アメリカ大学留学で日本人が苦労する点・上手に立ち回る方法

しかし、母語である日本語とアメリカの現地の言語である英語があまりにも違うこともあって、苦労が大きいと思う。日本人学生が「英語」で留学をするということは他国（英語と母語に共通性がある言語を母語とする人たち）の学生よりも明らかにハンディがあるし、専門用語など、こちらに来てから知る単語はキリがないと思う。

「お勉強」としての英語のレベルはとても高い日本人留学生

夫：日本人学生は一概に、「勉強」としての英語はとても良くできている。主に読解、語彙、文法は日本のカリキュラムでしっかりやるのでマスターできている人が多い。

しかし、これらは基本が身についた時点で実はもうそんなに重要ではない。基礎部分はその後英語と触れる時間が増すほど自然と強化されていくので、マスターできているのにいつまでも目的を同じにして繰り返す必要はない。

アカデミックな場面や仕事で「英語を使える」ようにするためには別の部分を強化する必要があるが、日本ではそこに力を入れていないケースがとても多い。基礎ができたら早めに目的をコミュニケーションや理解、そしてライティング、スピーキングなどにも重きを置いて時間をかけるのをお勧めしたい。

資格試験に受かるための英語の勉強は必ずしも英語が使える経験値を向上させるものではない

夫：TOEFLやTOEICで一定の点数を取得するのはとてもいい目標だが、実際にその点数をアメリカの大学の教授やアメリカで働く際の上司が評価をすることはない。（入学・入社の時に書いてアピールになる場合はあるが）

検定試験の合格や点数が高いことは誇れることだけれども、それで終わりではないし、検定試験を受けるために勉強を始める際は、いつも心の中に「検定試験に合格しても、素晴らしいスコアを取ったとしても、英語を使う経験値が比例して上がる保証はどこにもない」と覚えていてほしい。

日本での英語教育で足りていない部分が実際留学してから一番求められることである件

夫：日本からの留学生のほとんどが、日本で中学生から高校生まで最低６年間英語を学んで来て、日本での英語の点数も良く、自信がある上で留学することを決めると思う。

でも多くの日本人留学生は実際のアメリカは日本と真逆で、ローコンテクストカルチャーで個人主義、バーバルの社会であること、また米国のアカデミアでのクラスルームカルチャーを知らされなかったり、実際の英語の実践の経験が少ないまま留学に来るケースも多い。（日本はハイコンテクストカルチャー）

どう言うことかと言うと、アメリカの大学では教授や講師の問いかけや質問に積極的に参加し、常に自分の意見を述べて、反論や指摘があった場合にはきちんとやり取りをする必要がある。ただ出席をして、提出物を出して、座って頷いているだけでは不十分ということ。

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留学中にアメリカ流のクラスへの参加の方法を身につけて

夫：キョウコも含めて（笑）日本では非常に優秀な学生が、アメリカに留学に来てからこの文化の部分で違和感を感じ、受け入れて変わらなくてはいけない期間に大変な苦労をすることを知っているので、指導する側としてはとても心が痛む。

日本人が日本で遵守して来たことを、こちらの社会で大きく変える必要性があるのは相当なストレスもあるだろうけれど、時には学びもあると思う。

アメリカ留学を志す人はまず米国の大学や研究機関、卒業や修了の資格に価値を見出しているはず。その経験とキャリアを日本に帰って活かすのでも、アメリカで就職して活かすのでも、いい成績を取っておくことはとても大事。せっかく留学するんだからね。

大学のアカデミックコースに対応したESLで慣らし走行をするのも

夫：日本の学生の多くは、ネイティブスピーカーの発話のリスニング、理解、そして自分の意見を言う訓練は日本ではなかなかされていないことと、「人の意見は静かに聞く」「質問は後回し」「クリティカルシンキングやディベート、反論、ディスカッションの経験がほぼないため、他の国からの留学生に比べて「授業への参加」のアピールで引けを取ってしまいやすい。

アメリカの大学の講義やクラスって、先生方との距離がとても近くて「おしゃべり会」みたいなノリがある。そこで多くの生徒がどんどん意見を言いまくると、聞いて、理解して、自分も意見を言って、ととてもめまぐるしい。

お勧めしたいのはアカデミックライティングやクラスルームカルチャーの基本を知り、慣らし走行ができる語学学校での体験。

余計なコストがかかることになるけれど、アメリカで授業を取ったことがない人はアカデミックコースに対応したESLのクラスを検討してみるといいですよ。

教える側としての日本人留学生の印象

夫：日本人学生の多くはボキャブラリー豊富、文法などもよく理解してて、真面目に取り組むからものすごいポテンシャルがある。知識量はすごいよね。

でも実際にアメリカに来てから自分の考えていることを細やかに伝えるとなると「間違いを恐れて」「パーフェクションを求めて」いるのが典型で、発言量は他の国からの留学生より少ない傾向がある。（あくまでも印象。）

キョウコ：アメリカに来たばかりではアメリカのおおらかな「英語は間違えてもいいからとにかく意見を言おう」っていう方針に気づいていない、そして気持ちがついていかないのが大きいと思う。あと、やっぱり英語で自分の言いたいことを、しかも大学のクラスでの意見を言おうとすると、英語の経験が精神年齢相応に達していないから難しい。