決への案を出せるというか建設的なことはできないのだけれど。

まず、差別撤廃と、差別主義者の思考回路を認めない・矯正させていく社会にならないとダメよね。後者は多分無理だと思う。悲しいけど。教育のレベル以前に家庭での教育・雰囲気だから。

景色は平和に見えても私の心の中ではかなり渦巻いている旅となりました。

給水塔,こんな形でよくやっていけるなと(笑)思うんだけど、そうだ、アメリカは地震が少ないし。

でも風で吹き飛ばされたりしないのかなと思いながら過ぎていく。

超八。

婚前旅行の写真も今度いつか載せます。

いやしかし、廃虚をそのままにするしかないっていうのは悲しいな。



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