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ロックダウン アメリカの子供達が経験する銃乱射の避難訓練

国際結婚

こんにちはー。なんだろなアメリカにようこそ!在米アメリカ文化ライターのキョウコです。

この記事は米国で長らく問題になっている「銃乱射事件」を受けて、娘が4歳の時にプレスクールで緊急訓練をした話です。

娘の公立学校で銃撃事件が発生した場合を想定しての訓練はどんなものだったのか、そして親としての私の気持ちを語ります。

銃乱射事件を近くに感じるアメリカでの子育て

こんにちは。在米アメリカ文化ライターのキョウコ@NandaroAmericaです。

銃乱射と聞くと、日本に住んでいる時はあまりピンとこないかと思います。

そりゃそうです。日本は銃の所持は合法ではありません。

しかし実際にアメリカに住み、さらに子供が学校に行くようになると、「普段どのように備えるか」「どのように身を守るか」を身近に体験することになり、一気に緊張と恐怖、そして不安を身近に感じてしまいます。

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プレスクールで乱射事件の避難訓練

子供を学校に出し、その間子供はどうしているかと心配するのは全世界共通ですが、アメリカには「今日は誰も銃を持って撃ちに来ませんように」という異常な心配があります。

(アメリカ以外の国の)みなさんどう思われますでしょうか。

アメリカに住んでいると、「精神状態がおかしな人が銃を入手可能である環境」が本当に社会の病だなと思います。

アメリカでも当然銃の所持についての反対派は多くいるんだけど、なんかねえ。なんでだろうねえ。

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4歳ですでに銃乱射の想定避難訓練を体験

2018年、娘(当時4歳)の公立プレスクールでは、アメリカでの度重なる学校での銃乱射事件(特に二月の)を受け、ロックアウト訓練がありました。

実際に2018年2月のフロリダでの銃乱射事件に感化された若い子供たちが、ニュージャージーの地元の学校に「犯行予告」をするなどして関係者の緊迫が高まる自体が何度も起きたからです。

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私の心と頭はついていけなかった

まだ4、5歳の子供たちを銃乱射事件の訓練(地震や火事はまあしょうがないとして)をさせなければいけないという事実に、私はとても心が痛みました。

私は日本という、銃の所持も戦争も禁止されている国から来ているから、こういう武力に対する訓練というのに覚悟ができていなかったのもあります。

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そして、「銃という免許制の武器をなぜ廃止できないんだろう」、と簡単に考えている点も、まだアメリカを理解していないこととして挙げられます。

日本は平和だったんだなあ。法律で銃が許可されてるということのマイナス面はやっぱりアメリカに住まないと身に沁みません。

そして、こんな感覚は生きる上で不必要です。

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学校のロックアウトとはなんだろな

ロックアウトというのは、「封鎖」とか「閉鎖」です。安全確認のため、生徒を中に閉じ込める、ということ。

安全確保のための封鎖

「外部からの」脅威に対して学校の建物の出入り口が完全にロックされ、中の生徒たちは「安全エリア」から移動しないようにします。

主に不審者が校舎の外、学校の敷地に侵入して来たのを想定しています。不審者以外も、近所で火事とか、猛獣が出たとか、自然災害とか、何かしらの非常事態が起きたら行われます。

ちなみに不審者がすでに中にいる場合は他の方法で安全を確保します。(汗)

例えば、

  • 学校の校庭や駐車場に銃を持った不審者が校庭に入って来た、とか、
  • 近所で火災が起きたとか、
  • 爆弾を仕掛けたなどの犯行予告が届いた
  • トルネード発生で避難をしなきゃならないっぽい状況になった

などの場合に、不審者が校舎に入ってこないよう、学校側は全ての出入り口を封鎖します。


封鎖して、安全確保、そしてその後の対処

ロックアウトを実施する際は全ての授業を中断し、生徒全員の点呼、安全確認を行うために教室に集め、点呼し、生徒が全員いることを確認します。

そして、安全でないと判断した場合ー例えば本当に爆弾があった、とか、本当に危険人物がうろついている、とかトルネード(竜巻)が向かっている、とかの場合、適切な判断を学校側が下し、先生の指示のもと、全員落ち着いてシェルターなどに向かいます。

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ロックアウトのあと、さらなる安全対策、判断の段階があることも忘れてはなりません。

これは州や学校が定めたマニュアル、決まりによって違うと思いますので、お子さんの行かれている学校のホームページや、州、地元政府の教育委員会などのHPを読んでおくといいと思います。

ニュージャージーの場合はこちらです School Preparedness and Emergency Planning

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子供からの連絡には大人は闇雲に答えてはいけない

もし子供が親にテキストや電話で「今ロックアウトだよ!」と連絡をして来ても、

親は子供に「テキストはせずに先生、や大人の指示に従え」と返すことが勧められています。

そして、親もやみくもに迎えに行こうとパニックを起こさないこと、と言われています。

学校が非常事態になった際は学校側から緊急連絡が親の電話、メールが行くので、ひとまずは学校の公式情報を冷静に待ち、状況を把握することが求められています。

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何もなければ10分前後で終わります

爆弾騒ぎなどの場合は、生徒たちを教室から出ないようにしたまま学校内を調査をし、異常が確認されなければ、だいたい10分以内で通常に戻るようです。

幸いなことに、ロックアウト以上の段階に発展したことはありませんでした。

ちなみに、こんな感じの騒ぎが年に3、4回ありました。

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日本の避難訓練よりも想定が銃所持者・不審者・爆弾の方に重きがある

火事の際も一応安全確認のためにロックアウトを行うのですが、銃を持ってる人が来た、とか爆弾予告とか、某いう物騒なハプニングをメインに想定しているので、日本出身の私が知っている地震・火事などを想定しての「日本の避難訓練」がとても穏やかに感じられます。

日本でも刃物を持った異常者が学校に入って来ることは時折ありますが、アメリカの毎日のように全国で起きている銃乱射&不特定多数を巻き込む事件よりは遭遇する確率がまだ低いでしょう。

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狂気と隣り合わせであることを身を以て感じる

アメリカにいると、頻繁にどこかで乱射事件があり、街のアメリカ国旗が半旗(半分の位置で止まって、追悼の意を表す)である日が増えました。

心が痛むというか、こんなに身近に銃乱射をそこかしこに感じるのは、かなりの悲しさです。

こんなことを日常に感じさせながら大きくなるなんて、なんという社会だろう、とか、日本で暮らした方が心のためにいいんじゃないかとか、いろいろ親として悩んでしまいます。でもアメリカで暮らすんだけどね。

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娘の体験したロックアウト訓練

娘の学年はまだ4、5歳のプレスクールだったので、流石に先生方も「頭がおかしい人が銃を持って撃ちに来るぞ」とは言わず、「今日はロックアウトの練習をしますー」という感じだったようです。

やたら滅多に子供達が怖がることを言わないでくれるのはいいんだけど、小さい時は本当に何度も訓練しないと忘れるし、「ふざけずに」「真剣に」できる子はいるのかいないのか…。

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そもそもなんでアメリカは銃の所持がOKなのか

「銃を所持しても良い社会」であるというのは護身の自己責任を果たすことが可能、そして銃関連企業にはメリットはあるのかもしれないにしろ、単なる「武器」を横行させるという面では単純に治安の低下、社会の病みの要因にもなります。

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銃の所持が合法であるのは歴史に由来

アメリカでは「銃の所持」は合法です。なぜなんでしょう。

日本とアメリカは違う歴史を歩んで来た国ですから、銃に関しても捉え方が根本的に違います。銃の所持を擁護する団体も深く根ざしており、簡単に銃の撤廃はできるものではありません。

銃の所持がなぜOKなのかをざっくりいうと、「合衆国憲法修正第2条」で銃の所持を権利として認めている表現があるからです。

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合衆国憲法修正第2条ってなんだろな

合衆国憲法修正第2条ですが、アメリカ人って、この合衆国憲法と修正条項をもんのすごく気にします。

あなたは弁護士かというほど気にします。

特にポリティカルな旦那の家族、旦那は(銃反対派なんだけど)法律の解釈、合衆国憲法の解釈で一生討論できるくらいの執着があります。こんな人もまあ、いることはいるんです、結構。

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愛国心が強い=憲法へのリスペクトありき

私の旦那一家は、憲法が設定している前提の解釈をとても大事にしているタイプの家庭なので、常に憲法がー、何条がーと言っています。

アメリカの人って、日本人と比べると、憲法を読み、どう解釈するかを議論するのが多いけど、すごいよね。(たいしたことが言えなくて恥ずかしいです。)

そして、アメリカで育った大抵の人が憲法そのものを大事にしていて、アメリカという国の建国の際の出来事をリスペクトし、そして憲法の偉大さを讃える人が多いです。

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Second Amendmentで銃の所持が認められている

アメリカ合衆国憲法で銃の所有を認めている部分は、Second Amendment と言われる、修正条項の中の第二項の部分です。

この部分が「銃を持っててもいい」という意味合いのことをいっているのは、軍ができる前のこと。

Amendment II

A well regulated militia, being necessary to the security of a free state, the right of the people to keep and bear arms, shall not be infringed.

 

私の超意訳をしますと、

民兵は武器持ってていいよ、自分の安全を確保しなきゃならないならね。

みたいな内容なんですが、ご覧のように、憲法自体は大変古く、現在と社会の環境が違っていた(ある意味悪者が野放しの社会)ので、当時のこの文の持つ意味あいを現代の社会にそのまま反映させて解釈するのは私は個人的にはどうなんかな、と思います。

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なんで当時の解釈を現代にも提供させてるのか個人的には疑問

だって、ワイルドワイルドウェストの環境で生きてる人(Bandits とか決闘とかが日常茶飯事)には確かに銃や武器は必要かもしれないけど、近代社会はもっと成熟しているんだから、銃を持ちたいと考える人がここの文章に固執して「ここで言ってるんだから銃持っていいんだもんね」っていうのは、子供っぽいと思うのです…。

銃という武器はハンマーやナイフと比べて威力が違うことは誰の目にも明らか。どこかで止めないと、それを使って人を殺そうと企んでしまう精神の状態の人に悪用されるのは明らか、そして、それこそ銃を持たない人が犠牲になるのはどうなのよ、という構図ですよね。

アメリカにおいて賛成派の市民は、「銃を所持する権利がある」、と高らかに宣言されていると主張するし、アメリカの誇りだとも言う。

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反対派はその権利を「おかしい」とか「間違ってる」とかを「人道」とか「暴力はいけない」とか哲学的なアプローチで説き伏せることはなかなかできない。

その背後にはやっぱり強い闇のパワーがあるってことだよね。そして今の大統領じゃ正義も理性もあったもんじゃないから、むこう何十年も銃規制はされないでしょうね。

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日本にいた時は日本国憲法ってそんなに考えなかった

私は、日本にいた間は「真剣に読んで考えた」というのが高校の時「6条」のところを授業で扱ったくらいしかありません。(恥)勉強不足というよりも、疑問を持ったことがなかった。

アメリカ人は愛国心がすごいと(日本と比べて)言われますが、なぜなんだと思って細かく見てみると、アメリカの憲法ができた経緯と、憲法そのものを愛し、敬意を払っているのだろうと思います。

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米国で子育てする以上アメリカ憲法も理解したい

日本にいると恵まれ過ぎていて、我々の生活が憲法で守られているんだ、という気づきが生活の中でそんなになかったと思います。

アメリカで子供を育てて行く以上、アメリカの憲法と意味をちゃんと勉強しないとダメですね。

しかも憲法の制定に関しては「日本って国は長い長い世界でも稀に見る古い国家で、今までの歴史の中で変化は色々あったけど、大戦後に近代的&非核&戦争放棄が盛り込まれた法律ができてよかったよね。」みたいな、憲法があることに受け身の姿勢だと思います。(私の場合なんですが)

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なのでアメリカ人の合衆国憲法に対しての「自分たちの祖先が苦労して法律を作ったぜ」のような感覚はないと思います。

まず、日本の場合現在の憲法より古いものがゴロゴロある(神社仏閣、史跡、文学、美術、工芸、などなど)ので、アメリカのように新しい国家や土地というのはすごく人工的、計画的な側面が強くて、日本人からしたら理解するのにかなり学ぼうとしないと難しい。

今日の英語
safety plan=セーフティープラン、緊急時の経路を決めておくこと
escape=逃げる
drill=訓練
lockout=ロックアウト
lockdown=ロックダウン

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まとめ

はい、銃の所持を認められているアメリカ社会、その銃規制の穴があるために異常者が銃を所持し、銃乱射事件があとをたたない、そして子供達は異常者が校内に入って来たと想定してのLock Out の非常事態訓練をしている、というお話でした。

本当に、平和な国からひょっこりアメリカに飛び込んだ親として、子供が「今日はみんなで静かに隠れる練習をしたの」なんて言われた日には、ショックで涙が止まらないです。

怖い、怖い、と怯えないでも済む社会になってくれればな、と願わずにはいられないキョウコでした!

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