この記事ではアメリカでの病院のかかり方について、私の主催しているニュージャージー州中部を拠点とする「子育てサロン」で配布している情報をもとにお伝えします。
アメリカで暮らすようになった方、駐在などで期間限定でアメリカに住むけれど、病院にかかるにはどうしたらいいのか、まだ経験がなくて不安な方は是非参考にしてください。記事の最後に私の子育てサロンの入会情報もありますのでお見逃しなく!
私個人の意見、体験談ですのでご了承ください。加入している健康保険のタイプや州や地域によって詳細が異なると思いますので、実際に医療機関にかかる場合はご自身で責任を持って情報収集をしてください。
アメリカでの病院のかかり方を説明します
みなさんこんにちは~なんだろなアメリカのキョウコ@NandaroAmerica です。
今回のテーマはアメリカでのお医者さんのかかり方です。周りで困っている方がいましたらお気軽にシェアしてください。
アメリカの医療はいろんな面で泣かされる経験が多いので、是非皆さんにはそんな経験をしてもらいたくなく、私の在米8年目での経験とオススメをたくさんご紹介します。
記事の最後に私の個人主催する、実際にお母さんがたが集える「子育てサロン」の入会情報もありますのでお見逃しなく!
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アメリカで病院にかかるとき注意しておきたい前知識
アメリカの医療機関へのかかり方は日本とは全く違って、慣れるまで、理解するまでかなり困惑します。
病気になってからいざかかろうとしてもなかなかうまくいかないことがあるので、事前にかかりつけ医や、自分が加入している健康保険のプラン内容をしっかりと把握しておくことが必要です。
以下に、日本とどう違うのか、気づいた点を挙げておきます。
- 病気になったからと言ってすぐにどこの病院にでもかかれるわけではない。
- かかりつけ医を設定して、保険会社からの了承を得ないとかかれない。
- かかりつけ医を探すには保険会社からの病院、医師リストを参考に探す必要がある。
- 専門医も同様で、病気になってからいざかかろうとすると、2、3ヶ月は待つ場合が多い。
- 歯科、眼科は別にデンタル、ビジョンの保険に加入していないとかかれない。
- 救急車は有料。
- アメリカの医療費は日本と比べてかなり高額。
アメリカでの主治医の探しかた
まだアメリカで病院にかかったことがないという方、まず保険会社がカバーする医療機関、医師、オフィスの住所の載ったリストをダウンロード、または郵送で送ってもらう事ができますので、主治医、専門医を探す際は保険会社に聞いてみましょう。
お子さんをお持ちの方は早めに主治医を設定しておく
病院にかかる際は初診の場合、登録のための書類を書きます。ソーシャルセキュリティナンバー、グリーンカード、保険証などの提示または記入を求められます。
15分くらいで記入できる量ですが、赤ちゃん、小さなお子さんがいると大変だと思う方は、病院にあらかじめ送ってくれるよう聞いてみるのもいいと思います。母子手帳、ワクチン記録などもコピーを取られますので、持っていきましょう。
ちなみに、もしアメリカで引っ越したりすれば、また新しい地域での主治医探し、引き継ぎをしなければなりませんので、もし引っ越しが決まったら早めに新しい地での主治医を探しておかないと、また、新患として2、3ヶ月待たされることになりますので要注意。
PCP (Primary Care Physician プライマリーケアフィジシャン)とは
プライマリーケアフィジシャンというのは主治医のことで、主治医を設定しておくと風邪を引いた時、熱が出た時、予防注射や一年おきの健康診断を受ける際に優先的に同じ石のもとで診察を受けることができるようになります。
逆にPCPがいない状態だと、毎回別の医療機関、別の医師にお世話になることになるので、症状のモニターや連携ができませんから、お子さん、既往症がある方、健康な人もPCPは作っておいたほうが無難です。
どうやってPCPを設定するのか
以下、どうやって主治医を設定するかの手順と注意事項を細かくまとめました。
- 主治医 PCP Doctorを見つけましょう。既往症などある場合はかかりつけの専門医(Specialist) を作っておきましょう。保険会社がカバーしている内科医・小児科医を探して電話をかけて、新患を受け付けているか聞きます。
- 英語が不安だという方は、PCPを申し込む際、英語に不慣れなため、診察の際日本語の通訳をつけて欲しい旨伝えれば、たいていは電話通訳をその都度つけてくれます。
- 日本からの医療記録をコピーして、自分で翻訳して先生に渡せば受け取ってもらえます。
- 聞きたいこと、伝えたいことは紙にメモして持って行くといいですね。
小児科 (Pediatrics 小児科医=Pediatrician)とは
お子さんの場合は、日本と同様に内科医にかけるのではなく、小児科医を主治医にする必要があります。小児科医の存在はとても重要で、無視できることではありません。
学校に行く際に主治医がないととても苦労するので、お子さんがいらっしゃる家庭はまずお子さんの小児科医を探してPCPとして設定するのが先決だと思います。
小児科医が必要になる場面は子供の健康診断、定期ワクチン接種、そして学校手続き(プレスクール、キンダーガーテン、エレメンタリースクールなど義務教育全て)が必要になるときです。
主治医がいないと学校やプリスクールに行かせることができませんので、新しい地では早めに主治医にかかり、それまでのカルテやワクチン接種の履歴などを全て渡しておく受け継ぎ作業を済ませておきましょう。
こんな場面で子供の小児科主治医の存在は絶対必要です
以下に小児科医が必要になる場面、学校と小児科医の連携が必要になる場面、注意事項をまとめました。
- 学校に入る際に小児科医による記入が必須になるので、アメリカに引っ越されて来たばかりの方は、母子手帳など、医療の記録をコピーして引き継いでもらいましょう。
- 学校でもし医療行為が必要になる事故やアレルギー反応などがおきたらどうすればいいか、保護者の承認やサインが求められます。その際に主治医に連絡すべきか、学校が応急処置をしていいかなどの選択を聞かれます。
- 学校に入学する際の必要書類にて、学校と主治医の連携をとても大切にしている印象を受けます。
- 子供が就学前にワクチンが規定のものを受けていないと学校から入学手続きの際、催促の手紙が来ます。日米のワクチンの比較はネットで調べられます。
- 就学している場合、インフルエンザワクチンを受けないと冬場は学校で受け入れてくれないので、9月ごろからFlu Shotを受けるアポイントメントを取り、接種済みの証明をもらっておきましょう。
うちの子の体験談ー予防接種を受ける日時がルール外だった時に学校から通知が来た
うちの子が1歳に満たない時、ちょうど誕生日の頃に日本へ里帰りを予定していました。なので、前もって娘の主治医に「1歳児検診を一歳になる前に受けたい」という旨相談して、1歳児健診と、1歳児検診時に受けるべきワクチンを0歳11ヶ月2週間の時点で受けました。
その記録が病院にももちろん残っているし、医師からの文書のコピーでも明らかに接種の日時がわかるようになっています。
そして、娘が公立のプレスクールに入る手続きをする際にそれを提出しました。
すると、学校のナース(保健室の先生)が「お子さんは規定のワクチンを規定の期間に受けていないので、もう一回受けさせてください」との指摘を受けました。説明を聞くと、先述の1歳児検診の時に受けるべきワクチンを1歳前に受けているので、認めることができない、とのこと。かなりシビアですね。
学校は行ってもいいけれど、今日から1ヶ月の間に必ず主治医からの「指摘の予防接種を再度受けました」の証明書を持ってきてね、と求められました。
決まりは守らなければならない、それ以前に学校に通わすことができなくなるので、すぐにちゃんと受けて主治医からの証明書を提出しました。
アメリカではいろいろな考え方があって、ワクチンを一切受けさせない方針の親御さんもかなりいます(特にカリフォルニアでブームね)が、少なくともそれではニュージャージーでは公立学校に行かせることができませんし、後々大学に入る際も抗体検査の提出を求められるので、ワクチン摂取の良し悪しは置いておいて、進学をどうするんだろうと疑問に思っています。
専門医(Specialist)とは
専門医とは、例えば心臓専門、肝臓専門、呼吸器、耳鼻科、産婦人科などの医師を指します。内科医だけでことが足りている人は滅多に行く必要はないですが、既往症などがある方は専門医のかかりつけ医を作っておく必要があります。
専門医が必要な方は、事前に探しておかないと、新患としてまた初診に至るまで予約から1、2ヶ月の待ち期間があることが通常です。
待ち期間をスキップできる保険プランもあるのですが、それが結構高いので富裕層の方中心に加入されています。
スペシャリスト(専門医)の探し方
内科以外でかかりつけのお医者さんが必要な場合はPCPを探したのと同じ要領で、保険会社がカバーしてくれるお医者さんを探します。電話し新規患者を受け付けているか聞いてみましょう。
内科医からもネットワーク内の専門医を紹介してもらえますので、保険との折り合いを見て連絡を取りましょう。
ちなみに、それまで健康体だったのが急に心臓に異常が見つかったなどの際は、まず内科医から紹介状が行きますので、なるべく早めに見て欲しい旨配慮される場合もあります。が、配慮も優先も全く無視されて3ヶ月待たされる場合もあります。
健康体の人が健康診断で異常が見つかった場合、なかなか早めに精密検査や専門医による診断にたどり着けない現状は、アメリカの医療システムの欠点の一つでもあります。
夜間、時間外、救急 どうすれば?
主治医、専門医はもう設定しておけば、普段の風邪などの症状を診てもらうことは安心です。ですが、小さなお子さん始め、大人もいつ何時怪我や原因不明の発熱が起きるかはわかりません。
主治医のオフィスが空いていない時に医師にかかりたい!そんな時はアージェントケアーやエマージェンシールーム(救急、急患)を利用します。
どんな時にUrgent Care, Emergency Room を利用するのか
アージェントケアー、エマージェンシールームを利用する際の注意を以下にまとめました。
- 主治医がいないけれど具合が悪くなってしまった場合や、主治医があいていない時間帯は Urgent Care, Emergency Room を利用します。
- 主治医がいる場合は一応主治医のオフィスに電話し、症状、既往症などコールオフィスの担当者に説明する。そしてどうすればいいか指示を仰ぐ。また、かかりつけ医のネットワークの病院内でで時間外の受け入れをしてくれるか聞くのもいいです。
緊急時、どこに行けばいいかの見極め例
以下はあくまでも例なので、もし緊急時が起きた場合はご自分で責任をもって判断する必要がありますが、シミュレーションとして例を挙げておきます。
- 例1)土曜の朝、熱が出てインフルエンザっぽい。一応診察してもらって、薬も欲しい。またはアメリカ内だが旅行先である。→Urgent Care
- 例2)急にお腹が痛い。盲腸かも。万が一を考え総合病院併設の方が良い。家族が車で乗せていける。→Emergency Room
- 例3)大怪我、出血がある。骨が折れた。車がない。気絶した。意識がない。発作がある。車がないので自分で患者を連れて行くことができない。→ 911に電話して指示を仰ぎ、救急車を待つ。
緊急時どうすればいいのか家族会議、ルールを作っておこう!
なかなか難しい判断なので、小さなお子さんをお持ちの方、既往症がある方、高齢者がいる家庭は家族で話し合って、こういう状況の時は迷わずに救急車を呼ぶ、このくらいであればアージェントケアーに行く、などの決まりを家庭で作っておくのがいいです。
ちなみにアメリカは救急車は有料。保険の内容を確認のこと。呼んでみたが必要なかった場合でもチャージされるらしいので保険会社に事前に確認しておきましょう。何か緊急のことが起きた際、金額のことで躊躇している暇はありませんからね!
まとめ
初めはウキウキのアメリカ生活ですが、長い間住むとなると、人間誰でも病気や怪我をしますので、医療のことはなるべく早めに把握、理解しておくことが大切です。
理解し、手続きを済ませてしまえば、気持ち的にもとてもスッキリしますので、億劫にならずに行動してしまうのがオススメです。
- 自分の加入している保険のカバー内容を把握する
- 主治医、専門医、歯科医、眼科でのかかりつけ医を探し、保険会社と医療機関の連絡を取ってもらう
- 早めに主治医には会っておく(子供は特に)
- 緊急時にどこに行くか、どの程度で救急車を呼ぶかの決め事を家族で明らかにしておく
が、私のアメリカ暮らしの中の経験をもとに考えたオススメのやっておくべきことです。新しくアメリカに住むことになったご家庭に参考にしていただけたら嬉しいです。