アメリカ歯科治療体験記、10回目です!今回はとうとうルートカナル(根管治療)のお話。奥歯が突然痛くなって、だんだん悪化しているので、かかりつけに診てもらうも、専門医に診てもらうのは1ヶ月後と言われました。
とても痛みに耐えられないので自力で専門医を探し、驚くほどのスピードで直してもらった感動のエピソード。アメリカ歯科体験で最も素晴らしい経験!
アメリカ歯科治療体験記シリーズ10 根管治療専門医を自分で探してスピード治療をしていただいた話
こんにちはー。キョウコ@NandaroAmericaでーす。
前回はルートカナルの専門医に診てもらえるのが1ヶ月後、と言う驚きのレスポンスを受け、日本への渡航も控えていたため、なんとか数日内に完了させてくれないかと藁にすがる思いで痛みと戦いながら自力で専門医を探し当てたお話でした。
今回は、実際のルートカナル(歯の根っこの神経の治療ー根管治療)の治療はどうだったかをお伝えします。
前回までの歯科体験談シリーズも是非合わせてお読みください!
アメリカ歯科治療体験記シリーズ4 ヤブにも医療保険会社にも要注意
アメリカ歯科治療体験記シリーズ3 トラウマ殿堂入り娘の虫歯治療
アメリカ歯科治療体験記シリーズ2 娘の虫歯治療までに100日かかる
アメリカ歯科治療体験記シリーズ1 ヤブとの遭遇 4歳児の虫歯治療
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ルートカナル専門医を自力で探す
アメリカの医療保険のシステムは本当に慣れるまで難解で(いつまで経っても慣れないですけど)わかりづらいのです。
本来、保険会社の作った「このお医者さんから選んでかかってください」のリストに載っていないお医者さんにかかると保険が効かなかったり(診てくれない)、全額負担になったりなどトラブルの元になります。
と言うことなので、それを避けようと私は従順に、もらったリスト内のお医者さんを選んで最初のヤブと遭遇してしまったわけですが、その後いい歯医者さんを見つけたのは、「リストは無視して近所の評判の良いところだけに、うちの保険は使えますか、とかたっぱしから聞く」作戦のおかげです。
評判の良いところに片っ端から電話して私の保険は使えますかと聞くのが正攻法
これを最初からしていれば、ヤブとも遭遇しなかったし、この奥歯も虫歯が放置されることもなく、神経治療に発展することもなかったので、やっぱり、保険会社も、ヤブも、しっかりしてほしい。(訴えたらお金くれるのかな。弁護士さんのご意見お待ちしております)
と言うことで、学んだ私は今回ルートカナルの専門医を探す際も、「かたっぱしから聞く」作戦が功を奏しました。しかもうちの近所の歯医者さん!車で5分です!月曜に電話して聞いたら水曜に専門医が来るから、診れますよ!とのことで快諾してくださり、さらに保険の手続き・かかりつけ歯科医からのリファラルもうまくいきました。素晴らしい。
痛いときは鈍器で頭を殴られる感じで痛かったので、もう限界でした。本当にありがとうと言う気持ちでいっぱい。ああ、原始人だったらこれ、本当に死んでるよ。
運良く電話してから2日後に治療してくれることとなった
ルートカナル治療当日の話に入る前に一回、ヤブと良いところの電話対応の差をまとめます。
ヤブ
保険会社とのやりとりに2週間かかる、折り返しかけてこない、ザ・たらい回し&電話口担当者が変わるたび振り出しに戻るなど、おかしい。いつまで経っても進展しない。
これはアメリカに住んでいると、どこもこんな感じの体たらくだよな、と感覚が麻痺するけど、やっぱり、ちゃんとした電話・事務の方だと、こう言う対応はありえないんだな、と最近学んできました。
今のところ、私がお世話になっている良いお医者さん、アレルギー、耳鼻科、婦人科、皮膚科、内科ともに、こう言うひどいことはしない。
普通(良い)
保険会社とのやりとりは数時間で結果が出て折り返しかかって来る。(朝、電話をかけましょう。閉店時間が近いと次の日になったり。)
痛い、辛い、これはかなりひどいので待てない、もう、何週間この痛みに耐えながら専門医を探し続けていると説明すると配慮してくれる。(私の場合、7月中旬の旅行中から痛みが始まったので時系列に説明、痛みは消えることなく、どんどん酷くなり、10日間耐えていると説明。)
電話に出てくれた人の手腕で保険会社とのやりとりは、人間本気になれば数時間で済ませることができるんだよ。と言うわけでヤブオフィスはジムもちょっとほんとよろしくなかったので、こう言うところは、やめましょう。
ルートカナル治療当日
7月最終週のある日、朝10時ごろの予約で、行ってきました。
受付でチェックインし、免許証と保険証を見せ、初めてのところなので問診票に書き込む作業がありました。そして、ルートカナルの治療は今日は$600(だったかな)かかるけど、払えますか?と、聞かれ、はい、と言うとクレジットカードを求められます。
ここではまだ払わないけれど、担保として提示すると言う感じです。
限度額がきてるときついので、一応来院前に電話やアプリで限度額を増やしておくか、現金を多めに持っていくのをお勧めします。お金がなかったら払えないわけだから、本当に世知辛いよね。
どの歯の神経がおかしくなっているのか探し当てる医師
最初は若い方がレントゲンを手際よくとってくださり、その後専門医が登場。とてもフレンドリーで、私が「8月6日に日本に渡航するのでそれまでにはなんとかこの痛みを解決したい。できますか?」と聞いたら「8月6日は広島の日だね。」と患者に寄り添ってくれる発言もありまして、ありがたかったですね。
そして、ルートカナルの処置というのは通常1回(今回だけ)で済むから、通院はいらないよ、と言われました。素晴らしい。
で、かかりつけの歯医者からの電子カルテを見て、どの歯が一体痛みの根源なのかを探し当てることに。私的には、もう痛みも長いし、実はキーンと痛く感じる歯じゃない場合もあるとのことでまた、氷のスプレーを脱脂綿につけて、歯にくっつけ、私の反応を見る実験をしました。
で、やっぱり、後ろから2番目が痛い。
2017年のヤブ医者め!ただじゃおかないぞ!
専門医は「後ろから2番目が痛いと感じるけれど、治療が必要なのは一番後ろだ。」と言いました。
え!?一番後ろは痛くないですよ?と言ったら、
「同じ氷をつけているのに、一番後ろの時、何も感じないのは神経に問題があるということ。」
ほおおおおおお。かかりつけ歯医者さんの見立ては違っていた。
この一番後ろの奥歯はいうと、そう、ヤブに見過ごされた、「レントゲンを撮ったんだったら気づくはずの虫歯」があった歯。詰め物の中の虫歯が放置され、酷くなってしまった歯です。
ヤブめ。ただじゃおかん。ヤブが検診の時にありえない見落とし方をした虫歯のおかげでこの母神経治療をするまでになってしまった。
ルートカナル専門医の心に残る言葉
素人の私が「一番後ろがダメな歯なのに、隣の歯がこんなに痛むってあるんですね」と言ったらば、先生は
”Pain travels.”
とおっしゃいました。
神経のネットワーク、そういうことなんですね。この言葉がとても印象的で、専門家ってすごいなと思いました。(語彙)
記念に写真を貼っておきます。
確か、このお医者さんにたどり着くまでにリファラルで見せなきゃいけないからメールで送ってもらったのでした。撮影:かかりつけの歯医者さん
治療の内訳と費用の明細をすぐ計算して持って来た
ということで、どの歯を治療するかが決まりました。
ここで先生は一旦撤収し(笑)若い先生が治療費の計算をして持ってきてくれました。そして、細かい説明が。項目別に説明があり、保険が負担する金額、しない金額が明確になっていました。
はっきりしていて、信頼のできる決済。アメリカの医療事務でこれはなかなかないですよ。
で、なんと、保険がなかったら$6900!保険があるから$600ということでした。歯医者さん曰く、「いい保険入ってるね。」
そうなのか。かなり高く感じるけれど、1割未満の負担だからいいのか。でも歯医者さんのリスト作る技術は全くもってダメだったな、シグナ。リストを更新してほしい。
ラバーダムを使った治療
ツイッターで度々経験者の間で話題になりますが、アメリカの根管治療は1日で終わる上、ラバーダムを使うのでとても成功率が高いと言われています。
日本ではラバーダムの使用は標準的ではないようで、神経の通っている部分に入れる器具もアメリカのものよりも大きいなど、細部が遅れていると言われます。
私は日本で神経治療をしたことはないですが、知人は一本の歯の神経治療開始から完了まで2ヶ月間くらい、何度も通っていました。
ということで、私の印象(体験と、聞いた話)だとアメリカの方がいいのかなという気がしています。
ラバーダムというのは口内全体にゴムのシートを伸ばして被せ、治療する歯以外は綺麗にカバーします。こうすることで無駄に雑菌が治療中の歯に入らないんだそうです。そういえば、娘の虫歯治療もこの方法でした。(そんなに大掛かりになるとは思っていなかった)
麻酔をして、ラバーダムをして、歯を削り、神経の処置をします。全ての根に薬を詰め、きちんと仕上がったか確認のレントゲンを撮っていただき、完了です。麻酔から処置が終わるまで、専門医の先生と若い先生の二人掛かりで正味30分でした。
息がぴったり合っていて、本当に安心の治療を受けることができました。早い。
歯医者で滞在した時間が合計1時間ちょっとで完了。家に帰って麻酔がキレても、痛みは戻ってきませんでした!これで一安心!
このあとクラウンをつけてもらうのは別の先生。これは日本から帰ってきてからゆっくりやるのでも大丈夫ということで、とりあえず痛みの根源は解決し、すっきりしました。
その後、予定通り8月6日から1ヶ月日本へ行くことができました。
クラウンをつけてもらうのは別
ルートカナルで痛みの原因を処置してもらった際、歯の表面はずいぶん削られ、あとはクラウンをつけてもらうのみの状態になっていました。この状態で1ヶ月くらいはいけたのだけど、本来はなるべく早めに歯医者さんでクラウンを作ってもらって、くっつけてもらう必要があります。
この部分は、日本から帰ってきてからかかりつけの歯医者さんで$200くらいでしてもらいました。1回めは型を取り、2回めに出来上がったクラウンを設置してもらいました。
ということで、痛みが出てから合計4回歯医者さんに行きましたが、ルートカナル自体の処置は1回きりでした。
- 1回目 かかりつけ歯医者さんにてレントゲン、リファラルを書いてもらえる状態になる(大事)
- 2回目 ルートカナル専門医にて神経の治療(早くて感動)
- 3回目 クラウンの型を取る
- 4回目 出来上がったクラウンをつける
ですね。
まとめ
アメリカ歯科治療体験記シリーズは10回掲載してきましたが、いかがでしたか?
ルートカナルはアメリカの方がいい、と感じますが、もちろんそんな問題が起きないのが一番大事。面倒でもいいお医者さんのもとで、敵機的な歯科検診を受けましょう!
また体験談が増えたら続きます!