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アメリカで孤独な母 離乳食期の娘との戦争&うどんつわりの謎の解明

国際結婚

留学の後、国際結婚、そして慣れない文化と土地で初めての妊娠出産を体験した日本人女性のお話でございます。

今回は離乳食が始まった際同時に勃発した娘と私の毎日華々しい戦争のお話でございます。

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アメリカで孤独な母 離乳食期の娘との戦争毎日勃発の話

こんにちはー。キョウコ@NandaroAmericaでーす。

これから赤ちゃんを育てる、また今まさに離乳食をあげている親御さん向けの記事です。私と娘の離乳食戦争、どんだけ大変だったか、疲弊し切ったかについて色々書いています。

おとなしいお子さんだとうちの子のような行動はしないのかと思いますが、周りでもうちの娘のように投げる、落とすを明らかに楽しみながら毎日毎日やるお子さんの話をそれなりに聞くので珍しいことではないのだな、と今では笑っていられます。が!当時は毎日毎日病むんじゃないかというほど神経を擦りへらしていたエピソードです。



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離乳食開始は医師の指示で

うちの子の離乳食が始まった頃は5、六ヶ月です。初めての育児なので私は全て医師に指示を仰いでいました。

アメリカと日本でやり方が違うから40年前に夫を産んだ義母に聞いても、日本の実母に聞いても、現在のやり方とは大きく違うんだろうなと思ったから、絶対的に医者に聞いていました。

産婦人科、小児科、私の主治医、ナースさん、このメンバーは私のメンターです。ぜひ皆様も医療従事者に色々聞くのをお勧めしますー。

定期検診の際、小児科医に与える食品のリストなどが書いてあるプリントをいただき、さらに少し経ってからだったか、指でつまめるフィンガーフードというのも始めてOKなどお話があった。(個々の発育のペースがあると思うのでお医者さんの指示に従いましょうねー)



離乳食VS粉ミルク

ほぼ液体のおかゆ、ペースト状のベビーフード(だいたい買ってました)を根気よく与える、など色々と指導があったのだけど、同時に粉ミルクも飲ませている時期なこともあって、「粉ミルク飲んでりゃいいんだから、固形物なんて食べさせようとするなよ」というあからさまな態度がうちの子にはありました。

んで主治医に相談したら「粉ミルクを見せるな。赤ちゃんは賢いから、冷蔵庫や部屋のどこかにあるのだと知っていると、その瞬間ミルクを出すまで泣けばいいという作戦を彼らは仕掛けてくる。そうなると根気比べとなるので、徹底的にミルクは見せるな、もうないと思わせるくらいでちょうどいい。(うちの子には)」という指示をいただいた。

今更思うが、こういううちの子みたいな子は一定数いるらしい。実母によると私はとてもよく離乳食を食べ、私が味わったような苦労は微塵も経験したことがなかったという。



目眩く娘と私の離乳食戦争

それでは、私と娘の戦争のお話を紹介したいと思う。

離乳食始めの頃、ハイチェアに座らせ、お粥やペースト状の離乳食を根気よく与える。

根気も愛情も私には備わっているはずだが、肝心の娘は断固拒否でほぼ食べないことが普通だった。結局栄養面はミルクに頼っている。どうなのよこれ、と思いながら異国で、友人も知人もいない私は淡々と医師に言われた通り根気よく離乳食を与えようと試みる。

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フィンガーフードって知ってる?

結局全く食べないお粥は毎度撤収し、次はハイチェアのテーブル部分を一度綺麗に拭き、そこに直に小さくみじん切りした果物や野菜を少量バラバラと置く。

これをフィンガーフードというんだと医師に教えていただき、指で摘んで口と指の運動を刺激してファインモータースキル(小さい指の動きー鉛筆や粘土などもそう)を培う!というイケてるママさん御用達的な育児メソッドだ。

アレルギーではないとわかっている食材(すでに数日間少量与えて、問題がなかったもの)をごく少量だけばら撒くんだが、まあ、甘い果物でもない限りは遊ぶ、落とすなど、めちゃくちゃやる。チェリーなど少しだけ混ぜておこうものなら、チェリーだけ食べた後、野菜で遊ぶ。

強者すぎる娘。赤子はこんなに賢いのかと非常に焦る。



床掃除を諦めたのでこうなった

ハイチェアの下に散乱する可哀想な食べ物たち。食べてもらえなかったことで私は心を痛める。そして掃除。

毎日数回床の掃除なんかやっていられねえ。ということで私は晴れてる日はハイチェアごと庭に出して食事させた。(食事させてるという感じじゃなく、食べ物で遊ばせているようなひどい見た目よ)

蟻よ、虫よ、鳥よ、さあ、餌だ、食べてくれ、とサークルオブライフを提供して行き場のなくなった残飯たちの処理部分は自然に任せた。

これ絶対わざとやってるだろ!?

外で与える日は(夏ね)コップの使い方も覚えた方がいいだろうとか、屋外だからこぼしてももう怖くない、と汁物、飲み物も色々提供した。コップに少量のジュースを入れ、飲み方を覚えさせる。もちろんうまくいかない。

が、何度かやるうちに上手に飲めるようになってくる。少しずつなので、本当に毎日毎日訓練。大きくなるまで人生は日々の積み重ねなのだね。

果物のジュースをごく少量入れ、飲み終わったら次は水や麦茶のようなカロリーのないものを入れる。ほら、もう飲む練習を十分にしていいんだぞ!もうジュースないぞ!という状態になると、娘は笑顔でコップを倒す、落とす。こぼした水で遊ぶ。プール遊び状態。

実に楽しそうである。ジュースが入っている時の顔つきと全然違うのだ。ジュースは絶対こぼさず飲みたいという気持ちが赤子にある。水は遊んじゃっていいというのもわかっている。

手強すぎる。

何度拾っても、何度持たせても、笑顔で落とす。5秒おきに拾う母の様はビリーズブートキャンプのキツめの反復運動に似ている。

完全に痛ぶられるループに陥っており、遠くから見たらあの人は赤子を外に座らせ、足元でなぜ体操しているのかと思われる状態である。



好き嫌いが強く出てくる

だんだん色々食べられるようになってきても、基本美味しいものしか食べない。ピッキーというか、好き嫌いも大事な選択の判断をしているということで、まだ赤ちゃんの時は怒ったり無理に食べさせなかった。好き嫌いを矯正するのは言葉がわかるようになってからでいいかな、と思った。(まあ、この時点でわかっているのだけどね)

美味しいもの=果物、塩気のあるもの、肉類、麺類、米。ちなみに娘は今でもこういうものが大好きである。人間って結構生まれる前から好きなものの傾向は定まってるんではないかと私は睨んでいる。んで、食環境の中で好みの味やテクスチャのものと出会ってお気に入りになっていく、みたいな。調べる方法はないと思うんだけど。

好き嫌いが出てきてしまって私は思った。余計嫌いなものを食べなくなるから、食べさせるには根気の対決の図になる。

ということで、たまに嫌いなものしか出さないで反応を見る、ということもやってみた。その都度大騒ぎで泣き叫んだり、SNSでバズるタイプの荒れ狂うお客さん状態だった。



とにかく離乳食が進まない

で、結局ハンガーストライキ状態に陥るので、親としては栄養状態を考えてその後ミルクなり確実に食べるものを与えた。しかしこの繰り返しがまた子供にとっては「結局好きなものは手に入るな。フフフ」という学びになってしまっている。

その後ずっと娘はろくに離乳食を食べることはなかった。与えても口から出す。ペーストのものは甘い果物ベースのものしか食べない。さらに、大人と一緒の食卓では「なぜ私は大人と違うものを食べているのか。皆のものを私によこせ」という意思表示で、離乳食に怒りをぶつけ、まあ、食べない。

離乳食を食べない理由は無限にある。「離乳食だから」という理由で食べないのだ。

それでいて咀嚼や消化能力はどうなのかというとやっぱり年齢相応の7、8ヶ月なわけで、大人のものが食べたいからって、そのままあげられるわけではない。



大人と同じもの食べるよ作戦

で、私は大人向けの米を異様に柔らかく炊き、薄味でさらにガッチガチに調理した親子丼を全員に盛り付け、「今日はみんな同じものを食べるよ」と証明してから娘に柔らかいご飯と調味料を極力使わないようにした薄味の親子丼(の汁をいっぱいスプーンに入れておじや状態にした)を食べさせた。

そしたら一体今までの苦労はなんだったのかというほど食べ出した。

そういえば、これまで素材を単品で出すことばかりしていて、和食のようなものを与えなかった。しかし私は頭も体も疲れ切っていて、「和食」の離乳食を積極的に作ることはこの頃はしていなかった。

普段市販のベビーフード、ベビーシリアル(粉末オートミール)、温野菜を潰したり果物をすりおろしたり細かく切ったものくらいしかやってこなかった。タンパク質系はひき肉など煮たり蒸したりしてさらにハンドブレンダーでペースト状にしたり。でもあげ続けると飽きて受け付けなくなるフェーズにすぐ突入する。

しかし親子丼や見た目オムライスっぽい物体、肉じゃがなどリピして提供してもまたすぐ飽きてもういい、という態度になる。その後数ヶ月、娘が1歳の誕生日を迎える少し前まで、こんな感じのことを繰り返した。

そして、この「みんなで同じもの食べるよ作戦」はそんなに同じに食べられるものってないし、大人の方も参ってしまって適当に自然淘汰していった。そして、娘が1歳ちょっと前に日本に里帰りをした。



日本に行った際に胃腸炎で入院 そして大逆転

日本に里帰りした際、実母が娘の離乳食を作った。味付けも違うだろうし、環境も変わって食べるかなと思いきや、やっぱり全然食べない。

私は疲弊し切っていて、どうせダメでしょう、というスタンスだったが、母は大パニックで「どうしてこの子は食べないのだ」の探求をしばらくしていた。ちなみに実母は保育・栄養系の資格を持っていて、一応小さい子の世話とかもみられる人で、色々なタイプの子供の世話については少々経験がある。私よりもずっと育児については経験があるし。

実母は毎日毎日、「キョウコ、この子の世話は大変ねえ。この子は大変だわ」的なことを言った。

私は、ああ、この子やっぱりとても難しいタイプなのだな、と確信した。洞穴のような環境で一人子育てをしていたため私は他の似た月齢の赤ちゃんを見たことがなかったので比較もあまりできなかったし、医者に見せても気がかりな点とか経過観察的なことは指摘されたことがなかったので、こんなもんかと思っていた。

しかし、母に言うと私の娘はとても感覚が鋭くて、泣き方も違うし、感受性が強いのだろうと言っていた。

現在に至るまで、少しずつ娘は平均よりも神経が繊細っぽい面を感じているので、当時母が気づいていたことは確かだったと今は思う。(が、赤ちゃんの時は私はとにかく疲れていたのと視野が狭くなっていて一歩引いた観点からは認識できていなかった。)



入院食で気づいた娘の好きな食べ物

日本滞在中、年末のある日、娘が夜中立て続けに吐いたので自治体の救急医療センターに電話して指示を仰いだら「救急車呼んで」とアメリカとは真逆な感じで、簡単に救急車を呼ぶ事態となった。

ちなみに日本の医療費はアメリカと比べ物にならないほど安いので実費でも驚くほど低価格だった。(アメリカ比)

結局検査の結果、アデノウィルスの胃腸炎だったのだけど、1泊入院になって、16時間くらい点滴、その後病院食を食べて良いということで、うどんが出た。しかもすごい量だった。他にゼリーやジュースやヨーグルトなど赤ちゃんが食べられるものがたくさん提供された。

最後に口から物を食べてから18時間。断食してからの初めての食事だったこともあり、出されたうどんをあっという間に食べ切った娘。私も実母も心から驚いた。どんな味なのか食べたら、普通のかけうどんだった(離乳食のような薄味ではなくて、大人用のうどんの薄めの味という感じ)。あんな量を全部食べるなんてどういうことかと母と話したし、そこに入ってきてくれた医師にも言ったら、「ショック療法的な感じだったのかな。今後は固形物もっと食べてくれるといいですね。」と。

いや、ショックだったのは私と母の方よね。本当にびっくりしたよ。娘はうどん美味しいって喜びまくっている。



伝説のうどんつわりの原因は娘か?

その時私の中で何かがつながった。

私は妊娠初期の数ヶ月、つわりでずっとだるくてものが食べられなかったのだが、その中唯一「出汁の効いたうどんが食べたい」という異様な欲求があった。

しかし、私が当時住んでいた中西部の片田舎では出汁パウダーとかめんつゆなどは売っていなかったし、日系スーパーなど1時間以上高速を運転していかなければならない。往復時間と買い物時間計4時間など取れる暇が夫婦共になかった。日本の友人が本当にたくさん送ってくれて、それで毎日ちびちびと出汁のつゆを大事にいただいた。

京都風の出汁のスープがとにかく恋しくて、出汁を異様に欲していた。もしやあの伝説の「うどんつわり」は娘の食の好みだったのか?面白い感じで合点がいくので、今でも実母、夫、私の語り草になっている。

妊娠と出産、そして新しい一人の人間が生まれるということの神秘よね。

うどんつわりについてはこちらで詳しく体験談を記しています。

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娘は現在小学生ですが、和食が大好きアメリカ人で、うどん、素麺、ラーメン、寿司、白米、おにぎり、醤油味の肉などおかず をこよなく愛する味覚で成長しています。

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