アメリカに住むと、アメリカ人の「消費」のスケールの大きさが色々な場面で感じられますが、購買意欲がダイナミックなのに対して「返品」もダイナミックです。この記事では私がアメリカで生活するようになってから気づいた、「アメリカでの返品行為の実情」に関する体感と考察をまとめました。
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アメリカではひどい返品をする人がいる!
以前アメリカあるあるの記事でも触れたことがあるんですが、アメリカの量販店のカスタマーサービスのカウンターに行くと、返品されたであろう商品の山を目にすることが常で、「お店の経営はどうなってるんだろう。これも計算に入って定価が決められているんだったら、定価で買うのは馬鹿らしいなあ」などと頭をよぎります。
なんのことを言ってるのかわからない!という方は、ぜひ今度スーパーやターゲットやウォルマートに行った際、レジを出た先にあるお客様サポートカウンターをちらっと覗いて見てください(笑)。カートや棚に返品された商品が積まれていると思います。
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返品を受け付けるのは当たり前
アメリカのお店はレシートなどに必ず「返品の際は購入日より7日以内に」などと表示してあり、この場合、お店と購入者の間には明確に「返品できますよ」の契約が結ばれていることになりますよね。
当然、購入者は買った商品に返品する理由があれば返品できるのですが、私は日本に住んでいた頃の「一般常識的なルール」では、返品の際は「未開封」「未使用」「使った後壊れていたことに気づいた」などの場合に限り返品は受け付けてくれるものだと思っていました。
アメリカと日本で暮らしてみて、この「これは開けちゃったから、使っちゃったから返品はダメだろうなー」の消費者側の判断に熱の差があるのがわかりました。
日本では、購入者のあまりにも個人的な理由では返品を受け付けてくれないだろうという予想していたので、30年ほど日本で生活してきて、返品をしたものは「作動しなかったステレオ」、「落丁があった本」くらいしか思いつきません。
国が違うと返品ルールの意識が違うんだとうっすら気づく
私が大学生の時、仲良くしていたとある国からの留学生は、ちょっと使って見て気に入らなかった化粧品をスーパーに返品しました。
私は「スーパーで買える金額の化粧品なんだから(デパートのブランド化粧品ではないという点で)返品ってだめじゃないの?」と彼女に事前に言いました。
しかし、彼女は「私の好みに合わないから返す」の一点張りで、「日本では恐らくそれは返品の理由として認められないのではないだろうか」の私の意見には耳を貸しません。そして案の定そのまま購入したスーパーに返品しに行きました。
スーパーでは彼女が外国からの人であることを恐らく考慮して、波風起こさず処理していました。この出来事に私はかなりびっくりし、彼女のお国での常識は日本では常識ではないんだ、ということを彼女はこれからどう学んでいくのかと思ったものです。
うーん。
とりあえずお店は折れて偉かったと思う。これがものすごい高額なものだったら使用済みだからアウトだろうけどね。
返品が多い理由を考えてみた
現在私はアメリカに住んでいますが、先に述べたようにアメリカでは返品を気軽にする人が多いです。その理由を、これまでの私のアメリカ生活の体感的な「雰囲気データ」をもとに考えてみます。
州によって法律が違いますし、広いアメリカだから色々他にもあるかと思います。
粗悪品、不良品が多い
アメリカは日本と比べて品質管理という面でかなり雑な印象で、パッケージが破損したり、中身が揃っていなかったり、不良品だったりなど製造元に原因があるトラブルが多いです。
購入者は買う際に箱の中身まで確認はできませんから、家に帰って開封して、いざ商品が作動しなかった、パーツが欠けていた、間違ったものが送られてきたなどを理由に返品する件数は日本よりはるかに多いであろうと思います。
私も多くの大手量販店で不良品、不具合による返品はこの8年で20回以上したと思います。食品に異物混入、食中毒系のスキャンダルで自主回収の対象になったものを購入していて店から返金するから破棄してほしい、と連絡が来る、電化製品が作動しない、本の落丁、おもちゃの不良品などなど。
なので、日本からアメリカに越してきて、これ返品したいなあーと悩んでいる方がいらっしゃいましたら、そんなに躊躇せずお店に返品しに行って大丈夫かと思います。(ちゃんとした理由を添えて)
返品する際のだいたいのやり方です
- 返品したいものをなるべく買った時の状態のままで持って行きます。
- 不良品や異物混入や破損であれば、証拠となるよう、なおさらその状態がわかるように持って行きます。蓋が空いていたとか破けていたとか作動しなかったとか見せながら説明しましょうね。
- レシートはマストです。
- 買った時のクレジットカードを持参します。(返金が現金かクレジットカードに戻すかできます)
- 窓口で返品したい理由を言って返品と返金をお願いします。
こんな感じですかねえ。当たり前っちゃあ当たり前ですね。
「とりあえず買っちゃう」人
結構、アメリカの人って「気に入ったから買ってしまう」人が多いと思います。この間返品のためにカウンターに並んだところ、前に返品していた人が理由を聞かれていて「気に入って買ったんだけど金欠になったから返しにきた」と言っていました。
お店側もそれを「それあんたの勝手じゃん」とは言わないで返品を受けてお金を返す。ちなみに商品はブラジャー。
なんかおかしいと思いませんか?なにこのお店側の被害者感。そしてその返品された使用済みブラジャー、どうなるの?また売るの?まさかね。
うーーーん。
お店がかわいそう。
お客側が泣き寝入りにならない(日本よりも)
日本だと「たまねぎが5個のうち1個腐っていた」とかの理由ではあんまり返品に行かず、「こういう時もあるよね」で泣き寝入りしてしまう方が多いと思います。
そんな時、アメリカでは腐ったたまねぎを証拠として持って行き「一個腐っていたから全部返す」とする人が多い。日本と違う文化と国民性だから当然の結果なんだろうけど、多い。
確かに、不良品なんかの頻度が多いから、こうしょっちゅう不良品に当たってお金を無駄にしていたらたまらないと感じるよね。だから当然、「返品を受け付けているならばなぜ行かないのか」と躊躇しない構図があると思う。
泣き寝入りにならない。モジモジしない。堂々としている。
契約社会。訴訟社会。
アメリカって人が意見を通そうとすると通りやすいな(返品の場合)と、特に感じます。お店が受け入れているからということがなあ。
うーーーん。
マナーが悪い人間&返品も受け付けるお店のサービスの悪循環
色々な考え方や生活環境の人がいて、さらに格差社会で、そんな中、万人を対象として商売をしているお店は平等にお客さんに対応するわけだけど、ひどい返品の例として「着古した服」「履き古した靴」「ちょっと使ってあるもの」があります。
靴や服のように何度も使用したら使用感&劣化が顕著に出るものでも、受け付けていた担当者もいました。
というか店側が返品不可である理由をつけて断って大問題になるより、そのくらい甘んじてしまった方が楽!っていう感じにも見えます。
お店かわいそうなんだよ、本当に。うーん。
うちの大家は結構マナーがひどくて、うちは家を借りてるだけなのに「なんだこの人」って思うことが多いんです。
うちの借りてる家が不具合(色々ガタがきている)を起こして、その都度連絡する(借りてる人間の責任として「蛇口が漏るようになってきた」とか、「洗濯機壊れた」とか知らせることが義務でもある)んだけど、二階にある給湯器が大崩壊(アメリカ生活ーノンストップ水漏れで天井から滝!給湯器崩壊事件2017ー)した際、2階と1階が水浸しになったことがあります。
その後大家さんが謝るのも兼ねて来たんだけど、床下に流れて消えていった水が気になるので、除湿機を「買って来る」から使ってね、とその日は去って行きました。
んで、次の日除湿機を「買ってきた」んだけど
「ずっと付けっ放しにしてね。7日間ね。7日間ね。」
と謎の期限を設けて(みなさんもうお気づきですね!)去って行き、そしてまた7日目に除湿機を引き取ってそそくさと帰ってきました(笑)。どこにいくんだよ。
そう、彼は、7日目に難癖をつけて返品するのです。
そういうやり方をして生きている人がいる。
私はびっくりというか呆れたというか、まあ、アメリカにはあるんだな。と思いました。
うーーーーーーーーん。
いかん。いかんと思うんだ。モラルっちゅーか、なんと言えばいいんだろうか。
まとめ
はい、いかがでしたでしょうか?アメリカ暮らしの中で日々、皆返品ってどうしてるのかな?と思っていた方への情報になればと思います。