アメリカ夫失業11ヶ月 1 失業中に体験する心理的ダメージについて

2020年1月、夫が失業。そしてコロナ禍突入。11ヶ月間の無職。本当に寿命が縮まる経験をしました。

一家の稼ぎ頭が失業するとどんな感じになり、家庭はどうやって回っていくのかをご紹介。物価が高い割に失業保険が低いニュージャージー州でのサバイバルはかなりギリギリだった、実際の体感も述べます。

アメリカ夫失業11ヶ月  シリーズ1 心理的ダメージについて

こんにちはー。ライターのキョウコ@NandaroAmericaでーす。

2020年1月、夫が失業し、その後すぐコロナ禍となり、就活のハードルもかなり上がった(職種によりますが)期間の無職&就職活動を経験しました。

パンデミックという未曾有の状況に加え、家庭の経済危機を常に心配している状態ですから、心理的には最悪でした。

コロナの流行の後、特に失業した方は多いと思いますが、実際に収入が断たれた期間の私の心理状態を記録しておきます。



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夫がクビになったことで受ける心理的ダメージ

うちの場合、私は外に働きにいかずに微々たる金額しか稼いでいないので、夫がクビになってしまったことは命綱を失うに近いインパクトがありました。

国際結婚で異国に移住して、キャリアを築く前に妊娠・出産・子育て、と進んだ方は私のように安定した収入がないままキャリアのブランクに陥っている方は多いかと思います。

そんな状況の私の心理的ダメージ(涙)は相当なものだったかと思います。

金銭の不安

夫の給料は(ブラックだったので)働けど働けど…のレベルでしたが、断たれたことで、ホームレスになるのではないかという問題に直結しました。

失業保険を受け取れたのが手続きしてから1ヶ月後くらいから。これはとても早い方だと思います。コロナ後だと数ヶ月とか。無視とか。

私の場合は4月から働いてたところが閉鎖になりましたが、政府に申請しても給付手続きは長い間無視&問い合わせてもたらい回しで終わりました。

最初の月の収入が途絶えた間は在米鍋会の皆さんに食料などを援助していただきました。ありがとうございました!これからはお返しができるように励みます。

ニュージャージーの失業保険のマックスは週に$740前後です。これは家賃が平均月$2000前後の地域としてはかなり低いです。しかも失業保険は課税。10%は使わずにTax seasonまで取っておかなければなりません。

失業すると、蓄えがない収入だった人ほど辛い目を見る構図です。蓄えがある人は就活に専念できるけれど、マックスでもらえない人は完全にアルバイトやフリーランスをしないと成り立たないバランス。

この経験を踏まえて、その地域でのLow Incomeのお仕事は絶対に受けてはならない、と悟りました。就活中に絶対調べましょうね。そして面接の際は最初に給与は幾らかを聞きましょう。現実的でない額を提示してくるところで話を進める必要性は一切ないです。




就活の際、企業を見極めるためのポイントがやたらと増える

夫は(他の記事でもたくさん愚痴っていますが)日系現地企業で働いていましたが、

  • 年中無休状態の仕事量
  • 専門職
  • 地域としてはLow-Income-Householdの年収
  • 昇給無し
  • 昇給がない説明も2年間はぐらかされ
  • 有給は現場の空気を読めば取りづらく
  • 空気をぶった切って有給を消費すれば休日の間毎日ひっきりなしに電話がかかってくる
  • ボーナス・バケーション・株の手当ても無し
  • 直属上司による中傷・パワハラ
  • 直属上司によるたかり
  • 直属上司は夫に現場を丸投げ(現場と業務内容を把握できていない)
  • その上の上司は不在らしく管理できていない
  • 就職の際の面接で約束された事項が4年間実現されたことがなかった

などツッコミどころが満載の非常によろしくない環境でした。

もともと貯蓄ができる状態の給料ではなかったので突然クビになると失業保険を受け取るまで頼るものがありません。

また、この会社は夫が会社で入っていた生命保険などもアカウントチェックのためにアクセスさせてくれず(401Kにアクセスできないのはわかるけど)最後の最後までアレでした。

夫の職場についてはこちら 米国で働く!搾取されないために知っておきたい待遇の悪い企業の例

ちなみになぜ私は外に働きに行っていないのかというと、自分の専門があるもののアメリカでは未経験で、以前声をかけられたところで何も考えないで働いてしまって搾取にあったため、模索しておりました。就活はしても「オーバークオリファイ」というマジックワードで断られるスパイラル。



日本ではこの時の夫の年収よりも多く、初任給でもらっていました。(ので、牛馬のようにこき使われた挙句、移民だからと言って、専門職なのに時給$20以下とか言われると納得がいかないエゴがあります。)

わたしのNJ州ブラック体験談はこちら アメリカでブラックな会社に採用されて即クビにされた話

技術のある移民を雇って、こき使って、技術を吸い取って捨てる会社がありますので、みなさん気をつけてくださいね!!(涙)

まあ、面接時のHRの様子でわかるかと思います。私の上司とHRは全く私の専門技術の説明を理解できず、眠そうにして(そのマナーもあきれたもんです)いました。さっさとそういうところは断りましょう。私は断らず、働き始めてしまったので、それが最大のミスでした。




子供への影響の不安

親の収入が途絶え、モーゲージの支払いはどうするか、フードバンクにいかないとやばいな、などの親同士の話し合いを完璧に子供に見せないでいられる家庭は少ないと思います。

うちはすぐ子供に気づかれ(笑)子供も6歳でしたので十分に理解し、さらに協力してくれました。

子供にとっての協力=我慢・不安 は本来与えたくない経験ですが、なるべくポジティブに伝えました。

娘は学校のカウンセラーにお願いして数回お話をしていただきました。

学校によるかと思いますが、私は駄目元でまず子供の学校に電話をかけ、経済的にかなり危機的な状況にあるので子供の朝ご飯、ランチは無料にしてほしい(EBD)などお願いしました。カウンセラーとも話し、「娘に夫が失業したことを話したので、彼女なりの理解をしてくれている。でもまだ幼いのでカウンセリングが必要だと思う。学校の帰りの時間にでも声をかけてあげてくれませんか。」などお願いしました。

するとカウンセラーの方は「(子供の)着るものはありますか、食べ物はありますか」など聞いてくださり、フードバンク、チャリティのネットワークの番号など教えてくださいました。

フードバンクは計11ヶ月弱使わさせていただきました。

カソリックチャーチ系のチャリティは電話もメールも繋がることはなく、利用せずに終わりました。

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コロナが始まってからEBDを受けている子供は夏休みなどかなりの額の食品用のお金を受け取りました。ありがたかったですね。子供の人権が無視されることなく、とにかく飢えないようになんとかしてくれるアメリカのたくましさを同時に感じました。

夫の扱われ方への憤り

夫の仕事の内容と薄給の関係にずっと私はおかしいと思っていたのですが、夫は会社に言われるがままにコースも取得したり(夫しか受からなかった、けど賞与とか出ない)真面目に努力をしていました。

会社に時間もエネルギーも100%費やす生活をずっとしていたので私は基本的にワンオペ。さらに言うとお金のないワンオペ。

ずっと子供に怪我がないよう、病気にかけないよう、食中毒を起こさないよう気を使って生活していました。(私自身もです)

チャイルドケアなどの相談にも乗ってもらえたことがなかったし、米国企業だったらこの2、3倍はお給料をもらってていいはずだ、とツイッターで愚痴るたびにみなさんのご助言で目が覚めてきました。

こう言う扱いが悪い会社から、突然ゴミを捨てるかのようにクビにする直属の上司への憎しみ(クビにはできるのだけど、HRの人もかばってくれて、何も汚点がない彼をいきなりクビにはできないとまで言ってくださったらしい)はかなりのものでした。

HRはクビの原因がないので何も書けない、と失業時のパケットなどは何もくれませんでした。(それもどうなのか)この会社は一体なんなのかw

最後の日に夫が言われたこと全ては、上司がマネジメントができていないからこその言い分。わからないのかなあ。なんてくだらない人だろう、と思いました。

こう言う怒りは本当に持ちたくない感情ですが、一時的にはしょうがなかったですね。血圧も血管年齢も害したと思います。クビになってから3ヶ月は怒りが収まりませんでした。

(夫はこの上司のすごくトゲのある言葉に毎日やられていたので、失業する数ヶ月前にパニック障害になっていました)

健康の不安

失業保険を受け取るのにもしばらく時間はかかるし、保険もすんなり入れません。(ジムの手続きがスムーズにいかないのがアメリカ)

1月上旬に州の保険に入る手続きをしましたが、結局保険が有効になったのは4月ごろでした。役所仕事・事務、もうちょっとなんとかならないのか。

コロナもパンデミックが始まってしまい、文字通り、戦々恐々としながら家に引きこもりました。外部との接点が月一回の配給となったフードバンクくらいでした。車に乗せてくれるように変わったからありがたかったです。

とにかく免疫が落ちないように、子供とよく笑うように、よく一緒に遊ぶように(本読んだり、お絵かき、テレビ、おもちゃ、散歩などですが)しました。




心理的ダメージを軽くするために心がけたこと

失業からくる不安を軽減するにはとにかく就活をすることしかありません。

他にも散歩するとか運動するとか、よく寝る(不安で眠れないのだけど)とかを行うことも大事ですが、結局はその場しのぎのことで、「仕事を得る」ことにはつながりません。

夫は2月に一件新しい仕事(政府の)に受かりましたが、3月半ばに政府がパンデミックでクローズになったので、働く前にポジションがなくなってしまいました。

レジュメにかける資格を取りまくった

パンデミック後は就活はしてもなかなか受からないだろうと思ったので、夫は2月から9月までの間いくつかCourseraなどでレジュメにかけるスキルやCertificateをもらえるコースを受けまくりました。

Courseraは格安や無料のコースがいろいろあるのでLinkedInなどのレジュメを強化していくのにはとてもいいです。が、就活をしながらコースを始めると言うことはまた夫は完全にOccupiedとなります。私は子の世話・夫の就活・次の就職に役立つ資格取得を支えるためにかなり耐えました。

夫がクビになる前もPhd持ちの人もついてこれなかったコースを夫が取得するまでの数ヶ月、私は支えたのだけど、最短できちんとミスなく受かろうとすると、価値のある資格ほど勉強時間や周りに付随する知識など、課題も増えるので時間との戦いです。

タイムシェア作戦

夫は超朝型(朝4時から夜9時までフルで就活と勉強)、私は夜型(日中は娘の世話と家事、夫のLinkedInのApply先をチェック、保存。夜子が寝てから自分の仕事)みたいにタイムシェアの生活でした。

資格を取ったり就職をするのは夫なのだけど、子供がいる世帯であることで完全に、夫は私のサポートがないと成功できない構図。私も協力しないと夫は就職できないであろう、と言う構図です。




はい、今回の心理的ダメージのお話はここまでです。2020年の失業の経験は本当にすごいものがあったので、シリーズはしばらく続きます。

次回、「アメリカ夫失業11ヶ月 2 悪循環生活と肉体的ダメージについて 」でまたお会いしましょう!(なんなのw)

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