アメリカ怒りの医療システムー酷すぎてキレる日本から来た主婦(私)

この記事は、以前掲載していたヤブ歯科体験記の記事から、米国医療システム全般への怒りの部分を編集し直してまとめたものを載せています。

アメリカに住んでから、そして来る前の方も、ぜひこの機会にご一緒にアメリカの医療のリーチのし辛さ、高額さにおののき、共感していただけたらと思います。(涙)

アメリカ国内のメディアに「低開発国並み」と言われる医療とは…

こんにちは、なんだろなアメリカにようこそ。キョウコ@NandaroAmericaでーす。

よくメディアがアメリカの医療を批判する時に用いる言い方が、「アメリカの医療システムは低開発国並みである」ですが、悲しいかな、実際住んでいるとその表現に心からうなづいてしまいます。

多分日本から来ると一番「わからない」「怖い」「高い」と恐れおののく部分だと思います。

医療は生活の中で最も大事なものであるのに、なぜアメリカの医療システムはこれほどまで一般市民を苦しめるのかと、最近は特にオバマの偉業を全部取り消そうとしている現大統領(2016ー2020)はじめ、市民のために改善する気の全くない政府に腹が立ってしょうがないです。オバマ戻ってきてほしい。

というわけで、この記事ではアメリカの医療に対する私の怒りと不満をつらつらと述べてお目汚しします。

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アメリカの医療はどうヒドイのか

何がどうヒドイかというと(日本の医療システムを当たり前と思って生活してきた私の体感です)

  • 医療保険が高い
  • 医療保険に入っているのに毎回の診察代(co-pay)が高い
  • 保険に入っているからといってどこの医療機関にでも行けるわけではない
  • 主治医を探すのに苦労、待たされる
  • 歯科・眼科・医療と別れているので全部必要な時に受けられるよう準備しておくには3つの保険を払う必要がある。
  • 風邪くらいの症状で行っても特に何もしないので軽い場合は自宅で治すのが前提なのだが、子供の場合「これは軽い。自宅でOK」と「急激に悪くなるかもしれないから不安」の見極めが大変苦労する。
  • せっかく行っても深刻な場合を除いて大したことをしない。
  • 深刻だった場合医師の判断のもと自然に発生するオプショナル検査の請求書が後日訳もわからないまま次々とくる。
  • そして払うべきではないダミー請求書もある場合があるので大変気を使う。請求側の手法が意図的に難解な時がある。
  • 薬もとんでもない額のものがある。
  • 子供医療とか高額医療助成とか介護とかの人を助ける観点からのサービスがハナっからない。

「高い」ってね、普通の高さじゃないんです。自己破産の原因No1がアメリカではね、医療費が払えなくなったから、なんです。日本では自己破産しないですむ案件です。

道楽・無駄遣いで自己破産しているわけではないんですよ。

一般市民、それも病気や怪我をしたがために、医療行為を受けた方が自己破産のリスクにさらされることが多い、ということなんです。

低額所得者に対して「高額な医療を受けて自己破産するか、そのまま放置して悪化して苦しんで死ぬか」の選択をしろと暗に言っている社会。

整理しようと考えただけで私も血圧が上がってしまいそうなのでちょっと一旦停止します。

今血圧200くらいです。

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まとめると

  1. 高い
  2. 大した治療をしない(可能性が高い)
  3. 何をされるか、請求されるか不透明

の三重苦ですので奥さん今日は覚えて帰ってね。

結局どういうことなのかというと

医者と医療技術のレベルは低くはないんです。(多分。でも日本の方が職人的な技とか、細やかな見極めは上だと体感しています。)

私の周りの知人で、いい歯医者さんに当たって「日本の歯医者はダメよ!」と言っている人も数人知っています。でもそのいいところにたどり着くのが運。

満足のいくレベルの医療を受けるまでに保険会社の独自ルールが邪魔をして、医療機関もやたらめったらに本領を発揮できない。本領を発揮して欲しいと患者が願う場合、保険会社がカバーしてくれない場合が多いので、そこからは実費ということです。

日本で暮らしている方からすると最初から最後まで全てが意味不明だと思いますが、日本が人道的で普通であって、アメリカが非人道なのです。よく言われる表現が保険会社と製薬会社と医療機関のビジネスとしての癒着が問題であると言われています。

この点、私は不勉強なのでいずれきちんと学ばないといけません。


日本からきた身分としてはアメリカ暮らしで医療が一番悩みのタネ

何度も言いますが、医療はそこで暮らす人にとっては最も大切です。病気や怪我は必ず誰にでも訪れますし、治せなければ、生活に支障が出ます。

国を家庭と例えましょう。大黒柱の旦那さんが病気では家庭は貧窮してしまい、子育て、家事、やりくりにかかりっきりの奥様はパートをするにも限りがあり、様々なところでしわ寄せが出てくるのは明らかです。予防、治療、予後のサポート、万が一の時のサポートがないと暮らしの水準も幸福度も下がります。

国や自治体にとっても、心身ともに健康な市民が多いほど国民総生産なり納税なりが高まるので、国は軍事だ貿易以前にまず医療をなんとかして、国民のコンディションを高めろよと私のような人間は思うのです。


アメリカの仕組みは国民幸福度以前に国民の健康レベルを丸投げ状態にしている件

ファストフード、体に悪そうな脂っぽい食べ物、合成着色料、保存料、など、アメリカの一般的な値段、品質の食品は、日本やヨーロッパの安全基準からしたら、完全に?な部分が多いのですが、こうなっている背景の一つに、一般国民の食に対する教育レベルが低いことが挙げられます。多分意図的に低くしてるんですよね。うん。

栄養や安全性の知識以前に、アメリカの大半の国民は、驚くことに、小学生レベルの家庭科の知識がありません。日本のように12、3歳になるころまでにはご飯とお味噌汁、おひたし、肉か魚料理が用意できるというスキルを学校で教えないのです。

ですので、すごく飛躍しますがアメリカでは食品、健康な体、生活、医療への意識がよく勉強している人としていない人の開きがすごいですね。そしてその差は収入、教育レベル(最終学歴など)でスバっと別れていると強く感じます。

アメリカ国民はこの状況に慣れっこになってしまって不安にさえ思わないのか?

彼らの尊ぶ人権やフリーダムはいったいどうしたんだ?

なぜこの基本的なことがわからないのか?

と日本からきた私はアメリカの医療の位置づけと一般人の暮らしの在り方にびっくり仰天の7年間を送っております。

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国境を超えて人間ドックを受けに行く知人

私の知る日本人の方は里帰りなどで日本に帰る際に、必ず歯医者や健康診断、人間ドックを受けてくる人が大勢います。実費でも、です。

「えっそこまでするか?!」と思われる方もいるかもしれませんが、私としてはそりゃそうだよね、と納得してしまいます。

他のアメリカ人・韓国人の夫婦もアメリカで医療保険を買っても受けられる内容が良くないのでアメリカでの医療保険は買っていないとのこと。旦那さんの働くアメリカの会社が医療保険を提供していないんだそうです。

会社できちんと働いているのに保険に入れない。会社が提供しないから。

日本人からしたら

はぇ?

だとおもいますが、「むしろアメリカの医療保険は買わずに奥さん経由で韓国の海外旅行保険で医療費もカバーできるから二人で年間40万円で済んでいて安上がり」と言っていました。

こういう珍現象を結構聞くので、実際暮らすようになると、アメリカの医療の(特に保険の)仕組みにますます不信感を持つようになります。

アメリカに暮らすと気持ち的には医療難民です。


アメリカの健康診断のメニュー

アメリカの一般レベルの医療保険では、一年に1度の内科の健康診断で主に行うのは、採血(空腹時血糖値も測るので前日夜8時以降食べない)、心電図、身長体重、目、耳、口の中をざっと見る(視力、聴力検査はなし)、聴診器をあてて胸、お腹の音を聞く、首や背骨、脚などの触診、尿検査、問診、そのくらいだと思います。

日本では必ず受けられる胸部レントゲン、希望者は受けられるMRI、エコー(超音波)がないので私はなんだかなーと思ってしまっています。アメリカの健康診断のメニューは大学生の健康診断ではいいかもしれませんが、30歳、40歳になってきたら不安な穴だらけメニューなのです。

実際にアメリカの方が予防医学が進んでいるという方もおられますが、平均的な生活水準(またはそれ以下)で生きていると、予防もへったくりもなく、何言ってるんだ、ちゃんちゃらおかしいよ。という体感です。

生活レベルでこんなに体感に差が出るのかというのも再度驚きだけど。


実際悪くなってから受けるのか?という怒りが

50代、60代ともなればこれでは予防も早期発見も不可能ですよね。健康に不安がなくても、わからないからこそ受ける健康診断のはずなのに、肝心なものが抜けてるんですよね。このレベルは一体なんなんだろう。(怒)

私の周りの方の様子だと、内視鏡、レントゲンなどは具合が悪くて医者にかかった時に医師の判断のもと、要精密検査となった場合に受けられるようなのです。(それでも負担額が大きいので後の請求書が恐怖)

内視鏡は50歳以上になると無料で受けられるケースも保険によってはあるようですが、例えば40代でちょっと不安があった、不調があった、で内視鏡を受けると実費になる確率が高い。

しかし私としては、まず国が「検診は受けましょう!」と勧めてくれて、「何も悪いものが見つからなかったらとりあえず安心できる材料」という捉え方だったので、それができないアメリカはとても不安です。

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この先は「オプション」&「別料金」のとことんブラックなやり方

じゃあ、レントゲン、超音波、MRIなどオプションでも受ければいいじゃないの、と思われると思います。当然私も最初そう思ったのですが、それが高額なのです。レントゲンで夫の社員割引のようなディスカウントを使っても$80(ディスカウントなしだと2倍するかも)、レントゲン一枚でそれですから、MRI、超音波、ましてや内視鏡、胃カメラ、バリウムやPET検査などは私にとっては未知の領域です。

実際にMRIを受けて$6000、CTスキャンを受けて$2000請求されたという人が周りにゴロゴロいます。みんな一体どうやって払いきっているのか謎。

女性の場合マンモグラフィと婦人科系の内診も受けられますが、それは婦人科での検診となるので、一般的には内科の検診の時に同時にはやりません。


ハイリスクの人は早めに交渉して検査を受けられるようにしましょう!

しかも、政府からの検診の助成金システムがないので、40歳以下でマンモを受けたい人は実費だそうです。(問診などでハイリスクと診断されれば、40歳に満たなくても、マンモが必要、とお医者さんが保険会社に交渉するようです)

マンモグラフィはハイリスク以外は40歳にならないとメニューに入ってきません。日本は30代前半で地方自治体のクーポンを利用して受けられる場合が多いと思います。この差はいかに。

というわけで、日本人のお友達曰く、「日本ではフルコースの人間ドックが国民医療保険なしでもたったの20万円で済む!」ので、日本できちんと検査を受ける方がアメリカより安い、ということです。

保険なし・全て全額負担でもで20万円で済んでしまう日本。アメリカ国外からの海外旅行保険のカバー枠で病院に書かれる権利を持っていた方がアメリカで保険に入ってかかるより結局安上がり。

医療保険を毎月、毎年、何十年も払っていても日本と同じ質の医療は絶対に受けることのできないアメリカ。みなさんどう思いますか?

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保険会社のポリシーで極力お金がかかる検査は受けさせない方向

私は38歳の時マンモを受けたかったので、マンモ受けたいですと医者に相談したところ、「私も受けさせてあげたいけれど、保険会社のポリシーで40歳以上から受けれるということなので、実費になっちゃうのよ。とっても心配だから受けたいという場合は自分で保険会社に相談してくださいね」と言われました。

はぁ???

「受けさせられない」「保険会社に交渉」ってなんやねん!と私は面食らいました。直談判でどうにかなるの…?それって同じお金払って受けれないのと受けれる人の差も出て、なんだかおかしいじゃん。なんだなんだ?

なのでかなり主治医には、自分がハイリスクであるかもしれないことを言っておきました。主治医だとちょっとラチがあかなさそうだったので、産婦人科医に相談したらすんなり「ハイリスクですから受けるべき」と処方箋を書いてくれました。

お医者さんは権力(笑)もっているから、自分のための扉を開けてくれるキーを持っているんだなぁ。うーん。うーん。なかなかめんどくさいぞアメリカ!

同時に、日本の医療システムは大変恵まれていたんだなあと実感しました。検診のために日本帰りたい。留学する前にマイケル・ムーアの「シッコ」は3回くらい見ておいたのにね。もうなんだろなぁ〜。


保険会社の節約作戦が医療の質を下げている

質を下げている、というのは語弊があるかもしれませんが、まずお金持ちじゃない限り高度な治療や診断方法にリーチできないという難点があります。

レントゲンや血液検査など、日本では安価だったものがアメリカではなかなか受けられない、そのため初動が遅れたり誤診したり、症状が長引いていたら意味ないですよね。

日本の妊婦健診は最初のうち毎月一回、その後隔週、臨月になれば毎週行きますね。自治体の補助もあったりします。アメリカでも頻度は一般的に日本と同じですが、驚くべきことに超音波を毎回やらないのです。


保険会社の節約作戦で日本より検査の回数が少ない

胎児やへその緒、胎盤の状態をモニターできていない。これは私はものすごく不安でした。

妊娠していた頃に自分で調べたり、聞いたことによると「超音波の機材を利用するのが高いから保険会社が一人当たりの使用回数にリミットをかけている」とのこと。

私は素人なので「超音波の機械を使うって電気代と消耗品部分だけにお金がかかるだけじゃないの?」と思うのですが、どういう仕組みなんでしょうね。

病院にすでに超音波の機械も、専門家もいるのに「高いから」ってなんなのかと。設備があるからどんどん使って、次に買い換えるまでに元とるぜ、みたいにはならないアメリカの医療。

意味がわからない…。

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妊娠中超音波を使ったのは計2回だった

私のアメリカでの妊婦検査は妊娠期間全てを通して超音波検査は計2回しかなく、逆子などをどうやって確認しているんだろうか最後まで不思議でなりませんでした。

超音波の検査のおかげで逆子やへその緒が首に巻き付いていたり、へその緒自体が絡まってしまったりなどの状態がわかった、お産の直前で逆子になったので急遽帝王切開になった、などは日本では結構耳にしていたから。

誰もに分娩まで気を抜かず、確認のために必要であればその都度エコー検査を使うべきなのに、そこをケチるというのは、明らかにアメリカの医療の標準を下げているといえるでしょう。

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アメリカで医療ミスを経験しました

あと妊娠の話つながりでもう一点。私が9ヶ月間通っていた産婦人科の主治医はお産は担当せず、その委員のネットワークの先生がお産を担当しました。

これは私はすごく嫌だったし、びっくりした。だってお産当日、今まであったこともない知らない先生が担当するってなに?私の体質や経過を知って、理解している?と言ったらしていない。

案の定お産の時にトラブルがあって酷い目に遭いました。

そして後日怒り狂った旦那は保険会社を通じて医師を訴えようとするも、お産前にサインしてるからダメでしょうね、病院にはすごい弁護士いるから、と保険会社に言いくるめられ…。

結局私を担当したお産の医師はどこかへ行ってしまって、ネットワークの病院内から消えてしまいました。

優秀な、人間的にも信頼できるお医者さんってアメリカで探すの本当に大変な気がします。

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まとめー医療制度の背景はこれからも勉強します

妊婦健診の例に限らず、こういった保険会社によるケチケチ大作戦が様々な病気の治療にあるんでしょうね。(妊娠中の医療については別記事でいずれたっぷり書きたい思っております)結局お金持ちじゃないと日本レベルの医療を受けられない状態に「なぜアメリカの国民は反発しないんだろうか」と怒っております。

保険会社が患者の医療を受ける権利を侵害していると私は思うんです(日本と比べて)。

アメリカでは一定収入がある人(働いている人はほとんど)は民間の保険会社にお金を払っていないと、まず実費でかかることが難しいわけです。それだから皆さん掛け捨てで医療保険を買う。しかし医療保険の会社が患者の行ける医療機関、保険を使っての医療行為をかなり制約している。

以前は日本で普通に暮らしていた私は、病院はどこでもかかれるのが当たり前、受けれる医療行為と値段も明確。自己負担分になる部分は事前に説明があり、どうするか決められる、という環境が当たり前だと思っていたので、このアメリカのように保険会社が設定しているありとあらゆる制約を差し置いて、自己責任だチョイスだで「あなたの決めたことだから」と各人に押し付けるような結論が不公平でならないと思うのです。


お読みいただきありがとうございました!

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