アメリカには10月31日のハロウィンと11月下旬のサンクスギビングなど、「収穫」を感じさせる情緒豊かなイベントや場所がいろいろあります。
特に農場やファーマーズマーケットなどではパンプキンやリンゴの収穫に関連するイベントを開催しており、幅広い年齢のお子様に最適なレジャーです。
この記事ではニュージャージー中部に位置する歴史ある農場、Suydam Farm 探訪のお話をします!
1713年創業の由緒正しいファーマーさん、Suydam Farmの秋を徹底紹介!
アメリカの秋の楽しみ方は、日本同様紅葉狩りや野山の散策などあります。
秋のレジャーと言ったら日本では紅葉狩りや温泉(笑)などいろいろありますが、北米では何と言っても「パンプキン」と「農業」ではないかと、近年やたらと農場に足を運んでいる在米アメリカ文化ライターキョウコです。
みなさんはいかがアメリカの美しく長い秋をお過ごしでしょうか?私はアメリカに来てから秋の美しさのインパクトのおかげですっかりアメリカの木々など、自然に魅了されてしまいました。
地域にもよるとは思いますが、大都市以外は森や林、大きな公園に簡単にアクセスでき、さらに街路樹や住宅地の木々も日本と違った種類の木が植わっていて、カラフルな秋を長く楽しませてくれますね。
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Suydam Farmさんを愛さずにはいられなくなるポイントを紹介
さて、このSuydam Farm さんはオランダ系移民が1713年に創業させ、300年以上の歴史、そして13代にわたり続いて来た農場です。300年ってのは若い国アメリカからしたら結構限られた場所にしか存在しないお家(いえ)ですよね。
場所はニュージャージー州中央の27号線うまいものゴールデンロード沿い、ライライラーメンさんとDosa Grillさんのお向かいです。すごい立地です。
日式ラーメン(&台湾料理)、ベジタリアン系インド料理、そしてオランダ系移民の農場。
私はまた勝手にニュージャージーうまいものミラクルダイバーシティトライアングルと呼ばせていただいております。(笑)
ライライさんとDosaさんの記事はこちらです!めっちゃ美味しいラーメンとインド料理食べ放題!読んでね!
ニュージャージーうまいもの伝説ーインド料理食べ放題Dosa Grillー
1 農産物の種類が豊富!いつ行っても何か収穫できる!
ブラックベリー、ラズベリー、コーン、ズッキーニ、オクラ、スクワッシュ、トマト、きゅうり、カンテロープ(メロン)、パプリカ、ナス、そして花類、卵などなど。
一般に向けてオープンしているのが基本土日なのですが、摘み取り体験や直売系目当てで行く際は、4月から9月までの間は「行けば常に何かしら実っている」状態です。
ちなみに、自分で収穫ができる形態のことを「Pick Your Own」って言いますね。
春夏秋は自分で収穫できる!そして冬は肉!
うちは夏、秋、と行きましたが、夏はコーン、ズッキーニが超美味しかったです。秋はそして何と言ってもパンプキン御一行様がお目見えです。ハロウィン以降の秋はサンクスギビングとクリスマスに向けて美味しいフレッシュな「お肉」も売られるとのことです。私、毎週行きます。(笑)
ちなみに面白いのが、一年中藁や干し草を売っているのね。納豆作ろうかな。そうだ、仲良くなって納豆を見せに行こうかな。日本の伝統食がオランダの皆さんに紹介されるときが来ましたな。ちょっと納豆ビジネスの打診を…。
2 お店の食品が超充実!
Suydam Farmさんのお店はまず27号線から牧場の敷地内に入ります。敷地のど真ん中にあるお店の建物の周りには、駐車場があります。ここがこのファームのプラザですねー。
寒い時期には焚き火をやっていますし、りんごのフレッシュジュース(アップルサイダー)の季節には試飲会をやったり、夏ならば小さなお子さんと家族が遊べるアウトドアゲームが置いてあるときがあります。(天候に左右されます)
アメリカンなパイとスイーツ!
お店の中には野菜はもちろん、お肉、牛乳、パイ、ケーキ、マフィン、ドーナツ、パンなどなど、魅了されずにはいられない商品軍と、さらに別の農場友達さんの方からも委託されているジャムやピクルス、漬物、ドレッシング、ケーキミックス、パンミックスなどなど、(しかもオーガニックが多い)いろいろ揃っています。
大手のオーガニック店の自社ブランドももちろんいいけど、たまにはこういうローカルビジネスを垣間見て、応援するのも粋ですね。週末にぜひ行ってみてくださいね。
3 入場料を取らない!
うちは子供が小さいので、2歳ごろからよく農場に連れて行っているのですが、農場も商売っ気のある農場から、ない農場までいろいろあることに気づきました。商売っ気のある農場は主に美味しい食べ物を売りに、レストラン化し、観光客の目とお腹を魅了する感じです。
で、そういうところはいろいろ設備にお金がかかっていることもあり、入場料をとったり、一つ一つが結構なお値段だったりと、「ビジネス化したがためのプラスアルファコスト」がつきものです。(当然ですね)
例えば、イチゴ狩りを売りにしているところに行くと、たいていの農場のいちご狩りシーズンの週末は「入場料」を求められ、とった分のイチゴを測って買ってもスーパーで買うよりも割高となります。これはいかに。と貧乏な私は思ってしまうのです。
とった分の量り売りです。
しかしながらですね奥さん、聞いてくださいよ。Suydamさんの牧場は、入場料を取りません。買った分だけ量り売り(スーパーと同じ仕組みですね)で産直、新鮮なものが買えるのです。
スーパーと比べて、値段は上乗せされている感じはしません。そしてお店を切り盛りされているお母さんのお話も伺って、純朴で正直な印象を受けました。(ここ大事)
4 ヘイライドに乗れる!
農場でよくある「ヘイライド」、みなさんご存知でしょうか。トラクターなどにひかれた荷台に(藁=ヘイ)に座って牧場ツアーができるあれです。
お子さんにはもちろんいいのですが、Suydamさんの場合、現在の農場主さんが自ら運転して、さらに解説を細かにしてくれます。こんなサービスは英語の勉強そして土地の勉強にもってこいです!
有料と無料だったらどっちに行く?
先にも述べた「ビジネスっ気がある観光客対象の農場」ではヘイライドはアトラクションですので、一応お金を取られる事がほとんどですね(特に週末は)。これは人数が多い家族にとってはかなりの出費。
そしてさらにイチゴなり桃なり収穫してそれを測って買うことになる場合、ドン、ドン、ドーン!とお財布に響いてきますよね。子供達はいっぱい収穫したいもんね。
Suydamさんはそこをわかっていらっしゃるんだろうと感じるのですが、ヘイライドは希望者には全員無料で提供されているようです。おじさんの語りが素晴らしいのでぜひ乗ってね。
5 おじさんの苦労話がとっても身にしみる
ヘイライド中、おじさんが、「この農場はいつ、どうやって始まりました、今年で何年目です。」、「私の父は私が若い頃どうやっていろいろ教えてくれました」などの農場の歴史と、ご自身の身の上話をしてくれます。
これがすごくいい。
そして広大な農場を見せて回ってくれるのですが、近年問題になっているミツバチ大量死についての危惧や、急な宅地開発による鹿をはじめとする野生動物の行き場がないこと、NJ中部は開発が急に始まったことを受けて全米でも異常なアンバランスがあることなどを、データを取り入れてお話しされます。
自然と人間の活動を客観的に見る
鹿に対して恨みはないんだけど、実際農業をやる上でせっかく育てていた苗木やクリスマスツリーの畑や果樹園の若木などを食い荒らされてしまうと対策を講じなくてはならず、とても困っているとのこと。
クリスマスツリーを育てるのはやめて、ここを鹿が食べないであろう別のものにしたらいいだろう、とか農業の試行錯誤の苦労などを聞くことができました。
さらにとても理不尽な話が。80年代に代々伝わる納屋に放火されたことがあり、目星のつく犯人を結局起訴できなかったこと。こういう陰謀のような事件もあるのだなあ、とパッとみた感じではわからない、アメリカの社会の話も聞けました。
農業は苦労の連続だろうけど
おじさんの言葉には「オランダ人はもともとケチだから」とか、謙遜というか、茶化した言い方をするときがあったんだけど、逆にこういう謙遜って、アメリカでは特に苦労してないと言えないのよね。農業は大変だと思う。本当に。
人間性から滲み出てくる強さっていいですね。見習いたい。
畜産系は最近この辺ではなかなか難しくなってきてしまって、最近は家畜を手放し、野菜をメインにするようになっているそうです。いろいろ農業も潮流があるんですね。
感じたのが日本の農家も、里山を作ったり、長い時間をかけて自然を少しずつ改良して、農業に適した設計をするじゃないですか。
このオランダの農業のやり方にも共通する堅実さがあるなあ、と思いました。少人数で、なるべくお金をかけず、知恵を使って開拓して行く。こういう知恵と忍耐の部分が最近の世界全体が失っていることじゃないですかねー。
とにかく、おじさんのお話はいくらでも聞いていたい内容でした。
6 パンプキンがよりどりみどり
パンプキンと言ったらハロウィンですが、アメリカでは9月ごろから徐々に店頭にパンプキンが出回ります。そして、この10年で結構値段が上がってきています。(地域にもよります)
やっぱりスーパーなどは大きさの割に割高感があるので、せっかくだから大きなパンプキンは農場に行って買ってしまった方が安いですね。
ちなみに、私が行ったとき(ハロウィン直前の週末)はパンプキン一つあたり1ポンド65セントでした。大きなのはだいたい4キロ弱の8ポンドだとして$5.20。
コストコでもこれより一回り小さなパンプキンが7ドル弱だったので、たくさん買いたい人は農場をまず当たるのが正解ですねー。
7 秋は特にスクワッシュが充実
パンプキンはもちろん、スクワッシュはハロウィンから感謝祭(サンクスギビング)の11月下旬まで外や家の中に飾っておける、いわば「お飾り」的なアイテムですが、農場に行くと色々な種類があるのでびっくりします。
食べ方もいろいろ、寒くなってくる時期、オーブン料理や煮込みなどで旬の味を楽しみたいものですね。
Suydam Farmさんにあったスクワッシュ類をご紹介しますー。
エーコーンスクワッシュ
どんぐりのような形なのでこの名前。洗って、レンジをかけて、切って、オーブンで焼いたり、タネを取ったくぼみにクリームやチーズ系の具材を入れてカリッ、ホクッ!っとなる料理が人気ですねー。
シュガーパンプキン
これは名前の通り甘いパンプキン。パンプキンって、厳密にいうとかぼちゃではないんだよね。(仲間なんだけども)日本の栗カボチャよりも遥かに水分が多いので、煮詰めて裏ごししたり、硬くなる工夫(スターチを入れるとかコンデンスミルクを入れるとか)をするのが前提ですね。
ということで、この種類はデザートのパンプキンパイにもってこいです。缶詰のパンプキンパイフィリングはこのシュガーパンプキンを利用してるのだと思います。
バターナッツスクワッシュ(左)
これは面白い形。切るのが大変なので、レンジをかけて柔らかくしてから縦に真っ二つに切って、タネを取り出してオーブン焼きにしたり、果肉を取り出してさいの目に切ってオーブンで焼いたりしますね。
このままなんの味付けをしないでも十分美味しいけれど、香草とかオリーブ油とかパルメザンとかパン粉とかまぶしてオーブンでカリカリ系にするのもいけますねー。
ちなみに、さいの目状にすでに加工してあるものは、冷凍食品や野菜売り場でよく見かけます。
ホワイトパンプキンさん
つるすべ〜。これは最近の品種改良の賜物だそうで、今年の夏季に一斉を風靡したブドウ、コットンキャンディーなどと似た感じで、「新しい」「いけてる」メンバーなんだとか。(笑)
アルビノのパンプキンをそのまま固定したものだそうで、まだそんなには数が出ていない様子。中身は食べれるので通常のパンプキン料理のレシピにそのまま使ったり、応用したりでいけるそうです。
そして、中身はホワイトではないんだそうですよ、奥さん。←これがセールスポイント!コットンキャンディーの「わたあめの味がする!」のくだりに匹敵するみたいです。
デコレーション系いろいろ
Jack – Be- Little
ちびジャック。これはそういう品種の名前のようですが、(名称がついている)小さなパンプキン。わざと小さい品種のようですが、実はオーブン料理でも大活躍で、食べられるそうです。Jonny B. Goodeみたいな名前のノリですね
そこの「これうちにある!」というあなた!(笑)食べないで捨ててしまうのは忍びないので、今年からハロウィンが終わったら、お料理に使ってみませんか?
Gourd さん御一行
Gourd たちは形がいろいろ、色も様々で見ていて面白いんだけど、ウィキペディア(の日本語にはなかった)の説明では、昔から乾燥された外の皮は入れ物に使われたり、と、ひょうたん、ヘチマ、瓜のような仲間なんですね。皮がとにかく硬い種類は彫刻ソウィテ、乾かして、そのまま保存し、アートにもなるということです。
触った感じ、そんなに硬いのかなという印象がありますが(しっとりしてるので)、干したら硬くなるのかねえ。今度買ってみたら、皮に彫刻を施して自分だけの一品を作ってみるのもいいかも?
Suydam Farmさんの情報!
それではSuydam Farm さんの情報でーす。
住所:1803 Route 27 Somerset, NJ 08873
電話:732-846-7139
ホームページ:https://www.suydamfarms.net/home
営業時間:土日のみ 朝9時から夕方5時
ニュージャージーうまいものミラクルダイバーシティトライアングルですので、朝 Suydam さんでヘイライドを体験し、お昼ライライラーメンかDosa Grill で東洋の神秘を味わい、また午後 Suydam さんで野菜を収穫するというトライアングル入り浸りコースも夢じゃありません!(笑)
まとめ
いかがでしたか?今回はニュージャージー中部の激変する地域に揉まれながらも300年続く伝統のオランダ系移民の農場、Suydam Farmさんについてお伝えしました。
この地域がこの先どう発展するのかはわかりませんが、ぜひこのスタイルを貫いて、ずっと歴史探訪スポットとして存在していただきたいと痛感しました。